ドル円軟調、新型ウイルスの拡大懸念で株安・債券高に=ロンドン為替概況
ドル円軟調、新型ウイルスの拡大懸念で株安・債券高に=ロンドン為替概況
13日のロンドン市場では、リスク回避の動きが広がっている。東京朝方に報じられた、中国の湖北省で新型ウイルスの感染者数が急増したことが背景。これまで、感染者数の増加が次第にピークアウトしてきているとの楽観的な見方が株高やドル高の動きを支えていたが、きょうは流れが反転している。欧州株や時間外取引での米株先物が大幅安となっている。主要各国の国債が買われており、米10年債利回りは一時1.56%台まで低下、ドル円は110円が重く、ロンドン市場では安値を109.62レベルに広げている。米債利回り低下で、ドル相場はドル安方向への動き。ポンドドルは1.29台前半から後半へと反発。一方、ユーロドルや豪ドル/ドルの反発は比較的小幅にとどまっている。リスク回避の円買い圧力もあって、ユーロ円は119円台前半へと安値を広げている。ポンド円は142円台前半、豪ドル円は73円台後半で神経質に振れている。WHOは感染者数の定義を広げたことが急増の背景としているが、市場の不信感はぬぐえていない。
ドル円は109円台後半での取引。東京朝方に報じられた、中国の湖北省で新型ウイルスの感染者数が急増したことが引き続き悪材料となっている。欧州株や時間外取引での米株先物が大幅安に。米債利回りは10年債が1.56%台まで一時低下した。ドル円は109円台後半で上値重く推移し、一時109.62レベルに本日の安値を広げている。
ユーロドルは1.08台後半での取引。序盤は米債利回りの低下とともにドル売りが入り1.0889レベルまで反発した。しかし、欧州株や米株先物の下落幅拡大を受けてユーロ円が下押しするなかで、ユーロドルも1.0870近辺と前日からの安値付近へと再び押し戻されている。ユーロ円は序盤に119.50台まで小高く推移したが、その後は上値重く安値を119.23レベルまで広げている。対ポンドでは売買が交錯しているが足元ではユーロ売りが優勢。EU経済見通しが公表され、今年と来年の成長率見通しを1.2%で据え置きとした。新型コロナウイルスにが成長見通しへの主要な下押しリスクとしている。ウイルス感染は第1四半期でピークアウトすることを前提としており、市場では甘い見方との声も。
ポンドドルは1.29台後半での取引。朝方に1.2944レベルまで下押しされた後は、上昇に転じている。米債利回りが低下するなど、主要国の債券が買われるなかで、ポンドドルは1.2989レベルに本日の高値を広げている。ポンド円は142円台前半から半ばへと下げ渋り。ユーロポンドは0.83台後半から0.84近辺で振幅した後、安値を0.8370近辺へと広げている。総じてポンドは堅調な動きだった。ポンド買いは、対ユーロでのフローの影響が大きかったようだ。
MINKABU PRESS 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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