ドル円は振幅続く 米GDPや日銀決定会合を見極めたい雰囲気も=NY為替前半
きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となる中で、ドル円は111.90円近辺での振幅を続けている。東京時間には112円を試す動きも見られたものの、回復することなく111円台後半での値動きに終始。イースター休暇で市場参加者が少ない中で動意薄の展開が続いているといったところ。
今週は米GDP速報値の発表や、日銀決定会合などが予定されており、その内容を見極めたい雰囲気も強いようだ。特に米GDPは注目だが、前期比年率換算で2.2%が見込まれている。4月に入ってからの米指標が好調で、特に直近発表の貿易収支や卸売在庫、小売売上高のデータから、1%台だった予想が2%台に上方修正されている。インフレが落ち着きを示していることも寄与。第1四半期は弱いと見られていただけに、予想通りであればポジティブな数字になるのかもしれない。
ユーロドルは買い戻しが優勢となっており、1.1260ドル近辺まで上昇している。イースター休暇で欧州勢が休暇の中、ドル売りがユーロドルを押し上げている格好。1.1250ドル付近に21日線が来ているが、その水準を上回って来ている。特にきょうは原油相場が上昇しており、ドル売りが誘発されていることがフォローとなっている模様。原油については、ホワイトハウスが5月に失効するイラン制裁適用除外を更新しないと発表し、需給ひっ迫懸念が再び高まっているようだ。
しかし、先週発表のドイツのPMIが弱い内容となるなど、ユーロ圏経済は依然として不透明感が強い。ECBもハト派色を強める中、上値では戻り待ちの売りも多く観測されている。
一方、ポンドは下値模索が続いており、ポンドドルは一時1.2975ドル近辺まで下落する場面も見られた。200日線が1.2965ドル、3月安値が1.2950ドル付近に来ており、下値メドとして意識される。
イースター休暇でロンドン勢も休日でポンドの参加者も少ない中、英議会の休会明けを警戒した動きが続いている模様。21日付のサンデー・タイムズは、与党保守党幹部のブレイディ議員が今週、メイ首相に対し6月末までに辞任しなければ、保守党議員が再び退陣を迫ると伝える見通しだと報じていた。昨年12月の信任投票を実施したことから、党首信任投票の1年以内の再実施はできないが、ブレイディ議員は首相が退陣しない場合にはこの規定を変更するとメイ氏に伝えるという。その場合、総選挙の可能性も含めて情勢は混沌し、ポンドにとってはマイナスとの見方も多い。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。