ドル高が強まる ドル円は145円台後半に上昇=NY為替序盤
きょうの為替市場はドル高が強まっており、ドル円は一本調子の上げを演じている。東京時間には144円台半ばまで下落し、21日線に顔合わせしたものの、しっかりとサポートされている状況。145円台後半まで上げ幅を広げている。
イランとイスラエルの間で停戦が合意し、中東情勢への懸念が和らいでいる。有事のドル高は後退しているものの、停戦により市場の関心が月末の資金フローや今後発表の米経済指標に移っているようだ。そのような中、ドルショートの巻き戻しを活発化させている模様。
ただ、オプション市場では、依然としてドルに対する弱気なセンチメントが継続し、ドル安をヘッジしたポジションの構築が続いている。前日のパウエルFRB議長の下院での議会証言は「利下げを急ぐ必要はない」との姿勢を強調。インフレが大きく和らげば利下げは選択肢にあるとオープンな姿勢も示していたが、関税の影響で6、7,8月の数字はインフレを示す可能性にも言及していた。本日は上院での証言が予定されているが、前日とほぼ変わらないものと思われる。
ストラテジストは、9月の利下げ期待を背景にドル安基調は続くと見ているとの見解を示している。一部で期待されている7月利下げの可能性はさすがに小さいものの、秋以降は利下げを再開するとの見方は根強い。その意味ではドル安志向も根強いようだが、現在米上院で審議されている大型減税・歳出法案に伴う財政赤字への懸念、なお決着が見えていない貿易協議、そして今後発表される米経済指標が弱い可能性もドル安要因として警戒される。
日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は145円に観測されている。
25日(水)
145.00(10.6億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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