ドル円、円高が突如強まり一気に158円台前半に一時下落 介入の可能性には懐疑的見方も=NY為替概況
ドル円、円高が突如強まり一気に158円台前半に一時下落 介入の可能性には懐疑的見方も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、円高が突如強まり、ドル円は159円台半ばから一気に158円台前半に下落する場面が見られた。市場では円買い介入への警戒感が高まっているが、これまでの介入時と比べて値動きが小さいことから、実際に介入が行われた可能性には懐疑的な見方も出ている。
アナリストは「介入による動きだったとは考えにくい。過去と比べても変動幅は小さいと」分析。市場では実弾介入ではなく、当局が金融機関に為替レートを照会するいわゆる「レートチェック」が行われた可能性も取り沙汰されている。レートチェックは市場介入の前段階と受け止められることが多いが、最近ではNY連銀が金融機関に円相場について照会したことで介入警戒が強まった経緯がある。
日本は直近1カ月で過去最大となる964億ドルを投じて円買い介入を実施している。日米協調介入では、ドル円が約40年ぶりの円安水準となる164円近辺から約5%急落した。今回の円高はそれに比べれば限定的で、米財務省やニューヨーク連銀からも介入やレートチェックを実施したとの確認は現時点で得られていない。
ただ、ドル円が再び160円台に乗せた直後に158円台まで急落したことで、投資家が上値にさらに慎重になった可能性はありそうだ。
ユーロドルは1.1565ドル付近に下落し、100日線に顔合わせしていたものの、その水準はサポートされた。ただ、8月下旬に1.17ドル台に乗せて以降は戻り売りが続いており、次第に下値警戒感も高まっている。一方、ユーロ円はNY時間に入って円高が強まっていることから183円台に一時下落。本日の下げで200日線を下回って来ており、明日以降の展開が注目される。
前日発表の8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比3.3%と予想通りではあったものの前回からは上昇し、ECBの9月利上げ観測を裏付けていた。ただ、ユーロ相場の上値は重く、米欧の金利差と為替の乖離も顕著となっている。
背景には原油高がある。エネルギーを輸入に頼る欧州にとって、原油高はインフレ懸念と金利上昇を招く一方、交易条件の悪化を通じてユーロの下押し要因となる。結果として「原油高・ユーロ安」の相関が強まり、米欧の金利差が縮小してもユーロが買われにくい構造が形成されているようだ。
ポンドドルは戻り売りが続き、1.34ドル台に下落。先週からの下値模索が続いており、21日線を下放れる展開を強めている。目先は1.34ドル台半ばが下値メドとして意識されそうだ。6月から8月にかけての上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準が来ているほか、100日線、200日線も来ている。一方、ポンド円は円高が強まっていることから売りが強まり一時213円台に急落。本日の下げで100日線を一気に下回っており、目先は213円ちょうど付近に来ている200日線が視野に入る。
英国では生産性の伸びが上向いている。アナリストによると、生産性の伸びは幅広い分野で改善しており、過去2年間の平均は約1%と、その前2年間の約0.5%減から明確に持ち直しているという。依然としてコロナ禍前のトレンドは下回っているものの、生産性の方向感には明確な変化が見られると述べている。一方、現時点ではAIが生産性向上をけん引している兆候は乏しいとも指摘している。
足元の改善は、労働市場がひっ迫していたコロナ禍に人員を大幅に増やした企業が、既存の労働力をより効率的に活用するようになったことが主因と説明している。ただ、今後はAIの活用が生産性をさらに押し上げる可能性があり、「最大の生産性向上はまだこれからかもしれない」と述べた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。