【これからの見通し】高田日銀委員からはサプライズみられず、このあとは英物価統計と米FOMC議事録
【これからの見通し】高田日銀委員からはサプライズみられず、このあとは英物価統計と米FOMC議事録
東京市場では比較的静かな相場展開となっていた。タカ派で知られる高田日銀審議委員の経済懇談会および会見が注目されていたが、「物価が見通し通り推移すれば金融緩和の度合いをさらに調整する必要」「1月の追加利上げ以降もギアシフトを段階的に行っていく視点も重要」などと述べるにとどめており、利上げについては「現段階では特定の期間・水準は描いていない」の具体的な言及を避けていた。ドル円は152円を挟んだ振幅となっており、足元では151円台後半とやや円高水準に位置している。ただ、ドル安の面もあり、クロス円はレンジを離れずの展開が続いている。
このあとの欧州市場では朝方に一連の英物価統計が発表される。注目の消費者物価指数・前年比は+2.8%と前回の+2.5%から伸びが加速する見込み。コア前年比は+3.7%(前回+3.2%)、サービスCPI前年比は+5.1%(前回+4.4%)と予想されている。いずれもインフレの加速が想定されている。
一方、昨日にベイリー英中銀総裁は、「ディスインフレは継続している」「英国は弱い成長環境に直面している」「不確実性が高まる時期にある」「賃金の伸びは、想定していたほどではない」と経済状況について慎重な見方を示していた。
ポンド自体の強弱はユーロポンド相場で明確に示されることが多い。ここ数日の流れはユーロ安・ポンド高方向に傾いている。きょうの英物価統計で一段とポンド高が進行するのかが、注目されよう。
NY後半には米FOMC議事録(1月28・29日開催)が公表される。この時は政策金利が据え置かれていた。パウエル議長は会見で利下げを急がない姿勢を示していた。昨日のウォラーFRB理事の講演では「現時点で利下げを支持していない、インフレが落ち着くまで利下げ一時停止が望ましい」と発言し、ドル高の反応した経緯がある。米金融当局はしばらくは利下げを休止するとのコンセンサスが市場に広がることとなっている。よほどのハト派の見方が示されなければ、市場は無難に通過しそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は上記の英物価統計のほかに、南ア小売売上高(12月)、ユーロ圏経常収支(12月)、米MBA住宅ローン申請指数(02/08 - 02/14)、米住宅着工件数(1月)などが予定されている。
発言イベント関連では、上記の米FOMC議事録のほかに、米20年債入札(160億ドル)が実施される。NY終盤以降にはジェファーソンFRB副議長が家計のバランスシートについて講演を行う。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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