ドル売り優勢、米中閣僚級通商協議を控えて調整圧力=ロンドン為替概況
ドル売り優勢、米中閣僚級通商協議を控えて調整圧力=ロンドン為替概況
10日のロンドン市場は、ドル売りが優勢。ユーロドルが口火を切って上昇し、それにポンドや豪ドルなどの主要通貨が追随する格好となっている。そのなかで、ドル円の下げは限定的。ドル指数は1週間ぶりの水準に低下している。米中閣僚級通商協議を控えて、このところ続いた緩やかなドル高の動きに調整が入った。ユーロドルは1.09台後半から1.1030台へと上昇。これに続いてポンドドルは1.22台前半から1.2260台まで一時上昇。豪ドル/ドルは0.67台半ばから0.6770近辺へと上昇。いずれも本日の高値を伸ばしている。ドル円は107.50近辺から107.40近辺へと小幅の下げにとどまっている。欧州株は方向性がはっきりしない動き。米株先物は東京朝方の下げから前日終値水準へと戻しているが、さらに上値を試す勢いはみられていない。米10年債利回りは1.59%近辺へと小幅に上昇。各市場まちまちの値動き。
ドル円は107円台半ばでの取引。東京朝方に107円台で激しく振幅したが、東京午後には107円台半ばに落ち着いた。米中閣僚級通商協議を控えて様子見ムードとなっている。ロンドン市場ではユーロドルの上昇など、ドル売り圧力が優勢だが、ドル円は10銭程度の小幅の下げにとどまっている。
ユーロドルは1.10台前半での取引。ロンドン序盤に1.0980台から1.10の大台を回復すると、その後も買われ続けている。足元では高値を1.1034レベルまで伸ばした。9月20日以来のユーロ高・ドル安水準となっている。ユーロ円は堅調。118.10付近での揉み合いを上放れると東京午前の高値を上回り、118.53レベルまで買われた。欧州株動向は不安定で特段のリスク選好ムードはみられていない。米中閣僚級通商協議の不確定材料を控えて、ポジション調整が入っているもよう。8月のドイツ貿易・経常収支はいずれも前回から黒字幅が縮小したが、特段の反応はなかった。
ポンドドルは1.22台半ばでの取引。ユーロドルの上昇に連れて買われており、1.2220近辺から1.2266レベルまで買われた。その後は1.2250近辺と上昇は一服。ポンド円は131.30-50レベルでの揉み合いから一時131.75レベルまで買われたが、その後は買いの勢いは落ち着いた。8月の英鉱工業生産は前月比-0.6%と事前予想および前回の+0.1%から落ち込んだ。前年比は-1.8%と事前予想-0.8%および前回の-1.1%(-0.8%から下方修正)を下回った。一時ポンド売りの反応がみられたが、すぐに買い戻しが入っていた。カーニー英中銀総裁は、基調的な成長ペースはやや緩んできている、英中銀はあらゆるブレグジットの緊急事態に備えている、と述べた。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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