【これからの見通し】米雇用者数の年次改定に焦点、市場の織り込みはどこまで進むか
【これからの見通し】米雇用者数の年次改定に焦点、市場の織り込みはどこまで進むか
本日は米雇用者数の年次改定が市場の注目するところとなっている。昨年は81.8万人程度の下方改定だった。今年も大幅な下方改定が想定されている。市場予想中央値は70万人程度の下方改定を見込んでいる。市場予想は40万人程度から100万人程度の幅広く分散している。
足元の市場では、弱い数字を想定してドル売りや円買いの動きが優勢になっている。日本時間午後11時の発表までにある程度の織り込みが進みそうな相場展開となっている。まずは、ロンドン午前に一段の円高やドル高がどこまで進行するのかを観測することとなりそうだ。
結果が想定される数字から大きく乖離しなければ、事前の織り込みに巻き返しが入る可能性もあり、注意したい。値動き一巡後には、あすの米PPIや木曜日の米CPI、米新規失業保険申請件数、ECB理事会などをにらんだ相場に移行することとなる。
ユーロドルは1.17台後半に上昇しており、8月高値を上抜ける動きをみせている。一方、ドル円は146円台割れとなるのかどうかがポイント。底割れすると売りが強まる可能性にも留意しておきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、南アフリカ実質GDP(2025年 第2四半期)、メキシコ消費者物価指数(CPI)(8月)などが予定されている。発言イベント関連では、国際決済銀行(BIS)関連の会合で、ナーゲル独連銀総裁、シュレーゲル・スイス中銀総裁、ブリーデン英中銀副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁などが講演や会合に出席する。
ロンドン・欧州市場は上記の米雇用者数の年次改定待ちとなるなか、昨日のフランス議会で内閣が信任されなかったことを受けて、フランス長期債が改めて売られることが想定される。欧州株とともに市場反応の深さをチェックすることとなろう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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