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為替相場まとめ5月5日から5月9日の週

為替 

 5日からの週は、ドル高と円安の流れが広がった。市場心理を明るくしたのが米英が貿易協定に合意したことだ。トランプ政権が発足してから初の合意となり、トランプ氏の自画自賛のトーンも上がっている。市場ではその他諸国との交渉の行方にも期待感が広がったようだ。ただ、中国やEUといった対抗姿勢を明確にする大国・地域の存在は今後の不安材料。EUは交渉がまとまらなければ950億ユーロ規模の対抗措置を計画とした。また、日本や韓国など親米国においても、交渉は複雑かつ時間がかかりそうだとみられている。米FOMCが政策金利を据え置き、英中銀が利下げを実施したことも金利差の面からドルを支える面があった。ただ、英MPCメンバーの票割れは意外にも分かれた。5名が25bp、2名が50bpの利下げを主張。また、特に2名が据え置きとしたことがポンド買いにつながる場面があった。一方、前日のパウエルFRB議長会見でトランプ氏の利下げ要求には動じない強い姿勢が示されたこともあって、ドル高基調は続いた。週末には米中貿易協議が始まる。金曜日にはドル高や円安の流れにやや調整の動きが入っている。

(5日)
 東京市場はこどもの日の祝日のため休場。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。週明けのアジア市場で台湾ドルが対米ドルで急騰、市場全般にドル売り圧力を波及させる面があった。米関税に関連して台湾の輸出企業から保有している米ドルを台湾ドルに交換する動きが強まったもよう。台湾中銀は、アナリストに対して投機的なコメントを控えるよう要請している。また、先週末の米雇用統計は強い結果となったが、ドル買いの動きが続かなかったこともドル安圧力の根強さを印象付けていた。ドル円は週明けアジア市場で145円付近から一時144円台割れとなった。その後買戻しが入ったが144円台前半までの動きにとどまり、ロンドン時間には143.80付近まで安値を広げている。ユーロドルは1.13付近から1.1350手前水準へ、ポンドドルは1.3250台から1.3310付近へと買われている。クロス円は円買いに押される展開。ユーロ円はロンドン市場で安値を163円手前へと広げている。ポンド円は191.20台まで下押しされた。欧州株は英市場が休場となり、独仏株は高安まちまち。米株先物は時間外取引で反落している。米10年債利回りは4.31%台で推移している。

 NY市場では、このところのドル高が一服。ドル円も143円台に値を落としている。この日の米ISM非製造業景気指数が予想外に上昇したことで144円台に買い戻される場面があったものの、終盤になって再び143円台に値を落した。ユーロドルは1.1360近辺に買い戻される場面も見られていたが、後半に伸び悩む展開。ただ、本日1.1295付近に来ている21日線は維持している。このところ上げが一服しているユーロドルだが、強気な見方は依然根強い。ポンドドルは一時1.33台半ばまで上昇する場面が見られたものの、後半になって1.32台に戻す展開。今週はFOMCが予定されており、注目イベントの1つとなりそうだが、先週の予想を上回る米雇用統計を受けて、市場はFRBの年内の利下げ期待を後退させている。英中銀の金融政策委員会(MPC)も予定されており、利下げが確実視されている。それ自体はすでに織り込み済みではあるものの、追加利下げの可能性を強調してくるか注目される。
  
(6日)
 東京市場は国民の祝日のため休場。

 ロンドン市場は、円買いとユーロ売りが優勢。ドル円はロンドン勢の参加とともに143円台後半での揉み合いを下放れた。143.50付近を割り込むと売りが加速し、143円台も割り込んだ。安値を142.91レベルまで広げている。米株先物が連日軟調に推移しており、リスク動向が警戒されている。明日の米FOMC発表を控えた調整の面もあるようだ。また、ユーロ売りの面も指摘される。ドイツ議会首相指名投票の1回目でメルツ氏が過半数を獲得できなかったことが嫌気され、独DAX指数が下げ幅を拡大、ユーロ売り圧力が広がった。特に対円では162円台後半から一時162円割れ水準まで下落、本日の安値を更新した。対ドルではドル売りが優勢も、1.1350レベルはつけられずに1.13台前半で揉み合っている。ユーロポンドはアジア時間からの上昇を消して、安値を0.84台後半へと広げている。また、スイスフランは中銀総裁がマイナス金利の可能性を排除せずと述べたことが売りを誘い、主要通貨のなかで最も弱いパフォーマンスを示している。円相場とは対照的な値動きになっている。このあとは米国およびカナダ貿易収支が発表される。関税問題が市場テーマとなるなかで注目されよう。

 NY市場は、リスク回避ムードが再び広がった。為替市場はドル安が優勢となった。ドル円142.35付近まで下落、本日の下げで再び21日線を下放れる展開が見られている。 市場ではトランプ関税に対する不透明感が依然として根強いが、ドルは長期的に下落する可能性がストラテジストから指摘されている。米政策の不透明感が要因だという。ユーロドルは底堅い展開を継続し、1.13台後半まで上昇。ロンドン時間に割り込んだ21日線を回復している。本日はドイツのメルツ氏が新首相に承認された。ドイツ連邦議会が2回目の投票で承認。1回目は過半数に届かず、市場も不安視していたが、承認されたことで安心感につながったようだ。ユーロの上げをサポート。ポンドドルも買いが優勢となった。本日の21日線は1.3235付近に来ていたが、その上の水準をしっかりと堅持しており、今年に入ってからの上昇トレンドを維持している。今週の英中銀会合では利下げが確実視されている。ただ、ベイリー総裁会見で市場の過剰な織り込みに苦言が呈されるようだとポンド買いのリスクも指摘される。
 
(7日)
 東京市場は、ややドル高・円安の動き。朝に米中間の通商協議開始の報道があり、ドル高・円安となった。中国商務省は何副首相が9日から12日の日程でスイスに向かい、ベッセント財務長官と協議を行うと発表した。また米国側も10日にベッセント財務長官とグリアUSTR代表が中国高官と協議を行う旨を公表している。米中間での通商合意がすぐに決まるとは考えにくいが、協議開始は明るい話題と受け止められた。ドル円は142.40付近から143.20付近へと急伸。午後には143.30台へと再び高値を更新。ユーロ円も162円付近から162.60台まで買われた。ユーロドルはドル買いに押され、1.13台後半から前半へと下落したあと、午後には下げを解消している。

 ロンドン市場は、円安・ドル高の水準で推移している。東京早朝の報道で米中貿易交渉開始の期待感が広がったことで、ドル買いの動きが強まるとともに円安の流れが形成された経緯がある。ロンドン序盤にはドル円が143.46近辺に高値を更新。ユーロ円は163.02近辺、ポンド円は191.51近辺まで高値を伸ばす場面があった。また、ユーロドルは1.13台で下に往って来いとなったあと、ロンドン時間では前日終値付近で上値を抑えられている。ポンドドルは1.33台で売買が交錯しているが、前日終値よりもドル高水準での取引が継続している。総じて東京早朝の報道の余韻が残る動きとなっている。ただ、この後の米FOMC結果発表およびパウエルFRB議長会見を控えて、この時間帯は次第に動意薄になっている。

 NY市場では、米FOMCをめぐる動き。午後のFOMC後のパウエル議長の会見を受けて、ドル高の反応が見られた。ドル円は144円付近まで上昇。ある程度想定通りではあったものの、議長は追加利下げに慎重姿勢を強調していた。「金利調整を急ぐ必要はない。FRBは明確さが得られるまで待つ立場にある」としたほか、不確実性が高まっている点も強調し、失業率とインフレの両方の上昇リスクが高まっていることにも言及。「実際の経済データにはまだ景気減速が示されていない」とも語った。それでも短期金融市場は見方を変えておらず、年内3回の利下げ、最短で7月の利下げ再開で織り込んでいる。エコノミストからは利下げ期待が行き過ぎとの声も出ていた。ドル高反応で、ユーロドルは1.12台、ポンドドルは1.32台に下落した。

(8日)
 東京市場は、ドルが振幅後に買い優勢となった。午前にトランプ米大統領が英国との貿易協定について日本時間今夜に記者会見を開く予定だと報じられたことをきっかけに、ポンド高・ドル安となり、ドル円は一時143.45付近まで下落した。しかし、午後は米10年債利回りの上昇などから一転してドル高に振れ、前日高値を上回る144.31付近まで上昇した。ユーロドルは上に往って来い。午前のドル安局面で一時1.1336付近まで上昇したが、その後は午前の上げを帳消しにして1.1281付近まで軟化した。ユーロ円は円売り優勢となり、午後に一時162.84付近まで上昇した。米英貿易協定の合意が期待され、リスク選好的な動きにつながった。

 ロンドン市場は、ポンド買いが優勢。東京午前に米英貿易協議の合意に関する報道が流れたことに加えて、ロンドン時間には英中銀の票割れで5名25bp利下げ、2名据え置き、2名50bp利下げと3通りに分かれたことがポンド買い反応を広げている。英中銀は、トランプ関税による世界経済の変動を踏まえ、「利下げは段階的かつ慎重に継続すべき」との方針を維持した。ロンドン午前にトランプ大統領は、「英国との協定は完全かつ包括的だ」「長年にわたる両国の歴史と忠誠心を踏まえ、英国を最初の発表先とすることができ大変光栄だ」と自身のSNSで語った。ポンド相場は英中銀発表までは調整に上値を抑えられていたが、発表後に再び買いが強まっている。ポンドドルは1.33台割れから1.33台前半へ、ポンド円は191円台後半から再び193円手前水準まで買われた。対ユーロでも振幅後にポンド高に振れている。相場は全般的にはリスク選好的な円売りが優勢。東京時間の米英貿易協議進展報道がその他各国との交渉を後押しするとの期待につながったようだ。ドル円は一時145円付近に高値を伸ばした。ユーロ円は163円台後半まで高値を伸ばした。ドル指数はドル円上昇の影響が強く、上昇している。ユーロドルは1.13台前半から一時1.12台後半へと下押しされた。欧州株や米株先物は時間外取引は堅調に推移。米債利回りも上昇している。

 NY市場では、米英合意を受けてリスク選好の動きが広がった。為替市場はドル高が強まり、円相場は円安が強まった。その中でドル円は一時146円台に急伸。貿易協定の詳細については、今後数週間に渡り交渉が行われるという。また、トランプ大統領は中国について、協議が順調に行けば、中国への関税引き下げも有り得るとの認識も示したこともムードを押し上げていた。ドル円は145円台での売りオーダーも多数観測されていたが、ストップを巻き込んで上昇。円ロングの解消も活発に出て、ユーロ円やポンド円といったクロス円も急上昇していた。ユーロドルは売りが強まった。ユーロは対ポンドでも下落。これまでドル離れの資金が流入していた分、逆の動きが出ていたようだ。ユーロドルは1.12台前半まで下落し、21日線を下放れる展開。米英が大枠で合意に至ったものの、EUとの協議は難航しているようだ。EUは交渉に失敗した場合に備えて、米国への追加関税を950億ユーロ規模に拡大する計画を明らかにしていた。ポンドドルはNY時間に入って戻り売りに押され、1.32台半ばまで値を落とした。この日は英中銀の金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、それを受けてポンドは買いが強まっていた。ポンドドルは一時1.33台半ばまで上昇する場面があった。

(9日)
 東京市場は、ドル相場が振幅後、ドル安に傾いている。ドル円は、午前に前日高値を小幅に上回る146.19付近まで強含んだが、146円台では上昇が続かず。午後に145.33付近まで下落した。前日のドル高の反動や、明日からの米中貿易交渉を控えた警戒感などが重石となった。ユーロドルは下に往って来い。午前にいったん1.1197付近まで下落したものの、昼にかけてドルが売られて午前の下げを帳消しにした。午後はさらに上値を伸ばし、一時1.1242付近まで強含んだ。ユーロ円は円買い優勢。朝方に前日高値を上回る163.94付近まで強含んだが、午後は一転して163.31付近まで下落。下げ一服後も戻りは鈍く、この日の安値圏で小動きとなった。

 ロンドン市場は、ドル安・円高の動き。東京午前まではドル高・円安の動きがみられたが、東京昼以降は調整が主導、ドル安・円高に流れに転じている。ロンドン朝方にはドル円145.08近辺、ユーロドル1.1260近辺までドル安が進行。ユーロ円は一時163.24近辺まで円買いが入った。しかし、週末の米中貿易協議開始を前に、流れは続かず揉み合い商状に落ち着いている。欧州株が堅調。独DAX指数が最高値を更新している。リスク選好の動きがユーロ円などの下げを一服させた面もあるようだ。ポンドドルは一時1.3279近辺まで上昇。ポンド円は192.36近辺まで下押しされたあと、下げ一服となっている。対ユーロではポンドは振幅も方向性をみせていない。ベイリー英中銀総裁は、「シナリオは金融政策の方向性を示すものではない」「世界的な経済環境は過去に比べて困難な状況が続く可能性高い」などと述べ、金融政策の方向性について明言しなかった。シムカス・リトアニア中銀総裁は「6月のECB利下げが必要」としつつも「6月以降の利下げが7月になるのか9月になるのかは不明」とした。

 NY市場はロンドン市場同様に週末を前にした調整の動きが見られ、ドル円は一時144円83銭を付けた。もっともその後145円30銭台まで反発するなど、ドル安も限定的にとどまっている。週末の米中協議への期待などがドルを支えるもの、状況はまだ不透明との思惑もあって、週末越しのドル買いポジションには慎重な姿勢が見られた。ユーロドルはドル安の流れを受けて1.1293まで一時上昇。1.1300を付けきれず1.1250台まで落とした。ポンドドルも1.3323と東京午前の安値1.3212から110ポイント超の上昇と、ドルは全般に売りが目立っている。ウィリアムズNY連銀総裁がFRBはデータを待つ時間があると、早期の利下げに消極姿勢を示したが、相場への影響は限定的となった。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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