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為替相場まとめ4月7日から4月11日の週

為替 

 7日からの週は、トランプ関税をめぐって市場が大混乱に陥っている。高率の関税が世界経済に悪影響を与えることが懸念されるほか、米国経済自身への悪影響を心配する動きも強まっている。いわゆる米国売りの状況もみられ、米株安、ドル安に加えて米国債売りによって利回りが急上昇する場面もあった。米国から資金が逃げ出す状況が懸念されて、トランプ大統領が急遽、一部関税を90日間停止した。ただ、米国と中国との貿易戦争はより一層深刻化しており、市場の好反応は一時的にとどまった。連日主要株価指数が大幅な変動を繰り返すボラタイルな相場展開となっている。為替相場では、ドル売りが強まっている。そのなかでもリスク回避で買われやすいスイスフランと円が強いパフォーマンスを示した。ユーロも堅調。EUは米国との交渉を模索する姿勢を示している。今後もトランプ関税関連の材料に振り回される展開が予想される。

(7日)
 東京市場は、リスク回避の円高の動き。ドル円は、朝方に世界的な貿易戦争激化懸念からリスク回避の動きで円が買われ、前日NY終値比2円以上の円高水準となる144.82付近まで急落した。ベッセント米財務長官が週末に関税に前向きな姿勢を示したことも重石となった。下げ一服後はいったん146.80台まで戻したものの、午後は再びドル安・円高傾向となり、145円台半ばまで下落した。ユーロ円は、午前の円高で前日NY終値比2.6円超の円高水準となる158.30付近まで下落。しかし、その後は下げ渋り、160円台を回復した。ユーロドルは朝方に一時1.0882付近まで下落したが、午後のドル安局面で一転して1.1021付近まで上昇した。

 ロンドン市場では、パニック商状が次第に落ち着いてきている。週末に中国がトランプ相互関税に対する報復関税を発表。カナダなども対応姿勢を示した。週明けのマーケットは株価急落、原油安などで始まった。日経平均は一時2900円安、香港ハンセン指数は13%超安となった。欧州株も米株先物・時間外取引とともに急落。しかし、次第に下げ幅を縮小してきている。このあと、日本時間午後9時には石破首相がトランプ大統領と電話会談を行う予定。また、EU外相理事会が開催され、米国や中国との貿易関係について協議される。どのような内容がでてくるのか、市場は固唾をのんで待っている状況。ドル円は週明け朝方に147円台から145円台まで急落したあとは、下げ一服。激しく上下動を繰り返す落ち着かない相場となったが、足元では146円台に下げ渋っている。ユーロ円も161円台から158円台前半まで急落したあとは下げ一服し、160円台で売買が交錯している。ユーロドルは1.08台後半から1.10台半ばまでのレンジで振幅も、足元では1.09台半ばから後半と先週末NY終値付近に戻している。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は148円台まで一時上昇。米国債利回りが上昇した。米株式市場は依然として波乱の展開となっているものの、下値での買い戻しも見られていた。クーグラーFRB理事は、「インフレが上昇しないようにすることが優先されるべき」と述べていた。先週はパウエル議長が追加利下げへの慎重姿勢を堅持していたが、同理事も同様の意向を垣間見せていた。ユーロドルは上に往って来いの展開。ロンドン時間には1.10台を回復していたものの、NY時間にかけて戻り売りに押され、一時1.09割れを試す動きがみられた。ポンドへの売りが加速し、ポンドドルは一時1.27割れをうかがう動きがみられた。短期金融市場では米国の年内利下げ期待が変動しており、一時は5回の利下げ期待を織り込む動きも見られていたが、NY時間に入ると3回は完全に織り込んでいるものの、4回については75%ほどの確率で推移。一部からは、スタグフレーションからリセッション(景気後退)へと投資家の意識は変化しているとの声も出ていたが、FRBがインフレへの警戒感を緩めていない中で、利下げについては未知数の部分が大きい。

(8日)
 東京市場では、売買が交錯。ドル円は前日NY市場で148円台に乗せる場面があった。東京朝方にはやや調整が入り147.20台まで反落。しかし、午後に入ると147円台後半まで下げ渋った。米株先物が時間外取引で大きく買われていることで、8日のアジア株が全面高となり、リスク警戒後退からの円売り148円台には戻し切れず、上値の重さも垣間見られた。ユーロ円は161.20付近から162.20付近まで1円幅で上昇も、その後は利益確定売りに少し押し戻された。ユーロドルは1.0905近辺から1.0980台まで上昇したあと1.0950台まで一時押し戻された。

 ロンドン市場では、円買いが優勢。ドル円は上値重く推移しており、146円台後半へと安値を広げている。ユーロ円は160円台半ば、ポンド円は187円台前半へと下押しされている。ユーロドルは1.09台での振幅で、ロンドン時間には上値重く推移。ポンドドルは1.27台で売買が交錯している。この日は週明けの世界的な株価の急落がようやく一服している。日経平均が一時2000円超高となったほか、アジア株も総じて反発した。欧州株や米株先物・時間外取引もその例にもれず反発している。ただ、足元では欧州株は上げ幅を縮小しており、前日の急落を戻すには至っていない。米債利回りは小幅に低下、NY原油先物も再び上値を抑えられている。欧州は米国に対して工業製品の関税をお互いにゼロにすることを提案したが、市場ではその実現性は低く、あくまでも交渉の材料とみているようだ。デギンドスECB副総裁からは、不安と不確実性の中にいるとの認識が示された。ナーゲル独連銀総裁は、金融市場の変動は続くだろうと発言。あすの米関税発動は確実に実施される情勢となっており、安心できない状況は続きそうだ。

 NY市場でも、円買いが続いた。ドル円は146円台に伸び悩む展開。序盤は前日までの嵐も一服し、米株も買い戻されていたが、結局上げを維持できずに下落。その動きを見てドル円も下落した。本日は米国債と伴に日本国債の利回りも上昇し、円高をサポートしていたようだ。一旦、嵐が止んでいたとはいえ、情勢に何も変化はなく、明日からの関税への懸念が強い。ホワイトハウスは同盟国との交渉の席につくトランプ大統領の姿勢とは裏腹に、貿易相手国に重い相互関税を課す計画を打ち出している。特に中国については、トランプ大統領は、中国が報復措置を撤回しなければ、追加で50%の関税を課すことを示唆していたが、それに対して中国は「関税戦争と貿易戦争を仕掛けてくるなら、中国はとことんつきあう」と対抗措置を取る構えを示し、米中の貿易戦争はエスカレートしそうだ。ユーロドルは1.09を割り込む場面も見られたが、全体的に1.09台で上下動。 トランプ大統領は、米・EU間で工業製品の関税を互いに撤廃することを求めたEUの提案を拒否した。ポンドドルは買い戻しも見られていたものの、1.28を回復することなく伸び悩む展開。先週のトランプ関税の発表により、英経済の減速リスクが高まり、英中銀の追加利下げや、英政府に財政支出拡大の可能性が浮上し、ポンドは打撃を受けている。

(9日)
 東京市場は、相互関税発動めぐり不安定な動き。 午後1時過ぎに米相互関税が発動。報復措置を発表した中国に対しては関税率が引き上げられており、累計で104%の関税が発動された。日本への24%の関税などすでに発表済みの関税率での発動となった。為替市場は不安定な動きを続けた。ドル円は朝方の146.30台から下げが続き、午前中に145.10台まで下落。145.80台まで下げ渋ったあと、ドル売り・円買いが強まった。144.58レベルと4日の直近安値144.56レベルに迫った。米10年債利回りが昼前の4.35%前後から4.51%台まで上昇。米30年債利回りが節目の5%台に乗せるなど債券利回りの急騰(米債券価格の急落)が見られ、米株先の売りもあって、米国売りとの思惑が広がった。安値を付けたあとは145円台半ばに反発と荒い値動きだった。ユーロ円は午前の円高局面で159.64近辺まで下落も昼前には160.70台まで反発。午後には売買が交錯した。ユーロドルはドル売りに支えられて1.1069近辺まで上昇も、1.1030付近に反落。

 ロンドン市場では、円買い圧力が継続。この日は米国が相互関税を発動している。ロンドン時間には、中国も米国製品に対して84%の追加関税を発表した。報復合戦が繰り広げられており、貿易戦争がエスカレートしている。欧州株は序盤からの下げ幅を一段と拡大、NY原油先物は一時55ドル台に下落、リスク回避の動きが強まっている。ドル円は東京市場で146円台から144円台半ばへと下落したあと、145円台後半まで下げ渋る場面があった。しかし、中国の報復措置を受けて再び144円台後半へと軟化している。ユーロ円も売買が交錯する落ち着かない相場となるなかで、足元では160円台割れへと再び軟化。ポンド円は原油安の影響もあり、185円台前半へと安値を広げる動きを見せている。米国相互関税を受けて財務省、金融庁、日銀が三者会合を実施、資本市場の動向を議論した。中国指導層は早ければ本日水曜にも会合を開き、米貿易関税後の景気浮揚策を協議するとした。英中銀はFPC会合で、一段と急激な調整が入るリスク、なお高いと指摘した。債券市場では米長期債利回りの急上昇に続いて、英長期債利回りも1998年以来の高水準となった。一段と混乱した状況になっている。

 NY市場では、一転してドル買い戻しが加速した。トランプ大統領が、米国に対して報復措置を講じていない国・地域に対して、90日間の関税一時停止を承認した。これを受けて、株急騰とともにドルも買い戻しが強まり、ドル円が急伸した。その流れの中で今度はFOMC議事録が公表され、委員の大半がインフレはより長期化する可能性があると発言していたことが明らかになると、ドルはさらに買い戻しを加速。ドル円はストップを巻き込んで一気に148円台に急伸している。米債市場が混乱したことで
いったん関税政策の手を緩めたものとみられている。ただ、対中関税に関しては強硬姿勢を維持している。 ユーロドルは一時1.11台をうかがう展開も見られていたが、トランプ大統領の発表で後半に1.09台前半まで急反落した。ポンドドルは乱高下も、1.28台に買い戻されている。トランプ大統領の発表でドルの買い戻しが強まったが、それ以上にポンドが買い戻されていた。米国債とともに英国債も買い戻され、安心感からポンド買いを誘発していたようだ。ポンドは変動性が高まっており、再び高ベータ通貨として取引されているとの指摘が出ている。

(10日)
 東京市場では、ドル売りが優勢。ドル円は前日の急上昇の反動から軟化し、146円台後半へと下押し。午後には146.45近辺に安値を広げた。その後は146円台後半に値を戻した。ユーロドルは午後に一時1.0996付近まで、ポンドドルは1.2875付近まで上昇し、この日の高値を更新した。ユーロ円は一時160.88付近まで下落したあと下げ渋り、161円台を回復した。日本時間午後1時1分にトランプ米大統領は対中関税を125%に引き上げ、中国は米国からの輸入品に84%の報復関税を発動した。中国はきょう臨時の会合を開き、追加の景気刺激策を協議するとみられている。

 ロンドン市場では、一段とドルが売られている。前日NY午後にトランプ大統領が相互関税発動を90日間停止したことで株高や債券利回り急上昇とともにドルが急伸したが、きょうはその反動となっているようだ。ドル円は147円台後半からロンドン市場では145.50付近へと下落。ユーロドルは1.09台半ばから1.10台後半へ、ポンドドルは1.28台前半から1.29台前半へと上昇。ドル売りは対スイスフランや対円で顕著となっており、ややリスク警戒の面も垣間見られている。欧州株は急伸で取引を開始も、その後は上げ幅を縮小している。米株先物・時間外取引は前日の急伸の反動で売られている。クロス円は前日よりも円高の水準で推移。ユーロ円は161円台後半から前半へ、ポンド円は189円台半ばから一時188円割れへと軟化している。EUは米国の措置に対応して対米報復措置を90日間停止すると発表した。しかし、中国は依然として対決姿勢を崩しておらず、懸念される状況が続いている。ブロック豪中銀総裁は、各国が米国の関税に対応するため、不確実性と調整の時期があるだろう、とまだ不透明な状況下にあることを指摘した。

 NY市場では、ドル売りが継続。ドル円は前日の上げを失い、一時前日安値の144円ちょうどまで下落する場面も見られた。トランプ大統領が90日間の猶予措置を発表したことから、前日の市場は熱狂の渦に呑み込まれ、ドル円も一気に148円台まで急騰していた。しかし、市場はこの先の不安を払拭できず、今回の貿易戦争が米経済に長期的な打撃をもたらすのではとの懸念が根強い。「米国市場から資金を引き揚げるべき」、「関税の猶予期間が延長されたとしても、景気後退の可能性は五分五分」、「すでにダメージは与えられてしまった。パンドラの箱はすでに開いた」といった類の声も多く聞かれた。そのような中、市場では米国離れが指摘され、米国債が不安定な動きをしているほか、ドル離れも指摘されている。この日の3月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回り、総合指数は前月比で予想外の低下となっていた。コア指数も予想以上に低下。ただ、今回のCPIがフェド・プットまで期待できるかは未知数。この日も何人かのFOMC委員の発言が伝わっていたが、いずれも、いまは見守るべきとの姿勢を強調していた。ユーロドルが急伸。一気に1.12台まで一時上昇し、2023年7月以来の高値水準となった。ポンドドルも買い戻しが強まり、一時1.30台をうかがう場面も見られた。ダウ平均は急反落。一時下げ幅は2000ドルを超え、前日の急騰の雰囲気は大きく後退した。

(11日)
 東京市場では、ドル売りが先行も不安定に上下動。東京朝方から午前はドル売りが強まった。ドル円は144円台半ばから一時142.89近辺まで安値を広げた。ユーロドルは1.12付近から1.1383近辺まで買われた。米トリプル安の動きが警戒されていた。しかし、取引後半には中国・香港株が買われている。トランプ関税に対応した景気対策や市場安定化策などへの期待。安心感があるようだ。ドル円は一時144円台乗せ、ユーロドルは1.1250付近へと反落した。ユーロ円は141円台前半から162円台後半、ポンド円は186円付近から187円台半ばで神経質に上下動した。

 ロンドン市場では、ドルが一段安となった。中国が米国製品への報復関税を84%から125%に引き上げ、4月12日から発動としたことに反応した。先の見えない米中貿易戦争激化を受けて、ドルが全般的に売られた。ドル円は143円台割れから142.07近辺まで下落。ユーロドルは1.13台前半から1.1473近辺まで急伸。ポンドドルも1.30付近から1.3145近辺まで買われた。プラス圏で推移していた欧州株や米株先物・時間外取引もマイナスに転じた。その後はドル売り一巡となっているが、きょう全体をみれば依然としてドル安の水準で推移している。ドル指数は節目の100を割り込んでいる。クロス円は通貨ごとにまちまちな動きとなっており、全般的な流れは見られず。

 NY市場でドル円は買い戻しが優勢となり、一時144円台を回復し、本日の下げの大半を取り戻す展開も見られていた。貿易戦争への懸念は依然として継続しており、投資家の警戒感も強い。ただ、週末ということもあり、本日はひとまず警戒感が一服していた印象。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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