【これからの見通し】方向性がハッキリしない局面、どの材料に焦点が当てられるのか
【これからの見通し】方向性がハッキリしない局面、どの材料に焦点が当てられるのか
ドル円相場は、参院選を終えた週明けに円高で反応したが、147円台割れには至らなかった。きょうは147円台後半へと買戻しが入っている。先週末の148円台後半から147円付近までのレンジ観で推移しそうな気配になっている。
ユーロドルに代表されるドルストレートの動きはどうか。7月は緩やかなドル買い圧力を受けて、下押しされてきているが、ここ1週間程度は下げ一服になっている。1.15台半ばから1.17台前半でのレンジ相場となっている。
クロス円はどうか。ユーロ円は6月以降、きれいな上昇トレンドを描いてきている。ただ、足元では173円台に乗せると上値を抑えられており、171円台後半までの調整が入っている。ただ、流れを変えるほどの下げにはならず、高止まり商状となっている。
いずれも混とんとした局面となっているようだ。
今後のテーマとしては、米政策金利動向が第一のポイントであろう。基本線はインフレや雇用といったファンダメンタルズ指標をにらんだ利下げ時期の見方となる。ただ、今週は注目度の高い米経済指標は見当たらない。一方、トランプ大統領が手を変え品を変えてパウエル議長に利下げのみならず辞任への圧力をかけている。FRBの改修工事に対する調査の名目でパウエル議長を追い込む作戦もありそうだ。中銀独立性に対する明らかな挑戦だ。次期議長選出の動きが具体化するようだと、金利見通しと米国売りの両面からのドル売り圧力が広がることとなろう。
日本の政局も先が見えない。ひとまず石破首相が続投を表明しており、表面的には市場はひと安心しているようだ。しかし、減税要求などを主張する野党勢力が勝利したことは確かなことだ。自公政権の崩壊につながる事態も想定され、その場合には再び日本売り圧力が強まる可能性も想定されよう。
その他にも、いったん収まったイランの核開発が再び火種となる可能性があるようだ。日米通商交渉についても、上記の日本政局次第では全く違った道筋に変化する可能性もある。
足元のマーケットは極めて動きにくい困った局面となっているようだ。しばらくは米企業決算などをにらみながら、リスク選好・回避を気にする相場となるか。
この後の海外市場で発表される経済指標は、台湾失業率(6月)、ハンガリー中銀政策金利、米リッチモンド連銀製造業指数(7月)など。全体相場に影響を与えるものではないだろう。
発言イベント関連では、ロンドン午前にベイリー英中銀総裁の議会証言が予定されている。インフレ見通し次第では、早期利下げ観測が広がる可能性がありそうだ。また、パウエルFRB議長、ボウマンFRB副議長などが、FRB主催資本要件会議「バーゼル3最終化」でスピーチや講演を行う。しかし、ブラックアウト期間に入っていることから金融政策や経済見通しに関する発言は手控えられることが予想される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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