【これからの見通し】自民・公明連合の敗北で円安に、消化後は米国に視線移動へ
【これからの見通し】自民・公明連合の敗北で円安に、消化後は米国に視線移動へ
注目された週末の衆院選では、自民・公明連合が過半数を下回った。立民など野党勢力の躍進で政局は混迷局面に入っている。ただ、自公連合の過半数割れは事前の調査などで想定されており、日本株が上昇している。週明けのドル円は153円台へとギャップアップの動きをみせた。政局混迷が、今週の日銀決定会合での据え置き観測を確たるものとしているようだ。
現時点では自公連合に、野党の1つか2つが政策協力に加わる公算が高いようだ。野党各党の政策がまちまちであることから、立民主導の野党連合が成立するのかどうかは不透明だ。ただ、政治の世界はわからないことも多く、しばらくは新政権誕生に関して様々な動きが見られそうだ。
とは言っても、衆院選通過後のマーケットはパニック状態には陥らず。比較的落ち着いたものになっている。市場の関心は、来週5日の米大統領選や今週末1日の米雇用統計を軸とした米国に向かってゆきそうだ。大統領選に関しては、現時点でトランプ氏の優勢が伝えられており、いわゆるトランプトレードのドル高圧力を受けやすい状況となっている。まだ流動的な状況であることは間違いないが、ハリス氏逆転などの調査結果がでなければ、市場の方向性には大きな変化は見られないだろう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、極めて少ない。香港とメキシコの貿易収支(9月)が発表される程度だ。明日以降の米雇用関連指標など(JOLTS求人件数、ADP雇用者数、実質GDP速報値、雇用コスト指数、PCEデフレータ、新規失業保険申請件数、シカゴ購買部協会景気指数、そして米雇用統計にISM製造業景気指数)の発表を控えて、きょうは材料難となる。
発言イベント関連では、ウンシュ・ベルギー中銀総裁の講演が予定されている。米金融当局者はブラックアウト期間で金融政策に関する発言が自粛される期間に入っている。このあとのロンドン・欧州市場は冬時間入りとなっており、時計の針が1時間遅くなる。東京市場とロンドン市場との間隔が開くこともあって、まずは取引タイミングの感覚を冬仕様に慣らす必要がありそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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