【これからの見通し】ドル買い優勢で週末迎えるか、きょうは決定打となる材料なさそう
【これからの見通し】ドル買い優勢で週末迎えるか、きょうは決定打となる材料なさそう
今週はドル高の流れが形成されている。前週の米FOMCでメンバーの金利見通しが年内1回利下げに後退したことや、日銀決定会合で国債購入減額が先延ばしとなったことがドル円相場を押し上げた。さらに、フランスの政治情勢の不透明感がユーロ売り圧力となっている。昨日にはスイス中銀が再度の利下げを発表、市場はサプライズ的にスイスフラン売りを強めた。英中銀は政策金利を据え置き、票割れも7対2と前回から変化しなかったが、微妙なバランスだったとの文言が利下げに傾きつつあるメンバーがいることを示唆していた。米経済指標が決定的に弱含まない限り、相対的にドル買い圧力が強まる構図が形成されているようだ。
ドル円は159円近辺に上昇しており、流れ的には再び160円を試す動きになっている。昨日の米為替報告書では、日本を「監視」対象に指定した。為替操作国には至っていないが、経常黒字などの水準に基づいて為替相場が日本に有利に働いているとの認識のようだ。イエレン米財務長官は、基本的に為替介入を是としていない。あくまでも、緊急的な措置であり、日米の意思疎通が重要との姿勢だ。最近の円安の動きがじりじりとしたものであり、神田財務官がしばしば釘を刺すような投機的かつ急激な相場展開とはなっていない。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、一連の独仏ユーロ圏・英国、米国などのPMI速報値(6月)、カナダ小売売上高(4月)、カナダ鉱工業製品価格(5月)、米景気先行指数(5月)、米中古住宅販売件数(5月)などが予定されている。上記のドル高の流れに変化を与えるほどのインパクトには欠けそうだ。
発言イベント関連は、ナーゲル独連銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁などのイベント参加が予定されているくらいだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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