ドル円は148円を挟んで上下動 明日の日銀の反応を見極めたい雰囲気=NY為替概況
ドル円は148円を挟んで上下動 明日の日銀の反応を見極めたい雰囲気=NY為替概況
きょうのドル円は148円を挟んで上下動した。ここ数日のドル円は148円を挟んでの一進一退が繰り広げられているが、今週は日銀のほかECBやカナダ中銀の政策会合があり、米GDP速報値やPCEデフレータの発表も控える中で、反応を見極めたい雰囲気も強い。
その中でも円相場に関しては、日銀が決定会合をきょうから開催し、明日結果が発表される。震災を考慮し、今回は市場が期待しているマイナス金利解除はなく、据え置きが確実視されている。そのような中で植田総裁の会見が注目されており、マイナス金利解除に関して何らかのメッセージを発するか注目されている。
春闘の結果が確認できることもあり、マイナス金利解除は4月以降が有力視されているが、短期金融市場では昨年末にみられた期待よりも時期を後倒ししており、4月までの解除の可能性を45%程度、6月までが80%、7月までは完全に織り込みという状況になっている。震災の影響を織り込んだのであろう。
そのような中で、市場では明日の決定会合の反応は円高になるリスクを警戒している。1月に入ってドル円は急ピッチで上昇しており、150円を前に一旦調整が出てもおかしくはない状況。そのような中で植田総裁の会見をイベントリスクとして意識しているとの指摘も出ている。
ただ、本日のオプション市場でドル円の翌日物ボラティリティが上昇している点を指摘しているようだが、決定会合の結果発表の前日やFOMCの翌日に、これらは上昇する傾向にはある。
ユーロドルは海外市場に入ってじり安の展開が見られ、1.08ドル台後半での推移。ロンドン時間の朝方は1.09ドル台前半で推移していた。本日1.0845ドルl付近に来ている200日線の上は維持しているものの、ユーロドルは1.09ドル台が次第に重くなって来ている印象もある。
今週はECB理事会が開催されるが、据え置きが確実視されている。市場の注目は声明やラガルド総裁の会見だが、市場で期待が高まっている4月利下げの可能性を示唆することはないと見られている。現時点では6月利下げ開始の見通しで変わらないとの見方も出ているようだ。最近数週間の限られたデータから、予想を変更する理由は得られなかったという。どちらかといえば、ECB理事のレトリックも6月利下げ観測をフォローしているようにも思われるという。
インフレは鈍化しているものの、賃金上昇がECBの利下げ期待を拒んでいるという。そのためECBが第1四半期の賃金上昇率の全容が明らかになる前の4月の理事会で、利下げを示唆するためには、今後発表されるデータとECBスタッフの見通しに十分な下方修正が必要となるが、その可能性は小さいという。
ポンドドルは1.27ドル台前半の狭いレンジでの取引が続き、方向感のない展開が見られた。本日の21日線は1.2715ドル付近に来ているが、その水準での値動きが続いており、次のアクション待ちといった雰囲気も強い。
今週はポンド関連のイベントは少なく、ドルやユーロの動きに左右される値動きが見込まれる。そんな中でも24日に1月調査の英PMI速報値が発表になり、動向が注目される。製造業は昨年の8月以降、判断基準の50を下回る水準での推移が続いており、今回も縮小領域での推移が見込まれている。一方、サービス業が全体をサポートしており、こちらは50を上回る水準が見込まれている。ユーロ圏とは違う点でもあり、対ユーロでのポンド高が続くと見られているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。