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為替相場まとめ2月23日から2月27日の週

為替 

 23日からの週は、円とドルそれぞれに固有の材料が交錯しながらも、結果として明確な方向感を欠く展開が続いた。円サイドでは、24日に毎日新聞が高市首相の追加利上げへの難色を報じたことを機に円売りが急加速し、ドル円は155円台から156円台へと一気に水準を切り上げた。翌25日には政府が日銀審議委員の後任にリフレ派とされる浅田中央大名誉教授と、緩和維持寄りとされる佐藤青山学院大教授を指名したことで日銀の早期利上げ観測が一段と後退し、ドル円は一時156.80台まで上伸した。しかし26日には植田日銀総裁が読売新聞のインタビューで早ければ3月の利上げに含みを持たせ、高市首相も「金融政策は日銀に委ねるべき」と軌道修正したことで円の買い戻しが優勢となり、一方向の動きは続かなかった。ドルサイドでは、週明け23日に米最高裁によるトランプ相互関税の違法判断を受けた混乱でアジア市場にドル売りが先行したが、ロンドン勢の参入とともに過度な反応は修正された。25日のトランプ大統領一般教書演説も関税面での新味に乏しく、ドル売りは一時的にとどまった。26日に発表された米新規失業保険申請件数が予想を下回る低水準となったことは市場の視点をインフレに転じさせFRBの年後半利下げ観測を支える材料となった。一方、月末リバランスによるドル支援期待も交錯した。オプション期限に関連した売買も方向性を失わせた。

(23日)
 東京市場は、天皇誕生日の振替休日のため市場は休場。アジア時間全体では、週末の米最高裁による「トランプ相互関税は違法」との判断と、それに対するトランプ大統領の即座の反論(別の法律に基づく10%、後にSNSで15%への引き上げを表明)が波紋を広げた。市場はトランプ政権の強硬な通商政策への警戒感から一時パニック気味のドル売りで反応し、ドル円は早朝の155円付近から154円ちょうど付近まで急落。ユーロドルも1.18台へと上昇するなど、東京不在の中で関税リスクを嫌気した不安定な動きが先行した。

 ロンドン市場では、アジア時間の過度なドル売りに対する修正の動きが優勢となった。トランプ関税方針への懸念は残るものの、欧州勢の参入後はドルの買い戻しが進み、ドル円は154円ちょうど近辺から154円台後半へと反発した。ユーロドルは1.18台前半から1.17台後半へ、ポンドドルは1.35台から1.34台後半へと押し戻された。ドイツのIfo景況感指数が予想を上回ったが、ユーロ買いの反応は限定的。クロス円もドル円の反発に歩調を合わせ、ユーロ円は182円台後半、ポンド円は209円台前半へ水準を切り上げた。

 NY市場で、ドルは落ち着きを取り戻す展開となった。トランプ関税の影響を見極めるムードが広がる中、ドル円は一時155円台を回復し、アジア時間の下げを概ね解消した。市場では米東海岸を襲った猛吹雪による経済活動への影響も注目されたが、ドルは既定のレンジ内での推移に留まった。米政府高官が「最高裁の敗訴が貿易相手国との合意を覆すことはない」と火消しに走ったものの、不透明感は根強い。ユーロドルは1.18ドル付近で停滞。一方、英国ではマンデルソン駐米大使の逮捕報道によりスターマー政権の政治危機が意識された。

(24日)
 東京市場で、ドル円は堅調な地合いで推移した。154.60円台で開始後、昨日の高値を超えるとストップロスを巻き込み155.14円まで上昇。その後も円売り主導で155.30円台まで上値を伸ばした。前日のウォラーFRB理事が2月の雇用統計次第で利下げ据え置きの可能性に言及したことがドル買いを支えた。ユーロドルは1.1768ドルまでユーロ安・ドル高が進む一方、ユーロ円は円安の勢いが勝り182.84円まで上昇。株高を背景としたリスク選好の動きがクロス円を支え、ポンド円も209.40円まで値を上げた。

 ロンドン市場では、急速な円売りが相場を支配した。毎日新聞が「高市首相が植田日銀総裁との会談で追加利上げに難色を示した」と報じたことで、日銀の早期利上げ観測が後退。ドル円は155円付近から156.28円付近まで急騰した。クロス円も軒並み円安に振れ、ユーロ円は一時184円台、ポンド円は210円台後半まで買われた。トランプ関税を巡る不透明感よりも日本の政権による利上げ制止への反応が勝った形。対照的にドル相場自体は方向感に欠け、ユーロドルは1.17台後半、ポンドドルは1.34台後半での揉み合いに終始した。

 NY市場では、ドル円は一時156円台へ続伸したものの、後半は伸び悩んだ。高市首相が利上げに懸念を示したとの報道による円安が主導したが、市場では「首相の緩和派スタンスは既知の通り」との冷ややかな見方も出た。日本の40年債利回りが低下し財政不安が後退したことは、円の過度な下落を抑制する要因として意識された。ユーロドルは1.17ドル台後半で膠着。ポンドはベイリー英中銀総裁が「年内追加利下げの余地あり」と発言したことで、3月や4月の早期利下げ期待が強まり、対ドル・対円ともに上値の重い展開が続いた。

(25日)
 東京市場では、日銀審議委員の人事発表を受けて円が急落した。午前中はトランプ大統領の一般教書演説で低インフレが強調され、ドル円は155.35円まで売られる場面もあった。しかし、日銀の新委員候補にリフレ派の浅田氏と佐藤氏が指名されたことが判明すると、ハト派的な布陣への警戒から円売りが加速。ドル円は156円台へ急騰し、ユーロ円も183.95円、ポンド円も210.84円まで上昇した。豪ドルはCPIが強含んだことで利上げ期待から堅調。ドル全体としてはトランプ発言を受けてやや重い動きとなった。

 ロンドン市場では、東京市場に続き、円が独歩安の展開となった。日銀の次期審議委員にリフレ派・緩和派の学者が指名されたことが改めて材料視され、欧州勢からも円売りが出た。前日の高市首相の利上げ難色報道と相まって早期利上げ観測が大きく後退し、ドル円は156.80円台まで上値を伸ばした。ユーロ円は184.70円付近、ポンド円は211.86円付近まで上昇。一方、ドルはトランプ大統領の演説に関税などの新味がなかったことから調整売りが先行したが、ロンドン中盤からは買い戻され、ユーロドルは1.17台後半へ反落した。

 NY市場では、ドル円は一時156円台後半まで上昇したが、後半は戻り売りに押され伸び悩んだ。日銀人事を受けた円安の流れは継続したが、市場では「円売りは一過性のニュースに基づくもので、構造的な転換ではない」との懐疑論も浮上。ユーロドルは1.18ドルちょうど付近で膠着し、ラガルドECB総裁の早期退任観測に関する調査が話題となった。ポンドドルは200日線付近で反発し1.35ドル台後半へ。英中銀の3月利下げ織り込みが70%に達するなど、主要中銀の政策スタンスの違いが各通貨の押し引きを形成する展開となった。

(26日)
 東京市場では、植田総裁のインタビュー報道を受け、朝方に円高が進行した。読売新聞で総裁が「3月・4月の会合で情報を点検」「必ずしも短観を待たない」と早期利上げの可能性を否定しなかったことが、前日までのリフレ派人事による円売りへの修正を誘った。ドル円は156円台から155.70円台へ下落。午後に高市首相が「手法は日銀に委ねられるべき」と火消し的な発言をした際も円買いで反応したが、日米金利差や株高による円売りも根強く、156円台を回復するなど、介入警戒感と押し目買いが交錯するもみ合いとなった。

 ロンドン市場では、ドルと円が買われる一方で、ユーロやポンドなど欧州通貨は売りが優勢となった。米国とイランの核協議の行方を見極めたいとの思惑から、主要通貨は全体として方向感に欠ける展開となった。ドル円は東京時間に156.43近辺まで買われた後、ロンドン朝方にかけて155.71付近まで下落したが、その後は下げ渋り、156円前後での揉み合いが続いた。ユーロドルは東京午前に1.1829近辺まで上昇したものの、その後失速し、1.1793近辺まで下押しされた。ユーロ圏景況感の悪化が上値を抑えた。ポンドは英補欠選挙での与党苦戦観測が重しとなり、ポンドドルは1.35台前半へと軟化し、ポンド円も211円を割り込む場面が見られた。

 NY市場では、依然として明確な方向感を欠く相場展開が続いた。ドル円は156円台半ばまで持ち直し、東京時間の下落分をほぼ取り戻したが、終盤にかけて伸び悩んだ。今週は日銀の利上げ期待を和らげる報道が相次ぎ、一時的に円安が進んだものの、その後に利上げ姿勢自体に変化はないとの見方が広がり、円は買い戻しに傾いた。発表された米新規失業保険申請件数は予想ほど増加せず、解雇が低水準にとどまっていることが示されたことで、市場の焦点は労働市場からインフレ動向へと移り、年後半の利下げ観測を支える材料となった。ユーロドルは1.17台後半から1.18台前半の狭いレンジでの推移が続き、1.17台半ばがサポート、1.1830近辺の移動平均線が上値抵抗として意識されている。

(27日)
 東京市場では、ドル円は155.54円付近へ調整安となった。日銀の追加利上げ観測が根強く残っているほか、今週の円安進行への反動が重石。また、米アンソロピックが「戦争省(旧国防総省)」によるAIの軍事利用要求を拒否したと報じられ、トランプ政権と民間企業の対立激化や大統領の支持率低迷がドル圧迫要因となった。米イラン間の第3回核開発協議は前向きな内容と伝わるが、軍事衝突回避の判断にはトランプ大統領の評価を待つ必要があり、市場は消化不良。欧州・オセアニア通貨は対ドルで堅調なためクロス円の下値は限定的だが、パキスタンによるカブール空爆など地政学リスクも重なり、不安定な展開が続いている。

 ロンドン市場は、方向感に欠ける展開。ドル円は東京市場で155.54円まで下落後、政府諮問会議での利上げ慎重論を受け156.23円まで反発したが、米PPI待ちで156円付近へ押し戻された。ユーロドルは仏指標の強含みで1.1822ドルまで上昇したものの、1.1800ドルの大規模NYカット・オプションの磁力や地政学リスク、月末フローに押され1.18ドル割れへ反落。ポンドは英補欠選での労働党敗北を受け1.3462ドルまで下押し後、ピル英中銀チーフエコノミストの講演を控えた調整で1.35ドル台を伺うなど不安定。中東やパキスタンの緊迫化、さらに「戦争省」と米民間企業の対立が重石となり、オプションの拘束が解ける24時までは往って来いの展開が続く公算が大きい。

 NY市場は 朝方米債利回りの低下などを受けてドル売りが優勢となり、155円84銭を付けたが、その後再びドル高となった。米生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びとなったこと、米国とイランの核協議が難航し、在イスラエル米大使館が緊急対応を行う職員を除いて国外退去を要請したことを受けたリスク回避などがドル買いを誘った。もっともロンドン朝の高値にわずかに届かず、156円22銭で上値を抑えられると、その後は156円00銭を挟んでの推移。ユーロドルは朝方のドル買いに1.1791ドルを付けたが、東京午前に安値1.1789ドルに届かず反発。米債利回りの低下を受けたドル売りなどが支えとなってロンドン朝の高値を超え、1.1827ドルまで上値を伸ばした。ユーロ円ははっきりしない動きとなったが、午後に入って対ドルでのユーロ買いなどを支えにロンドン市場の高値を超えて184円50銭台まで上昇した。ポンドは往って来い。英補欠選挙結果を受けた売りがNY市場まで続き、米PPIなどを受けたドル買いもあって、一時1.3440ドルまで売られた。その後引けにかけてポジション調整もあって1.3490ドル前後を付けた。ポンド円もロンドン市場の210円83銭から一時209円80銭まで1円超の下げとなったが、引けにかけて210円50銭前後まで反発した。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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