ドル円は149円台 明日の米CPI待ちの雰囲気も=NY為替概況
ドル円は149円台 明日の米CPI待ちの雰囲気も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は朝方に一時148円台に値を落としたものの、動きが一巡すると149円台に戻す展開となった。ドル円は先週までの上昇に一服感が見られている。先週は一時149.60円付近まで上昇し、150円を試す展開も期待されたが、さすがに150円にはまだ慎重なようだ。明日の米消費者物価指数(CPI)待ちの雰囲気となっている。
FRBの利下げ期待後退にもかかわらず、ここ数日のドルは戻り売りが優勢となっている。3月の利下げ開始は見送られたとしても、早晩利下げが実施されるとの見方がドルの上値を重くしているようだ。
ただ、一部からはドル安の見方は時期尚早との見方が出ている。世界経済の成長鈍化と、依然として高水準にある米国債利回りに支えられ、ドルは当面持ちこたえる可能性があるという。ドル安はFRBが利下げを開始する時期に近い第2四半期に進む可能性が高いと見ているようだ。
ユーロドルはロンドン時間に1.08ドル台まで上昇していたものの、NY時間にかけて伸び悩む動きが見られ、1.0755ドル付近まで一時下落する場面が見られた。ただ、明日の米CPIを控え、全体的に様子見気分が強まる中で、値動きは限定的に留まっている。
ECBも年内の利下げ期待が高まっているが、ストラテジストからは、ECBによる今年の利下げは0.25%ポイントずつ3回か4回が現実的だとの指摘が出ている。労働市場は底堅いものの、成長が鈍化し、ディスインフレが継続していることに基づいているという。
このため、利下げサイクルは6月から始まり、四半期ごとに0.25%ずつ、年末までに累計0.75%ポイントの利下げが実施される可能性が高いという。リスクとして、年内に1.00%ポイント相当の利下げまで実施され、その場合、7月に追加利下げが実施される方向にリスクが偏っているという。ただ、短期金融市場は今年の利下げを累計1.15%ポイントで織り込んでいる状況。
ポンドドルは1.26ドル台前半での狭い範囲で上下動。今週は重要な英経済指標が発表になり、ポンドはその内容を見極めたい雰囲気もあるようだ。明日は英雇用統計が発表され、明後日には英消費者物価指数(CPI)が公表される。
週平均賃金も消費者物価指数(CPI)も前回からインフレの鈍化を示唆する内容が予想されているようだが、英CPIにについては、英中銀が注視しているサービスインフレが依然高水準での推移が予想されており、週平均賃金(除賞与)も前回からは鈍化が見込まれているものの、なお前年比で6%が見込まれている。予想通りであれば、英中銀の早期利下げ期待を高めることにはならないと見られているようだ。
本日はベイリー英中銀総裁の発言が伝わっていたが、景気の先行きに前向きな見方をしており、暗に早期利下げ期待はけん制していたようにも思われる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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