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【直前まとめ】米消費者物価指数前年比は前回と同水準見込み

為替 

 この後21時半に2月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。

 パウエル議長が議会証言において「インフレが持続的に2%に向かっていると確信が強まるのを待っている」「確信が得られるまでそう遠くない。確信が得られれば制約的な金融政策を引き下げ始めるのが適切」と発言。年内利下げの可能性を強く意識する中、先週末発表の2月米雇用統計で失業率が予想外に悪化したことで、利下げ期待が強まる展開となった。もっとも昨日発表されたNY連銀の2月消費者インフレ調査が上方修正されたこともあって、早期利下げ期待をけん制という流れとなっている。

 こうした中、利下げのカギを握る物価動向への注目が依然としてかなり高いものとなっている。
 前回1月のCPIは前年比+3.1%と、2023年12月の+3.4%から鈍化したが、場予想の+2.9%を上回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+3.9%と12月と同水準の伸びとなった。市場予想の+3.7%を上回る伸びとなっている。前月比は+0.3%、コア前月比は+0.4%でともに市場予想を上回った。

 前回の内訳をみると、前回低下が目立ったのがエネルギー価格で前年比-4.6%。ガソリン価格低下を背景に11カ月連続でのマイナスとなった。マイナス幅も12月の-2.0%から大きくなった。ガソリン価格は-6.4%と2023年7月以来の低下となった。食料品は前年比+2.6%と12月の+2.7%から小幅な鈍化。小幅とはいえ着実に鈍化が進んでおり、2022年8月の11.4%をピークに17カ月連続での鈍化となった。
 変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア部分では、全体に占める割合(ウェイト)の比較的大きい自動車の価格低下もあり、財部門が前年比-0.3%とマイナス圏になった。これまで横ばいまではあったが、マイナス圏は2020年5月以来となっている。
 一方強かったのがコアのサービス部分で前年比+5.4%と12月の+5.3%から小幅ながら伸びが強まった。CPI全体の36.2%、コアの45.4%、コアのサービス部分の59.4%と相当な部分を占める住居費が期待ほど鈍化しなかったことが背景にある。

 こうした状況を受けて今回の市場予想は、前年比+3.1%と1月と同水準の伸びが見込まれている。コアは+3.7%と1月から伸びが鈍化見込み。前月比では+0.4%と1月の+0.3%から伸びが強まる見込み。コア前月比は+0.3%と1月から伸びが鈍化する見込み。

 ガソリン小売価格が2月は1ガロン当たり3.328ドル(全米全種平均・米エネルギー情報局調査)と1月の3.197ドルから上昇。前月比で4.1%の上昇となった。前年比ではどちらもマイナスとなっているが、EIAベースの数字だと、1月が-7.2%に対して2月は-4.9%までマイナス幅が縮小する。
 
 その他項目では半導体不足からの供給制限の緩和が改善している自動車部門の価格低下が継続して見込まれていることなどもあり、全体に低めの数字が見込まれている。

 前回伸びが予想を超えた主要因としては、住居費のうち、帰属家賃内の一戸建て住宅と集合住宅のウェイトが予想外に変更された影響が指摘されている。今回はそうしたサプライズ要素がない分、予想前後にとどまるとの見方が強いが、0.1%の小幅な乖離であっても、市場予想からの乖離には相場が反応を見せることがあるCPIだけに注意が必要。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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