ドル円は上値追いの動き 米CPIはインフレ鈍化を示唆するのに十分な内容=NY為替
きょうのドル円は上値追いの動きが続いており、144円台での推移となっている。先ほど発表になった米消費者物価指数(CPI)は予想を若干下回る程度ではあったが、インフレ鈍化を示唆するには十分な内容で、短期金融市場ではFRBの年内利上げの確率を低下させている。少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼないと見ている状況。
これを受けて為替市場では一旦ドル売りの反応が見られ、ドル円も143円台前半に下落していたが、動きが一巡すると、逆に買い戻しが強まっている。
本日の米CPIは、ディスインフレ、FRBの利上げサイクル終了、そして、底堅い米経済といったソフトランディングのシナリオに沿った内容でもあり、その場合、為替市場はドル買いとの見方も根強くあるようだ。
また、イベントを通過したことで、円キャリー取引が復活しているとの指摘も出ており、円は対ユーロでも下落している。日銀は先日の決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)を修正して来たものの、日本の10年債利回りはさほど上昇していない。日銀は10年債の許容度を拡大させてはいるものの、実際は緩和姿勢を根強く残しており、そのことが国債市場に反映されているものと見られている。
USD/JPY 144.42 EUR/JPY 159.06
GBP/JPY 183.66 AUD/JPY 94.65
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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