欧州通貨高ドル安、ドル円はもみ合い
欧州通貨高ドル安、ドル円はもみ合い
米中通商合意期待などが欧州通貨を押し上げ、
ユーロドルは1.11台にしっかり乗せて上値に弾み
【東京市場】年末年始を前に調整
前日の上昇分を打ち消す形で若干調整が入った。昨日の米株高を受けてプラス圏で始まった日経平均がマイナスに転じるなど、年末年始を前に総じて調整ムードが広がった。
ドル円は朝方の109円60銭台から109円43銭まで下落。
ユーロドルは1.1122まで上昇。ドル安の流れに乗り、節目の1.11台にしっかりと乗せてきた。1.11ちょうど近辺がこれまで重くなっていたが、昨日のNY市場で一時上抜けしたことで、上値トライの勢いがややついた格好に。
ユーロ円はユーロ買い円売り両面で上昇し、121円50銭台から121円89銭まで買いが進んだ。
【ロンドン市場】ややドル安円安
ドル円はもみ合いも、欧州通貨などが対ドルでしっかり。
昨日の上昇に続いて米株が時間外の先物で上昇しており
リスク選好の動きを誘った。ユーロドルは1.1120近辺から1.11台半ばに上値を伸ばしている。
クロス円もしっかりの展開に。
【NY市場】欧州通貨高続く
ユーロドルはロンドン市場の高値を超えて1.11台後半に。
ポンドドルも買われて一時1.3110台までと、欧州通貨高に。
ドル円はもみ合いも、クロス円はその分しっかり。
米中通商合意期待などがリスク選好のドル売り円売りを誘っているとみられる。
ドル円に関しては年末年始を前に無理な動きを避けてきた格好に。
【本日の見通し】ドル円は様子見
ドル円は様子見ムードが広がりそう。
109円台でのレンジ取引が見込まれる。
年末年始で参加者も少なく、本格的な動きのスタートは来週からか。
欧州通貨は直近の上昇がどこまで続くか。
ある程度の振幅が見込まれるところで、調整を交えながらの上を期待。
ただ、ポンドはここからの買いにやや慎重姿勢も。
来年末までのEU離脱移行期間が短すぎるとの懸念があり、
ユーロほどの期待感はない。
クロス円はドル円が動きにくい分しっかりの展開を続けそう。
【本日の戦略】年末年始で無理をせず
年明け3が日は日本が休場も海外が開いており(元日除く)
動きが出ることがあるが、円に関しては参加者が少ない分
動きも荒くなりがちで無理は禁物。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/27 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.63 1.1098 121.65
高値 109.63 1.1188 122.50
安値 109.39 1.1096 121.57
終値 109.44 1.1177 122.21
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《12/27 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23837.72 -87.20
DOW 28645.26 +23.87
S&P 3240.02 +0.11
Nasdaq 9006.62 -15.78
FTSE 7644.90 +12.66
DAX 13337.11 +36.13
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《12/27 金曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=61.72(+0.04 +0.06%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1518.10(+3.70 +0.24%)
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《12/27 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
雇用統計(11月)08:30
結果 2.2%
予想 2.4% 前回 2.4%(完全失業率)
結果 1.57倍
予想 1.57倍 前回 1.57倍(有効求人倍率)
鉱工業生産(速報値)(11月)08:50
結果 -0.9%
予想 -1.0% 前回 -4.5%(前月比)
結果 -8.1%
予想 -8.1% 前回 -7.7%(前年比)
小売業販売額(11月)08:50
結果 -2.1%
予想 -1.7% 前回 -7.0%(-7.1%から修正)(前年比)
百貨店・スーパー販売額(11月)08:50
結果 -1.8%
予想 -1.9% 前回 -8.2%(前年比)
【米国】
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)28日1:00
原油 -547.4万(4億4136万)
ガソリン +196.3万(2億3926万)
留出油 -15.2万(1億2494万)
(クッシング地区)
原油 -239.3万(3777万)
*()は在庫総量
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《12/27 金曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ECB月報
世界の実質GDP成長(ユーロ圏除く)は2019年上半期に弱含んだ。
しかし、年末にかけては安定化の兆候が見られ始めている。
今年9月のECB理事会以降、ユーロ圏の長期的なリスク・フリー金利は上昇、翌日物金利曲線は上方にシフトした。
市場では中銀預金金利の追加利下げを見込んでいない。
ユーロ圏実質GDPの伸びは第3四半期の前期比+0.2%と確認した。
2019年成長は1.2%、2020年は1.1%、2021年と22年は1.4%に。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
ブレグジットは英国と欧州の双方を害する。
2020年中に中銀預金金利がプラスに戻るとは思わず。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
鉱工業生産(11月)8:00
予想 0.0% 前回 -1.7%(前月比)
【スイス】
KOF先行指数(12月)17:00
予想 94.5 前回 93.0
【香港】
貿易収支(11月)17:30
予想 -333億香港ドル 前回 -306億香港ドル
【米国】
卸売在庫・速報値(11月)22:30
予想 0.2% 前回 0.1%(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(12月)23:45
予想 48.0 前回 46.3
中古住宅販売成約指数(11月)31日0:00
予想 1.5% 前回 -1.7%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員