円安とともにドル安に、日銀臨時オペの影響と株式市場持ち直しで=ロンドン為替概況
円安とともにドル安に、日銀臨時オペの影響と株式市場持ち直しで=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円安とともにドル安の動きが優勢。円安は東京午前に日銀が臨時オペを通知し、長期金利の上昇を抑え込んだことが背景。先週末に日銀がYCC柔軟化を打ち出したあとは、円買いよりもむしろ円安が進行しており、週明けもその流れが継続している。ドル円はロンドン朝方に142円台に乗せると、その後も買われて142.50近辺まで高値を伸ばした。クロス円も堅調。ユーロ円は156円付近から157円台乗せ、ポンド円は182円付近から183円台乗せ、豪ドル円は95円台乗せから85.50付近にそれぞれ高値を更新している。序盤に売りが先行した欧州株や米株先物も下げ渋りからプラス圏を回復とリスク選好の動き。中国が不動産支援に加えて消費回復にも意欲を見せたことが好感されているもよう。豪ドル買いの勢いが目立っている。欧州通貨ではユーロ買い・ポンド売りの動きもみられている。ユーロドルが1.10台前半で高値を1.1040付近に伸ばす一方で、ポンドドルは1.2830台から1.2860台での振幅にとどまっている。この日発表されたユーロ圏第2四半期GDPが前期比+0.3%と回復したことや、同7月消費者物価速報でコア前年比が+5.5%と低下予想に反して前回並み高水準にとどまったことなどが材料視されたようだ。
ドル円は142円台前半での取引。東京朝方に140.70近辺を安値に、日銀が臨時オペを通知したことで円売りが勢い付いた。142円手前でロンドン朝方を迎えたが、ロンドン時間に入ると一気に142円台乗せから142.50近辺まで高値を伸ばした。その後もクロス円の堅調とともに142円台を維持している。先週末の日銀決定会合前後の乱高下を経て円安方向に抜け出したことで、円売りポジションの巻き返しが余儀なくされているようだ。
ユーロドルは1.10台前半での取引。東京午後につけた1.1005近辺を安値に、じり高の値動きが続いている。足元では高値を1.1040付近に伸ばしている。ユーロ円は東京朝方の155.11近辺を安値に、ロンドン時間には157.24近辺に高値を伸ばしている。対ポンドでもユーロ買いが優勢。欧州株が持ち直しているリスク動向や、ユーロ圏のGDPの回復、消費者物価速報でのコア前年比の高止まりなどがユーロ相場の下支えとなっているもよう。
ポンドドルは1.28台後半での取引。東京市場では1.2850を挟んだ揉み合い。ロンドン序盤に1.2868近辺、1.2835近辺まで振幅したあとは再び1.2860台に上昇している。ポンド円は東京朝方につけた180.88近辺を安値に、ロンドン時間には183.19近辺まで買われている。ただ、対ユーロでの売り圧力がポンド買いのブレーキとなっており、ユーロポンドは0.8560近辺から0.8590近辺へと上昇している。ユーロ買いの面とともに、木曜日の英MPCでの50bp利上げ観測が後退していることがポンドの重石となる面も指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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