とれんど捕物帳 「とりあえずの答えが出る週」 手出し無用か!

為替 

 今週も米中貿易協議に神経を尖らせる中、トランプ大統領の発言に振らされる展開となった。大統領は「中国との貿易合意に期限はなく、来年の米大統領選挙後でも良い」と述べたことで、市場の雰囲気は一気にリスク回避に傾いていた。15日に対中追加関税の期限が迫る中で市場では、例え年内合意はなくても協議は継続され、追加関税は見送られるとの楽観的な期待が高まっていた。トランプ政権は、15日までに合意できなければ、追加関税を発動する方針を明確にしていることから、大統領の発言は関税発動への懸念を一気に強めた格好となった。

 また、来年への合意持ち越しについては、ある程度市場も許容していた面があったように思われるが、さすがに大統領選挙後というのは、あまりに遅過ぎると感じたのかもしれない。週初は110円台を試に行くかとの期待も出ていたドル円だったが、108円台半ばまで下落し、200日線を割り込んでいる。

 しかし、次の日には急きょ買い戻される展開となった。大統領の発言をきっかけにドル円は一旦調整色が強まるかにも思われたが、今度は「米中は第1段階の合意に盛り込む関税の巻き戻し幅で一致に近づいている」との関係者の発言が報道で伝わり、市場には一気に安心感が広がった。「トランプ大統領の米中合意を急がない姿勢は交渉の行き詰まりを意味すると受け取られるべきではない。大統領の発言はその場の思い付きだ!」と関係者は述べていたほか、「残る問題は、米農産品の購入保証や具体的にどの関税を巻き戻すのかなどについてだ」という。

 恐らく大統領の発言は、トランプ風ではあるが、戦略のもとに行っているものと思われ、あまり真面に捉えないほうが良いのかもしれない。

 その後、週末にかけてドル円は買い戻されていたが、戻りはいま一つといった印象。週末の米雇用統計はかなり強い内容となり、米株も米国債利回りも上昇したものの、ドル円は上値を抑えられている。もともと110円にかけての上値にはポジション調整の売りオーダーが数多く並んでいたのかもしれない。来週のイベントリスクを考慮すれば、致し方ないところではある。

 日本の輸出企業の下期の想定為替レートは105円から107円といった企業が多く、実需売りも活発に出ていたようだ。3月の年度末に向け、ドル円の3ヵ月物フォワードレートの受け渡し日は3月に入っている。それを見ると、ヘッジコストであるスプレッドが63銭程度で推移しているようで、直物が109円付近であれば、108円台でヘッジできる。来週のイベントリスクを考慮すれば、現水準でヘッジに動いても許容範囲内といったところなのかもしれない。

 さて来週だが、いよいよ、「とりあえずの答えが出る週」と言っても過言ではないであろう。12日には英総選挙、そして、15日には1600億ドル規模の中国製品への追加関税の期限を迎える。それに向けた報道などに、市場も一喜一憂しそうだ。

 米中協議に関しては、正直どうなるか不明。ただ、例え部分合意は見送られたとしても、とりあえず協議継続ということで、追加関税は来年まで一時延期というシナリオを期待したいところではある。もし、今回も破談となり追加関税が発動されるようなら、期待していた分、ショックはかなり大きいであろう。それだけは避けてほしいところだ。

 そして、12日の英総選挙だが、世論調査ではジョンソン首相率いる保守党がリードを保っており、勝利自体は確実視されているようだ。問題は過半数の議席を獲得できるかだ。今週のポンド相場は買いの勢いが強まっていたが、市場はかなり楽観的に見ているようで、問題は過半数からどれだけ積み増せるかといった声まで出ている。ただし、英国の選挙だということは忘れてはならない。過去に辛酸を舐めさせられたことは記憶に新しい。

 個人的には、米中英とも全体的にポジティブなシナリオを期待したいところではあるが、来週は「手出し無用」が一番なのかもしれない。

 なお、来週はFOMCも予定されており、据え置きはほぼ確実視されている。今回はFRBの経済見通しも公表されるが、強い米雇用統計も発表されており、当面は利下げを見送る姿勢を強調してくる可能性は高そうだ。

 来週のドル円の予想レンジだが、107.00~110.00円とやや広めに想定したい。スタンスは「やや強気」を継続。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立継続
短期 ↑(↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑(↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑(↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑(→)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立継続
短期 →(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立継続
短期 ↑(→)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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