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ドル円、21日線付近まで急速に戻す 米PPIを受けドル買い戻し=NY為替概況

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ドル円、21日線付近まで急速に戻す 米PPIを受けドル買い戻し=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル高が強まり、ドル円も147円台後半まで買い戻された。本日は東京時間に146円台前半まで一時下落していたが、その下げを解消。本日の21日線が147.85円付近に来ていたが、その水準に到達している。

 朝方発表の7月の米生産者物価指数(PPI)を受けてドルは買いが強まっている。米PPIは前月比で0.9%高、前年比で3.3%と予想を大きく上回った。さすがに前日まで高まっていた利下げ期待は後退し、短期金融市場では、完全に織り込んでいた9月利下げの期待を90%程度の確率まで低下させている。それでも利下げをほぼ確実視しているとも言えるが、少なくとも一部で出ている0.50%の大幅利下げは遠のいたようだ。

 米雇用統計から今週のインフレ指標を受けてFRBは、どう判断するのか悩ましい状況に追い込まれているが、その点については来週のワイオミング州ジャクソンホールで行われるFRBの年次総会待ちといたところかもしれない。

 ユーロドルは一時1.16ドル台前半まで下落。21日線は維持しており、なお強気の流れは継続しているものの、テクニカル的には調整が出る可能性も指摘されている。

 ただ、米大手銀のアナリストは、米国との成長見通しのかい離を背景にユーロドルの強気姿勢を維持している。1.22ドルを試すのは妥当だと指摘している。理由として、米国の景気減速、根強いインフレ、そしてFRBの独立性への懸念を挙げている。さらに、同アナリストが予想するエネルギー価格の下落が実現すれば、ユーロ圏の成長を一層下支えする可能性があるという。

 ポンドドルも戻り売りに押され、一時1.35ドル台前半に伸び悩んだ。本日は第2四半期の英GDP速報値が発表されていたが、前期比0.3%増と予想を上回った。英中銀の追加利下げ観測をさらに後退させ、ポンドも一時的に買いの反応を見せていた。

 しかし、エコノミストからは、「詳細を見ると基調は弱さが垣間見られる」との指摘も出ている。特に民間国内需要の低迷が目立つという。政府支出が成長の主な要因で、昨年10月の予算で発表された歳出拡大策の効果と見られる。一方、懸念されるのは家計消費が0.1%増と依然として弱い点で、企業の設備投資も1.1%減となり、第1四半期の大幅増の一部を取り崩した。

 ただ、今回の数字が英中銀の判断に大きな影響を与えるとは考えにくく、むしろ追加利下げの有無については、インフレや労働市場のデータ次第となるとも述べている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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