ISM指数が予想下回り、米利下げ期待が急上昇=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って売りが加速し、一時106円台半ばまで下げを加速させた。この日発表になったISM非製造業景気指数が予想を下回ったことで、市場にリスク回避の雰囲気が広がっている。
指数は52.6と2016年8月以来の水準に低下。1日に発表になった米製造業のISM指数は2ヵ月連続で景気判断の分岐点である50を下回り、市場にはネガティブな雰囲気が広がったが、サービス業は、製造業ほどセンチメントは低下していないと見られていた。しかし、今回の弱い数字でサービス業にも不安感を強めている模様。また、雇用指数も低下しており、明日の米雇用統計への警戒感も出ている。米労働市場はサービス業が80%以上。
為替市場ではドル売りが強まり、ドル円は107円ちょうど付近から106円台半ばに急速に下落。ただ、急落した米株が急速に買い戻されていることからドル円も107円手前まで買い戻されている。
106.45円付近に8月から直近にかけての上昇波のフィボナッチ半値戻しの水準が控えている。なお、38.2%戻しは106.95円付近。
ユーロドルは買い戻しが加速。ISM非製造業景気指数を受けて、今月のFOMCでの追加利下げ期待が更に急上昇しいる。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、10月末のFOMCでの利下げ確率は92.5%まで急上昇。ほぼ確実視している状況。前日は77%だった。
ユーロドルは1.10ドル手前まで一時上昇したが、いまのところは1.10ドル台には慎重。心理的節目でもあり、オプション絡みなどの売りオーダーも相当程度並んでいる模様。21日線もその付近に来ている。ただ、今週のISM指数で急速に高まった米利下げ期待が下値を支えており、戻り売りを強める気配も一方でない。
ポンドは買い戻しが続き、ポンドドルは一時1.24ドル台まで回復する場面が見られた。ISM指数を受けたドル売りの動きのほか、ポンドは対ユーロや円に対しても買い戻しが強まっている。
ジョンソン英首相がきのう、バックストップの代替案をEUに提出した。EUからは慎重な意見も聞かれているものの、英保守党および英議会からは不満の声は小さい。少なくとも合意なき離脱への警戒感は完全に緩んでおり、ポンドの買い戻しをサポートしている模様。ポンドドルは一時、21日線水準まで戻しているが、この水準を突破し、本日1.2435ドル付近に来ている100日線の水準を突破できるか注目される。
MINKABU PRESS 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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