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今週のまとめ2月3日から2月7日の週

為替 

 3日からの週は、株高・円安・ドル高の一週間だった。新型コロナウイルスの感染拡大の動きが続くなかで、米株が主要3指数そろって高値を広げたほか、ドル円は一時110円台をつけるなどリスク選好の動きが優勢だった。中国や英国などでウイルスに対処するワクチンなどの開発の動きが伝えられたことが好感された。中国人民銀行の流動性供給や政府の景気刺激策への期待などを受けて、春節明けに急落した上海株が火曜日以降は持ち直した。米国ではISM指数やADP雇用統計など強い結果が相次いだ。決算発表時期でもあって米株式市場は活況を呈した。中国が対米関税の引き下げを発表したことも好材料。円安の動きがクロス円を下支えする一方で、ユーロドルやポンドドルは軟調に推移。ユーロにとっては、一連のドイツ生産関連指標が弱かったことや、ドイツの州首相選での与党連合内部の不和が重石。ポンドにとっては、英国とEUとの通商交渉の難航が予想されることが重石だった。側面からドル高の流れを支えている。ドル指数は連日の上昇だった。

(3日)
 東京市場は、落ち着いた値動き。ドル円は108円台半ばでの推移。先週末NY市場では新型コロナウイルス懸念で108.30近辺まで下落したが、週明けは下げ一服となっている。週明けの東京株式市場は大きく値を落として取引を開始したが、想定内の下げとして円相場は反応薄だった。中国での感染拡大の報道での下げは108.32レベルまでにとどまった。春節明けの中国株式市場では、上海総合指数が8.7%安で取引を開始し、中国売りの様相を呈した。しかし、その後はやや買い戻しが入り、寄り付き安値となった。人民元相場の下落も、その他市場への影響は限定的だった。

 ロンドン市場では、ポンドが下落した。英国のEU離脱後の通商交渉に対する透明感が重石となった。きょうのジョンソン英首相演説についての事前報道で、EUとの通商交渉について、望む内容が得られなければ打ち切る、との内容があった。また、EU側の交渉方針では、双方がオープンで公平な競争条件を提供するべき、通商交渉には漁業権についても含まれるべき、離脱後の英国でもEU司法裁判所の役割継続が必要、などとしている。英製造業PMIの改善には反応せず、ポンドは売られ続けた。対ドルでは1.31台半ばから1.30台半ばへ、対円では142円台後半から141円台後半へと一方通行で下落。ユーロも連れ安。ユーロドルは1.10台後半で小安く、ユーロ円は120円台前半から一時120円割れまでの下落。ドル円は序盤に108.70レベルまで買われた後は、売りに転じて108.40台へと軟化した。欧州株や米株先物は小幅高で推移しており、中国株急落後の株式相場は平静を保った。

 NY市場では、ドル円は買い戻しが優勢。一時108.80近辺まで上昇した。先週末に急落した米株が反発したほか、この日発表のISM製造業景気指数が予想を上回り、景気判断の分岐点の50を回復したことがサポートした。50回復は昨年7月以来。世界的に製造業の低迷が続く中、今回の数字はポジティブ・サプライズとなった。ただ、新型ウイルスの影響はまだ未知数。米株は堅調に推移。一部報道で「中国が第1段階の合意に柔軟性を求めている」と伝わった。USTRは中国からの要請はないと否定した。ユーロドルは一時1.1035近辺まで下落した後、やや下げ渋り。バルニエ首席交渉官が「英国に対して非常に野心的な提案を行っているが、あくまで英国がその規則に同意する場合のみ」と述べた。ポンドドルは一時1.30台割れ。ジョンソン英首相は、EUからの要請を拒否したことを明らかにし、「交渉が失敗しても英国は繁栄する」と述べた。

(4日)
 東京市場は、円安の動き。ドル円やクロス円がしっかりとした値動きを示した。前日発表された米ISM製造業景気指数の好結果を受けてドル円は108.80近辺まで買われ、その後は108円台後半で東京朝を迎えた。東京市場では再び108.86レベルまで高値を伸ばした。上海株や日経平均が序盤の下げを消して、プラスに転じる動きに反応した。新型コロナウイルス感染拡大懸念は継続も、状況は想定の範囲内に収まっており、相場への影響がやや低下している。豪ドルは上昇。豪中銀は政策金利を据え置き。声明では新型コロナウイルスの影響についての判断は時期尚早としており、想定ほどのハト派色はみられなかった。豪ドル/ドルは0.67台へ、豪ドル円は73円台へと買われた。

 ロンドン市場では、ドル円が一時109円台に乗せた。株式市場などでリスク警戒感が後退する動きとなったことが背景。前日の米株上昇に続いて、きょうの米株先物・時間外取引も一段高となった。また、前日に大幅安となった上海株もきょうは反発して引けた。人民銀の積極的な流動性供給などが安心感を広げたもよう。ドル円は、ロンドン序盤には109円台を回復。一時109.13レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円は120.68レベル、豪ドル円は73.42レベルまで一段高となった。ポンドは売りが先行。前日の英国とEUの通商交渉への姿勢がかなり隔たっていることで協議の難航が警戒されている。ポンドドルは1.29台前半、ポンド円は一時141円台割れまで軟化した。しかし、その後は買い戻しが広がり、ポンドドルは1.30台を回復、ポンド円は一時142円台乗せまで上昇。全般にリスク警戒感後退となっているが、シンガポールでの新たな感染者が報じられるなど、感染拡大の動きは続いている。ドル円やクロス円の上昇も一服した。
 
 NY市場では、ドル円が一段高。109円台半ばまで上げ幅を拡大した。リスク回避ムードは後退しており、米株式市場でダウ平均が一時500ドル超上昇。きょうの中国株の反転が雰囲気を好転させた。中国当局の金融市場でのサポートが続いており、中国人民銀行はきょうも大量の資金供給を実施し、リバースレポで差し引き4000億元を供給した。人民元も反転しており、ドル・人民元はポイントとなっている7元を下回っている。中国当局の強いサポート姿勢に市場では、安心感が広がったようだ。ユーロドルは戻り売りが優勢で、1.10台前半へと下落。一方、ポンドドルは買い戻しが優勢で、1.30台を回復。英建設業PMIが予想を上回ったことをきっかけに、ショートカバーが入った。
 
(5日)
 東京市場は、小動き。ドル円は109.37から109.52レベルでの落ち着いた動きだった。朝方は前日からの高値圏で取引されたが、その後は利益確定売りなどに押された。アジア株が堅調に推移し、日経平均も200円を超える上昇となったが、前日の米株式市場の上昇で、株高はある程度想定済みだったようだ。中国人民銀行がオペを見送り、実質的な資金吸収となったことが上値を抑えた。ユーロ円は朝方の120.96レベルを高値に120.70台まで小安い動き。昼にかけてはトランプ米大統領の一般教書演説が行われたが、これまでの実績を強調するにとどまり、市場は反応薄。結果発表が遅れているアイオワ州民主党党大会の結果関連の報道も材料視されず。

 ロンドン市場では、再びリスク選好の動きが強まった。序盤は調整の動きがみられたが、その後一気にムードが好転した。中国や英国などで新型コロナウイルスに対応する薬が開発されている、との一部報道を好感。欧州株や米株先物が一気に上昇に転じ、米10年債利回りは1.63%台に上昇した。ドル円は109.30台へと小反落していたが、報道を受けて一気に109.72レベルまで上昇。その後も高止まり。ユーロ円は一時121円台、ポンド円は143円台、豪ドル円は74円台に乗せた。ポンドにとっては1月の英非製造業PMI確報値が大幅に上方改定されたことも買いを誘った。ポンドドルは1.30台前半から後半へと上昇。一方、ユーロは冴えない動き。ユーロドルは1.1040台と小高かったが、ポンド買い・ユーロ売りのフローが持ちこまれると下げに転じた。ユーロ圏非製造業PMI確報値は小幅に上方改定されたが、買いには反応せず。その後の12月ユーロ圏小売売上高の冴えない結果には一段安となった。ユーロドルは1.1010台へと軟化。ユーロ円も121円台は維持できず。ドル指数は3日連続で上昇している。

 NY市場では、引き続きリスク選好の雰囲気。ドル円は109.85近辺まで一時上昇した。コロナウイルスのワクチン開発のニュースがリスク選好の雰囲気を醸し出している。中国の浙江大学のチームが生体外細胞実験でウイルスを阻害する可能性のあるいくつかの薬を発見したといったニュースや、英スカイが、英国のワクチン開発チームが通常2年から3年かかる開発過程の一部を14日間に短縮する技術で重大な突破口を見出したと伝えた。世界保険機構(WHO)はワクチンについては承知していないと否定しており、どれも決め手に欠けるような材料ではあるが、市場のムードを高めるには十分なようだ。この日のADP雇用統計やISM非製造業景気指数が米経済の底堅さを示したこともサポート。ユーロドルは1.10台割れを再び試す動き。ポンドドルは一時1.2960近辺まで下落。EUがロンドンの金融機関に対して、EU離脱後の金融商品市場指令(MiFID)の改訂を目論んでいるとの報道に敏感に反応した。総じてドル買いが優勢だった。

(6日)
 東京市場で、ドル円は110円に迫る動き。昨日の海外市場で報じられた新型コロナウイルスに対する治療薬などの報道や、14日から中国が対米関税の一部を緩和すると報道に、株高ドル高円安の動きとなった。ドル円は一時109.98レベルまで高値を伸ばした。日経平均が一時600円超高、2万4千円に迫る動きとなった。ダウ先物が時間外取引で200ドル高となるなど、株高の動きがドル円やクロス円を下支えしている。新型コロナウイルス関連で下げた分の解消が一気に進んだという印象。人民元は昨日に続き元高。昨日7.05台から6.97近辺に落としたドル/人民元は、朝方6.98台に乗せたものの、その後6.9601までドル安元高が進んでいる。

 ロンドン市場では、円売りに調整の動きが入った。ドル円は東京午後に109.98レベルまで買われたあとは上値が重くなり、ロンドン序盤に109.80近辺へと小反落した。クロス円でもやや円高方向への動きに。ユーロ円は朝方に121円台をつけたあとは、120.80付近へと押し戻された。ポンド円は142円台後半での揉み合いから142.30付近へと軟化。欧州株や米株先物は買いが先行しリスク選好ムードを維持しているが、次第に上げ幅を縮小している。米10年債利回りは朝方に1.68%台へと上昇したが、その後は1.63%台へと低下。連日の米株上昇、あすの米雇用統計発表を控えて、ドル円にとってはキリの良い110円を前に調整の動きが入った格好。ユーロドルは1.10ちょうどを挟んだ揉み合い。一時1.1015近辺へと買われる場面があった。ラガルドECB総裁が、ECBは行動の余地を大幅に減らした、と発言したことに反応していた。一方で、デギンドスECB副総裁とともに、金融政策の副作用について注意深く監視するとしており、ユーロ買いは一時的なものにとどまった。ポンドドルはクロス円の下げや前日のNY市場での下落の余波もあって1.29台後半で上値重く推移している。

 NY市場では、連日のドル買いの動き。ドル円は上値追いの動きが再燃して、110円をつけている。中国のコロナウイルス感染の世界経済への影響は懸念されるものの、市場には楽観的なムードが広がっている。足元の決算や米経済指標が好調な点に市場は関心を集めているようだ。中国が約750億ドル相当の米国からの輸入品に対する関税率を14日から半分に引き下げると発表したことも好材料。ただ、110円付近にはオプション絡みなどで売り圧力もみられた。ユーロドルは売りが強まり、ストップを巻き込んで一時1.0965近辺まで下落した。この日発表のドイツ製造業受注が弱い内容で、同国経済への不透明感は依然として根強い。さらに、ドイツのテューリンゲン州首相の選出を巡って、ドイツの連立政権内で意見不一致が発生しており、政治的リスクの高まりもユーロを圧迫していた。ポンドドルも売りが続き、1.29台前半まで下落。EUとの貿易協定の交渉への警戒感は根強く、合意なき離脱のリスクも警戒されている。

(7日)
 東京市場は、小動き。ドル円には若干の調整売りが入り109.80付近へと一時軟化。しかし、調整も続かず109.90台へと戻している。ユーロ円も120.80台から120.59近辺まで下落も、120.70近辺での推移へと値動きは落ち着いた。艦内で感染者が出ているクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」内でこれまでの感染者20名に加え新たな感染者が41名出たとの報道が調整売りを誘ったが、今晩の米雇用統計の発表を控えていることもあって、反応は一時的なものにとどまった。

 ロンドン市場は、円高の動きが優勢。米雇用統計発表を控えた調整の動きや、新型コロナウイルス関連の報道を受けて米株先物や欧州株が軟調に推移。米債利回りも低下している。香港は政府職員の在宅勤務期間の延長を発表、台湾は来週からほとんどの中国本土便の停止を発表、シンガポールが警戒レベルをSARS並みに引き上げ、など。今後の経済活動への不透明感を広げる内容が相次いだ。ロシア中銀は政策金利を予想通り引き下げ、声明ではコロナウイルスで不透明感が加わったとしていた。ドル円は110円が重くなり、109.67レベルまで下押し。ユーロ円は120円台前半へ、ユーロドルは1.09台半ばへと下落。この日発表されたドイツやフランスの鉱工業生産が予想以上に弱かったこともユーロ売り材料となった。発表が予定された1月中国貿易収支の発表が突然延期となり、2月分とともに発表されることになった。ウイルス問題の影響との市場の憶測を生んでいるようだ。

 NY市場でドル円は上げを一服させた。米株式市場でダウ平均が5日ぶりに反落しており、ドル円も追随する動きとなっている。ストップを巻き込んで一時109.55円近辺まで下落する場面も見られた。この日は米雇用統計が発表になっていたが、予想を上回る強い内容となった。ただ、市場は反応を見せず、ドル円も発表直後こそ110円台に上昇したものの、すぐに戻り売りに押される動き。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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