ドル円はやや買い戻しもレンジ取引に変化なし=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入ってやや買いの動きが見られるもののレンジ取引に変化はない。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が「米中交渉担当者が12月予定の関税発動見送りを計画」と伝えたことや、ブルームバーグが「中国側は、関税引き下げ協議の中で、15日予定の関税の発動の見送りを想定している」といった報道も同時刻に伝わった。
市場が最悪でも追加関税の発動は見送りを期待する中で、それなりに期待感を高める報道。しかし、内容の割にはドル円の反応は鈍い印象もある。ドル円は買いの動きは見られるものの、108.85円付近に来ている200日線を積極的に試そうという雰囲気にはいまのところなってはいないようだ。きょうからFOMCが始まり明日結果が発表される。12日には英総選挙、ECB理事会、そして、日曜日にはなるが、15日の追加関税発動期限と重要イベントが目白押しの中で、動向を確認するまで見守るといった姿勢が強いのかもしれない。
ユーロドルは買いの動きが見られ、1.11ドルをうかがう動きが出ている。特にユーロを買いを促す材料はない。先週末の強い米雇用統計を受けてドル買いが強まり、ユーロドルは1.11ドル台から1.1040ドル付近まで下落していたが、今週に入って買い戻しの動きが続いている。1.10ドル台半ばに来ている21日線や100日線もしっかりと維持され底堅さを示している。
ポンドは上値では戻り売りも出ているものの、基本的には上値追いの動きを続けている。12日の総選挙を前に秩序あるEU離脱への期待感が高いようだ。きょうは現地時間22時(日本時間11日7時)にユーガブが議席予想の世論調査を発表する。MRPと呼ばれる統計手法を用いた調査で、2017年の選挙では一般的な調査より議席数を正確に当てていた。
27日にも結果が発表されていたが、ジョンソン首相率いる与党保守党が359議席を獲得すると予想し過半数を超える。きょうは選挙前の最終調査が発表されるが、今回も市場の注目度は高いようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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