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関税を巡る報道で乱高下 ドル円は下に往って来い=NY為替概況

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関税を巡る報道で乱高下 ドル円は下に往って来い=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、トランプ氏の関税を巡る報道で乱高下した。最初はドル売りが急速に強まり、ドル円も158円付近から156円台前半まで急速に下落。トランプ次期大統領の補佐官たちが関税について、全ての国に適用されるが、重要な輸入品のみを対象とする案を検討していると伝わった。その後、トランプ氏がその報道を否定し、「自分の関税政策を後退させることはしない」と述べたことで、ドルは一気に買い戻され、ドル円も157円台半ばに戻す、下に往って来いの展開が見られた。

 ドル円は158円には慎重な雰囲気だが、下押す動きもなく、昨年7月以来の高値圏での膠着した値動きが続いている。チャート的にはもう一段の上値追いの体勢と整えているといった雰囲気だが、再び160-165円のゾーンを試しに行くか注目される。

 金曜日の米雇用統計が予想を下回る内容であれば、ドルは急落する可能性があるとの指摘が出ている。市場では、年内にFRBが金利を1回か2回引き下げること、米経済の回復、そしてインフレ圧力がすでに十分織り込まれており、ドルは極めて割高に見えるという。そのため、弱いデータに敏感に反応しやすいと述べている。確かに本日の関税のニュースを受けたドルの動きを見ても、その一端が見え隠れする。

 ユーロドルは買い戻され、一時1.04ドル台に戻す展開が見られた。本日の21日線が1.0420ドル付近に来ているが、その水準を一時回復する場面も見られた。ただ、依然として下向きの流れは続いており、年内にはパリティ(1.00ドル)までの下落も警戒されている中、21日線を回復できるか注目される。

 市場はドイツとフランスの政治情勢についてより確かな情報を待っている。フランスの2025年度予算案が可決されるかどうか依然として不透明で、ドイツでは来月に新たな選挙が控えている。ユーロには、先行きが不透明な景気に加えて、政治リスクも浮上している状況。

 ポンドドルは1.25ドル台での推移。ドルの値動きに左右される展開の中、ポンドドルは依然上値が重い。これまで対ユーロでは堅調な動きを続けてきたポンドだが、ここに来てその動きも一服し、ユーロポンドは下げ止まる動きが見られている。アナリストからは、ポンドとユーロは互いに安定した推移を続ける可能性があるとの指摘が出ている。英国もユーロ圏も先行きへの不透明感が台頭しており、弱い通貨どうしで均衡を保つと見ているようだ。

 市場が英国の成長とインフレの苦境についてより明確な情報を求める一方、ドイツとフランスの政治情勢についてもより確かな情報が待たれる中、今後数カ月間のユーロポンドは上下動を続けると見ているようだ。第3四半期の英GDPがゼロ成長に下方修正されたことで景気後退リスクに関するコメントが飛び交っているが、一方で英政府の10月の予算案はインフレ上昇につながる可能性があるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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