ドル買い一服、前日NY市場でのドル高に調整 日銀発表で大荒れのドル円は139円付近=ロンドン為替概況
ドル買い一服、前日NY市場でのドル高に調整 日銀発表で大荒れのドル円は139円付近=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル買いが一服している。前日NY市場では米GDP速報値など一連の米経済指標が強含んだことを受けてドル買いが強まった。週末のロンドン市場でもドル買いが先行したが、次第にポジション調整的なドル売りが優勢となってきている。ユーロドルは1.09台後半での揉み合いを下放れると一時1.0944近辺に安値を広げた。その後は下げ一服となると反発の流れとなり高値を1.10台乗せへと伸ばしてきている。ポンドドルも東京午後につけた1.2763近辺を安値に、1.27台後半での揉み合いを経て、ロンドン市場では1.28台乗せから1.2870台へと高値を伸ばしている。対ユーロでもポンドは堅調な動き。来週の英金融政策委員会(MPC)での追加利上げが意識されているもよう。ドル円は今日の主役だった。東京昼過ぎの日銀決定会合ではYCCの柔軟化が打ち出された。前日NY時間に関連報道が広がり円買いが強まったあとで、市場は混乱した値動きとなった。139円台から141.07近辺に急伸もすぐに138.07近辺に急反落。その後は買戻しが優勢となりロンドン序盤には140円台を回復する場面があった。その後はドル売り圧力とともに139円付近へと軟化している。植田日銀総裁会見では、緩和継続の基本姿勢を示しつつも、物価上振れ顕在化してからの対応は後手に回り混乱する、と今回の措置導入を説明した。YCCによる長期債上限は事実上0.5%から1.0%に拡大されている。
ドル円は139円付近での取引。日銀決定会合直後に138.07-141.07の3円幅で乱高下したあと、ロンドン市場では138円台前半から一時140円台乗せまで買い戻しが入った。しかし、全般的にドル売りが優勢となるなかで、次第に上値が重くなり139.円付近へと再び軟化している。米10年債利回りは4.04%手前まで上昇したあとは、3.95%台へと低下している。
ユーロドルは1.10付近での取引。前日NY市場で1.11台から1.09台へと下落したあと、ロンドン序盤には1.0944近辺まで一段安となった。その後は米債利回りの低下とともにドル売りに転じると1.10台乗せへと反発している。ユーロ円はドル円とともに155円手前から151円台で激しく上下動したあと、ロンドン市場では値動きが収束。153円付近での取引となっている。対ポンドではユーロ売りが優勢。第2四半期のドイツGDP速報値が前期比横ばいと冴えない結果だったことや、この後に発表されるドイツ消費者物価指数速報値が前回からの伸び鈍化が予想されていることが重石となっているもよう。
ポンドドルは1.28台後半での取引。東京午後につけた1.2763近辺を安値に、ロンドン時間に入ると1.28台乗せから1.2870台へと高値を伸ばしている。前日NY市場での下落に調整が入る形となっている。ポンド円は東京市場で180円台から176円台で振幅したあと、ロンドン時間はじり高の動きとなり179円台を回復してきている。ユーロポンドは軟調。0.8580付近から0.8550付近へと軟化している。ポンド買いにつながる材料は特段みられないが、来週の英金融政策委員会(MPC)での追加利上げ観測がユーロ売り・ポンド買いを促す面も指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。