ドル円、155円台に買い戻し トランプ発言で関税の話題が再浮上 前日の動揺は落ち着く=NY為替序盤
きょうの為替市場はドル買いが優勢となる中、ドル円は155円台に買い戻されている。前日は中国のディープシーク社の最新AIモデルのニュースで、エヌビディア<NVDA>を含むハイテク企業の優位性に疑念が生じる可能性が広がり警戒感が広がった。米株式市場ではIT・ハイテク株が急落する中、リスク回避の円高から、ドル円も一時153円台に下落していた。
ただ、トランプ大統領の発言で、鳴りを潜めていた関税の話題が再び浮上。トランプ大統領は27日、外国製半導体チップと鉄鋼、医薬品に近く関税を適用する方針を明らかにし、銅とアルミニウム製品にも関税を賦課すると語った。また、英FT紙が米財務長官への就任が承認されたベッセント氏が一律関税を推進すると報じている。関税とインフレの連想からドル買いが再び強まっている形。
一方、円の方は関税が話題に上っている割には株式市場が落ち着いており、前日急落していたIT・ハイテク株も買い戻されていることから、リスク回避の円高は後退している。
きょうからFOMCが始まり、明日の現地時間午後に結果が発表される。今回は政策変更はないと見られており、いつも通りにパウエル議長の会見に注目が集まりそうだ。昨年末のFOMCで委員の金利見通し(ドット・プロット)は今年2回の利下げだった。しかし、その後に発表された米雇用統計が強い内容だったことで、一部からは年内の追加利下げを疑問視する声も出ている。
ただ、その後のインフレ指標が落ち着いた内容だったことから、利下げなしへの過度な観測は緩んでいる状況。そのような中、パウエル議長がどのようなヒントを示すか注目される。
なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
28日(火)
現行付近にはなし
29日(水)
155.00(12.8億ドル)
31日(金)
155.00(10.2億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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