弱いISM指数でドル売り強まる ドル円は一時155円台=NY為替概況
弱いISM指数でドル売り強まる ドル円は一時155円台=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時155円台に下落する場面も見られた。この日のISM製造業景気指数が予想を下回ったことを受けてドル売りが強まった。ドル円は本日の下げで21日線を下回っており、明日以降の動きが注目される。
指数は48.7と2カ月連続で低下し、判断基準の50からさらに下振れている。米地区連銀指数やS&Pが発表する米製造業PMIからは、強めの内容も期待されていたが、想定外の結果に敏感に反応している模様。新規受注、生産が低下したほか、仕入価格が急低下しており、インフレ鈍化を示唆する内容となっている。なお、雇用は前回から上昇し50を回復していた。
今週は週末の米雇用統計を始め、重要指標の発表が目白押しとなる。一方、来週にFOMCが予定されているが、FOMC委員はFOMC明けまで発言を控えるブラックアウト期間に入っており、タカ派な発言は聞こえて来ない。一部には、今月発表の5月分の米経済指標はインフレ鈍化への期待を示唆する弱めの内容になるのではとの見方も出ているようだ。
ユーロドルは1.09ドルちょうど付近に上昇。1.09ドル台は強い上値抵抗も観測されている。ユーロに関しては今週のECB理事会が最注目となる。0.25%の利下げ開始がほぼ確実視されており、市場も十分に織り込んでいる。注目はその先の展開に移っているが、ラガルド総裁はさらなるコミットは控えると見られている。足元のインフレと賃金がやや粘り強さを見せていることから、これ以上のコミットはしないと見られているようだ。
ラガルド総裁の会見次第ではユーロドルは1.10ドルを目指す展開を市場は想定しているのかもしれない。
ポンドドルは1.28ドルちょうど付近まで上昇。リバウンド相場をしっかりと維持しており、目先は先週に上値を拒んだ1.28ドルを突破してくるか注目される。エコノミストによると、英経済は昨年後半に穏やかな景気後退に陥ったにもかかわらず、高インフレと金利上昇に直面した。しかし、そこから驚異的な回復力を示し、現在もその基調は続いているという。今年の2024年のGDPは0.8%上昇を予想しているが、インフレについては今年一杯は英中銀の目標に近い水準で推移し、予想を下回る可能性もあると述べている。つまり、それは8月から利下げが始まり、今年中に市場の予想以上に多くの利下げが実施される可能性を意味するという。
また、7月4日の総選挙で労働党が勝利しても、目先の見通しに大きな変化はないと述べている。財政拡大の余地は非常に限られており、負債の乱発で市場の信認を損なうリスクは避けたいはずだという。また、労働党の政策が中期的な成長に一段の変化をもたらすかどうかも疑問だとしている
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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