ドル円、200日線を維持 144円台半ばまで戻す展開=NY為替概況
ドル円、200日線を維持 144円台半ばまで戻す展開=NY為替概況
きょうのNY為替市場、前半のドル円はNY時間に入って143円台に下落し、東京時間に引き続き200日線を試す動きが見られていたが、その手前で144円台に戻した。本日の200日線は143.40円付近に来ていた。ドル円は今年に入ってからの上げを縮小する見られているものの、いまのところ200日線の水準は維持されている。後半には144円台半ばまで戻す展開となった。
FRBが利下げに踏み切るという市場の確信により、年初からのドル高は動きが一服。先週の米雇用統計は労働市場の底堅さを示したが、市場は3月までの利下げ開始期待をなお排除はしていない。現在は60%程度の確率で見ている状況。その意味でも週後半の2つの重要なインフレ指標を待つことになる。12月の米消費者物価指数(CPI)が木曜日、そして生産者物価指数(PPI)が金曜日に発表される。インフレの鈍化傾向が示唆されるか注目される。
インフレの鈍化傾向が示されれば、3月の利下げ開始期待は元の確率に戻しそうだが、そうでなければ、さらに後退することになりそうだ。しかし、3月FOMCまでにはまだ複数回の米雇用統計や消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、確認には至りそうにない。
ドルロングを増やすことは、現在では「カウンター・トレンド・トレード」と見なされているとの指摘も出ている。通常1月と2月はドルにとって好調な月だが、当面はレンジ相場が続く可能性があるという。
ユーロドルは緩やかな戻り売りに押され、1.09ドル台前半に値を落とした。21日線の下での推移が続いているが、1.0850ドル付近に来ている200日線を試すような気配はまだ出ていない。
ECBの最初の利下げは6月になるとの見方が出ている。ECBは年内に0.25%ポイントの利下げを3回行うと予測しているとし、現在のところ、今年の利下げ幅は計0.75%ポイントをやや上回る程度にリスクが偏っていると見ているようだ。市場の想定は明らかに下回ると指摘している。
なお、短期金融市場はECBによる今年の利下げ幅を計1.40%ポイントと想定しており、最初の利下げは4月に行われると見込んでいる。
ポンドドルは戻り売りが優勢となり、5日ぶりに反落。ただ、1.27ドル台は維持し、本日1.2695ドル付近に来ている21日線の上も堅持している状況。
この日は英小売協会(BRC)が12月の英小売売上高(数量ベース)を発表。クリスマス商戦を含む重要な期間だったものの、前月比1.7%増に伸びが鈍化した。生活費高騰を受け、消費者は引き続き支出を控えた。食品が引き続きけん引したものの、非食品が冴えなかった。
BRCは、「クリスマス商戦は厳しい1年の挽回には力不足で、消費マインドの低迷が引き続き消費を抑制した。クリスマス後のセールも、家具や家庭用品などの分野での消費を喚起するには至らず、家計は大きな買い物に慎重な姿勢を崩していない」と述べていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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