ドル円は145円を試す動きが続く 米雇用指標が強くドル買い=NY為替概況
ドル円は145円を試す動きが続く 米雇用指標が強くドル買い=NY為替概況
きょうのドル円は上値追いの動きを続け、144.90円近辺まで一時上昇した。朝方発表の米新規失業保険申請件数が米労働市場の強さを示したことでドル買いが強まった。財務省が昨年に円買い介入を実施した145円の水準を試す動きが続いている。
市場は依然として各国中銀の金融格差に焦点を当てた値動きを続けており、前日のECBフォーラムでの植田日銀総裁とパウエルFRB議長の金融政策への格差を再確認したことで、ドル円はさらに勢いづいている格好。財務省の口先介入もあり、ロング勢も上値に慎重にはなっているものの、上値攻めのタイミングを見計らっている面のほうが強いようだ。
ユーロドルは1.08ドル台に値を落とした。21日線が1.08ドル台半ばに来ており、目先の下値メドとして意識される。7月のECB理事会での利上げはほぼ各確実視されているものの、9月については意見が分かれている。この先の経済指標でどちらにも変化しそうな状況だが、その意味では明日の6月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)はヒントの1つを与えてくれそうだ。
総合指数はエネルギー価格の下落から鈍化が見込まれているものの、ECBが注視しているコアインフレは高水準が続くことが予想される。一部からは、現行の高水準が夏まで続くようであれば、9月利上げの可能性はより高まるとみられている。
*ユーロ圏消費者物価指数(速報値)(6月)30日18:00
予想 5.6% 前回 6.1%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.0%(前月比)
予想 5.5% 前回 5.3%(コア・前年比)
ポンドドルは一時1.26ドルを割り込む場面が見られた。いまのところ1.26ドル台は維持されており、本日1.2635ドル付近に来ている21日線の水準は若干下回っているものの、概ね水準は維持している。
市場では英中銀の利上げ期待が高まっており、年内に計1.00%ポイントの利上げを織り込む動きも見られている。しかし、過度な利上げが英経済の圧迫するとの見方が市場に広まっており、ポンドは逆にネガティブな反応を示している。
一部のアナリストからはポンドに強気な見方も出ている。なお魅力的なバリュエーションと、根強い英インフレによりタカ派姿勢を強めている英中銀に支えられ、今後12カ月間、ポンドはさらに上昇する可能性が高いと指摘。そのため、ポンドドルの下げは新規ロング追加の絶好の機会だと指摘。ポンドドルは来年の今頃、1.38ドルまで上昇する可能性があるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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