ドル買い継続、調整含みも根強いトランプトレード ドル円154円台乗せ=ロンドン為替概況
ドル買い継続、調整含みも根強いトランプトレード ドル円154円台乗せ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いの流れが継続している。東京市場ではトランプ次期米政権の人事が対中強硬派に傾いたことで警戒感が広がり、円買いの動きが中心となっていた。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが前面に押し出されている。ドル円は東京午前の高値を上回る154.17近辺に高値を伸ばした。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.28台割れまで一時下落した。ポンド相場にとっては英ILO失業率が4.3%と前回の4.0%から上昇したことが売りを誘う面もあった。ただ、その後はポンドドルが下げ渋ったのに対して、ユーロドルは引き続き軟調となっている。ユーロにとっては独ZEW景況感指数が7.4と前回の13.1から大きく低下したことや、ドイツ政局の混迷などの悪材料も指摘される。この日は欧州株や米株先物・時間外取引がマイナス圏で推移しており、前日の米主要3株価指数が最高値を更新した後で調整が入っている。トランプ政策の負の面もでてきているが、引き続き根強いドル高圧力が観測されている。
ドル円は154円付近での取引。東京市場では154円台乗せとなるも、すぐに153円台に押し戻された。トランプ次期米政権の人事が対中強硬派に傾いたことで警戒感が広がった。しかし、ロンドン時間に入ると米10年債利回りが4.33%付近から4.36%付近へと上昇、ドル買いの動きが広がっている。ドル円は再び154円台の乗せると、高値を154.17近辺まで伸ばしている。欧州株は軟調に推移しているが、クロス円の下げも一服している。ドル高とともに円安の面も指摘される動きになっている。
ユーロドルは1.06台前半での取引。東京午前の1.0663近辺を高値に、終日上値重く推移している。ロンドン序盤には安値を1.0611近辺まで広げた。ユーロ円は東京午前に164.03近辺まで買われたが、その後は上値を抑えられている。ロンドン朝方には163.25近辺まで下押しされた。しかし、ロンドン勢の本格参加とともにじりじりと買いが入り、163円台後半まで下げ渋っている。対ポンドではユーロ買い先行も戻しており、上に往って来い。欧州株安やドイツZEW景況感の下振れなど悪材料がでているが、目立った反応はみられていない。
ポンドドルは1.28台前半での取引。東京朝方の1.2874近辺を高値に、その後は売りに押されている。ロンドン朝方には1.2793近辺まで安値を広げた。7-9月の英ILO失業率が4.3%と前回の4.0%から大きく上昇したことがポンド売りを強めた。しかし、ロンドン時間に入ってからは1.28台前半へと下げ渋っている。ポンド円は東京午前の198.06近辺まで買われたが、その後は上値を抑えられている。ロンドン序盤にかけて196.89近辺まで安値を広げた。その後は、197円台半ばへと買い戻されている。ユーロポンドは0.8270台から0.83台乗せ水準で上に往って来い。ロンドン時間にはポンドが買い戻されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。