13時以降の日経値幅、わずか30円の推移
東京もグローベックスも、静かな一日
FOMCや、米国市場のウィッチング前です。動きようが無くなった一日でした。
日経平均の一日の値幅は非常に小さく、方向性はまったく見えませんでした。
一応、ディフェンシブ(非景気敏感)株優位でしたが(任天堂<7974>高値更新をしていることによく表れています)、必ずしも積極的に大いに買われたという状況ではありません。
ディフェンシブ優位といいながら、東証REIT指数や、OLC<4661>などは冴えない展開でした。
一方、まだ下落が収まらないシクリカル(景気敏感)株は、トヨタ自動車<7203>やソニー<6758>は軟調だったものの、ディスコ<6146>や信越化学<4063>などの半導体製造装置、あるいはファナック<6954>などの機械といった大型のベンチマークの一角は高いなど、つかみどころのない相場展開でした。
同じセグメントでもずいぶんと明暗が分かれており、はっきりした流れの動意というものをつかみとるのは、かなり難しい一日だったと言えそうです。
グローベックス市場も昨晩の終値近辺からほとんど動かず。(大引け時点では、53ドル安の気配)
昨日大きく下げた上海コンポジット指数は、反発とはいえ、0.5%前後の微弱な上昇でしかありません。一言で言えば、昨日まで売られていたものが買われ、買われていたものが売られたという程度のことしかなさそうです。
要するに、市場は「動くな」と言っていたのでしょう。
騰落レシオから見た、日経平均の天井日柄
(騰落レシオは、ボトムは適格。ピークは相当のズレがある)
本日の日経新聞朝刊マーケット総合2面には、騰落レシオが120超えとなっているので、警戒シグナルだといった趣旨が解説されていました。
これは、いつものことですが、間違いです。
騰落レシオは、そもそも相場のボトムではピンポイントで見事に一致するタイミングを示しますが、天井はまったくアテになりません。
天井圏では騰落レシオのピークから、日経平均のピークまで、おおむね1ヶ月の日柄差があります。ときによっては、4ヶ月、半年といった日柄差のときもあります。
(今回の相場が似ている2016-8年相場との比較)
当レポートでは、トランプ政権が巨額の減税という公約を実現していった2016年(11月大統領選)から18年初までの相場期間と、今回は「似ている」としてきました。
当時は、騰落レシオピークから、日経平均天井まではまるまる3ヶ月の日柄差があったわけです。
平均的には1ヶ月というところですが、大きな波動をつくるときには、こうした長い日柄差になってくるのでしょう。
(同じことは起こらないとはいえ、現在に当てはめると)
歴史は同じことは決して起りませんが、逆に言えば、似たようなことは何度でも繰り返します。
前回の日柄差を今回に当てはめるとどうなるでしょうか。
仮に、本日騰落レシオ124.46という120の分岐を突破している今が騰落レシオのピークだとしましょう。ここから平均的に1ヶ月とすれば、10月中旬が日経平均の天井。大きな相場だとすれば(そうだと思いますが)、12月中旬が日経平均の天井ということになるわけです。
もちろん、相場が(日経平均が)ここから10月中旬までか、12月中旬までか、いずれにしろ天井まで一本調子で上昇トレンドが続くということではありません。
その間には、上げ下げはあるのでしょうが、中期的トレンドラインとしてはそうだ、ということになります。具体的には50日線あるいは75日線の上昇トレンドということです。
2番バッター、いまだに判然とせず
日経新聞朝刊の「銘柄診断」には、三井物産<8031>が取り上げられていました。先日は伊藤忠<8001>でした。
同じ卸売セクター(商社)なのですが、この二つは相場循環の観点からは、完全に区分してみたほうがよいのです。
商社というセクターは、あくまでも景気敏感(シクリカル)系でとらえられることが多いのですが、景気循環に大きく収益がブレるのを嫌い、伊藤忠は大きく業態変更をしました。結果、ユニーファミマ<8028>や、エドウィンといった純然たる内需産業を傘下に置き、景気に左右される資源部門は、全体収益のわずか1割になってしまっています。
一方、三井物産のほうは、未だに7割が資源部門の収益が大きいので、純然たるシクリカルと言っていいでしょう。
どちらもチャートは高値更新モードできているのですが、意味が全く違います。
これでは、2番バッターが商社だと言っていいのか、よくわかりません。
同じことは、海運セクターの中でもかなり明暗が分かれており、機械セクターにおいてもそうです。
どうも、まだ2番バッターが塁に出たのか、はっきりしないのです。
FOMC後に、その結論が出されるでしょうか。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>のフルポジション。このままホールドです。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。