ドル円、米小売売上高で141円台に戻す FRBの意思決定に影響なしとの評価も=NY為替序盤
きょうの為替市場はNY時間に入ってドル買いの動きが見られ、ドル円は141円台まで買い戻されている。先ほど発表の8月の米小売売上高が予想外の増加となり、為替市場はドルの買い戻しが膨らんでいる。
しかし、エコノミストからは、予想よりもやや強かったが、FRBの意思決定に重大な影響を与えるほどのものではないとの評価も出ている。短期金利が上昇しドルも買いで反応しているようだが、明日のFOMCの結果発表を前に調整が出たという文脈以外ではその動きは正当化されないという。
市場は本日から明日にかけてのFOMCに注目している。ここに来て0.50%ポイントの大幅利下げの可能性が再浮上しており、短期金融市場では65%まで確率を上げ、通常利下げを上回っている。しかし、エコノミストからは「経済状態は景気後退あるいはそれに近い状況にあると考えるような状況では決してなく、FRBは大幅利下げを回避できる」といった見方も出ている。今週のFOMCは委員の金利見通し(ドット・プロット)も発表されるが、どちらの結果になったとしても波乱の展開も留意する必要がありそうだ。
FOMCは見方が完全に二分しており、最近では珍しいくらいに不透明なイベントとなっている。いずれにしろ明日午後(日本時間18日午前3時)のFOMCの結果待ちの雰囲気に変わりはない。
ドル円は前日に一時140円を割り込んだことで、市場からは下値警戒感を強める声が出ている。一方、ここ数日の急ピッチな下げで過熱感も高まっており、140円に接近すると押し目買いも出るようだ。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は140.85円に観測されている。
17日(火)
140.85 (12.3億ドル)
USD/JPY 141.06 EUR/JPY 156.91
GBP/JPY 186.31 AUD/JPY 95.23
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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