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為替相場まとめ1月30日から2月3日の週

為替 

 30日からの週は、米英欧と主要中銀の金融政策が発表された。米FOMCでは25bp利上げ、英中銀とECBはそれぞれ50bp利上げが発表された。事前の市場の見通しと一致した。ただ、いずれも通貨も発表後に売りの反応を示しており、タカ派方向に織り込んだ向きのポジション調整がみられたもよう。いずれも中銀も足元のインフレを抑制する姿勢は崩しておらず、今後も利上げを継続ことが示された。ただ、インフレ鈍化の兆候や景気減速への警戒感の度合いは増してきており、あと数回での利上げ停止が見通せる状況にもなってきているようだ。特に英国ではその兆候がみられていた。局面ごとにはドル買いが入ったが、昨年後半からのドル安の流れの大枠には目立った変化はみられていない。ドル円は130円台から128円台へと軟化。ユーロドルは1.08台から一時1.10台乗せのあと、1.09付近へと上下動。ポンドドルは1.23台から一時1.24付近の上昇したあと1.22付近に下落と振幅。ドル指数は昨年4月以来の低水準に一時低下した。週末の米雇用統計は衝撃的な数字が発表され、雰囲気を一変させている。1月分の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が51.7万人増と予想(19万人増)を大きく上回ったほか、失業率も3.4%に低下した。NFPは前回分も上方修正されている。注目の平均時給もなお高い水準。ドル安を見込んでいたショート勢からの買い戻しが強まり、ドル円も131円台に急伸した。


(30日)
 東京市場では、一時円買いが強まる場面があった。ドル円は129円台後半から130.29近辺まで買われ、午前は円売りが優勢。仲値関連の買いや日経平均の上昇を背景に、ドル円、クロス円が上昇した。午後に入ると一気に円高の動きに転じた。令和臨調(令和国民会議)が政府・日銀に新たな共同声明を出すように提言したことに反応した。ドル円は129.21近辺まで高値から1円超下落。ユーロ円は141.60台の高値から140.50台まで反落。その後は、円買いは一服した。

 ロンドン市場は、ユーロ買いが優勢。今週は米英欧の中央銀行がそれぞれ金融政策を発表する予定になっており、市場は経済動向、特にインフレ動向に敏感に反応している。この日発表された1月スペイン消費者物価指数でコア前年比が+7.5%と前回の+7.0%から一段と上昇し、ユーロ買いの反応が広がっている。市場では根強いインフレ動向に今週のECB理事会での50bp利上げへの思惑がより一層高まっているもよう。ユーロ圏景況感の一段の回復の動きも後押しした。一方、第4四半期ドイツGDP速報値は前月比-0.2%と大方の市場予想変わらずから下振れしたが、ユーロ売り反応はほどんとみられなかった。ユーロドルは1.0850付近から1.09台乗せへと上昇。ユーロ円も140.50台まで下げたあと、流れが反転して141円台後半へと上伸した。対ポンドでもユーロ買いが先行。ポンドドルはユーロドルに追随する格好で1.24台乗せ、ポンド円は161円台乗せへと上昇している。ドル円も一時130円台を回復。米債利回り上昇、クロス円の上昇が下支えとなったほか、黒田日銀総裁が緩和継続姿勢を堅持したことが東京午後の下げを戻す動きにつながったもよう。

 NY市場では、ドルが買い戻された。ドル円は130円台半ばまで上昇した。ユーロドルは1.09台に上昇していたものの、その水準は維持できずに1.08台半ばまで伸び悩む展開。ポンドドルは1.23台半ばに下落した。全般的に方向性がみいだせない振幅している。為替市場はこのところのレンジ内での値動きに終始している状況だが、今週のFOMCやECB理事会、英中銀政策委員会、そして、米雇用統計など重要イベントが目白押しの中、結果を受けた市場の反応を待ちたい姿勢のようだ。市場ではFRBの25bp利上げ、ECBと英中銀の50bp利上げをそれぞれ織り込んできている。

(31日)
 東京市場では、NZドルが売られる場面があった。アーダーン前首相の退任をうけて就任したヒプキンス新首相が新体制を発表。焦点となっていたロバートソン財務相の留任が決定したことを嫌気した売りが出ていた。同財務相の緊縮政策姿勢が警戒された。NZドルは対ドルで午前の0.6470台から0.6430台を付けている。ドル円は午前中は円買いに押されて130円台半ばから130.06近辺まで下落。午後には130.30台に反発と方向性に欠ける振幅だった。ユーロドルは1.0850を挟んだレンジ取引。昨日は1.09台をつけたが、節目の1.10は遠く、調整が入った格好。

 ロンドン市場は、ドル買いと円買いが優勢。欧州株、米株先物はともにマイナス圏で推移と調整の動き。イベント前で明確な材料に欠けていることや月末相場でもあって、通貨ごとに値動きはまちまちな面があった。ドル円は130円手前まで下押しされたあとは130.50手前まで買い戻されている。ユーロ円も141円を挟んで同様の動き。ポンド円は161円が重く160円台前半に下落し、戻りは限定的。豪ドル円は原油や金など資源安もあってリスク回避の売り圧力に押され続けた。対円で91円台前半へと下落。ユーロドルは1.08台半ばから1.08台割れ目前まで下げたが、大台割れは回避されている。ポンドドルは1.23台後半から1.2310付近まで下落し上値重く推移。豪ドル/ドルは0.70台前半から足元で0.70台割れと売られ続けている。第4四半期ユーロ圏GDP速報値は前期比+0.1%と事前予想のマイナスは回避した。1月独失業者数は予想外の減少、失業率も6カ月連続で5.5%で安定していた。一方、ECB信用調査では、第4四半期に続いて第1四半期も銀行による信用基準の引き締めが継続するとした。英クレジット残高や住宅ローン承認件数の減少も高インフレ、金利高の影響を鮮明に示していた。
 
 NY市場では、ドル売りが先行した。朝方発表の米雇用コスト指数が3四半期連続で伸びが鈍化したことに敏感に反応。きょうは月末とあって、インフレ鈍化の期待を示す指標を機にポジション調整のドル売りが活発に出た面も。ドル円は一時129円台に下落。ただ、取引後半には130円台に戻している。ユーロドルは買い戻しがみられた。ロンドン時間には1.08ちょうど付近まで下落したが、1.07台後半の21日線にサポートされる形でNY時間には1.08台後半へと買われた。ECB理事会では50bp利上げが確実視されており、3月以降のシグナルの強さに注目が移行していたようだ。ポンドドルは一時1.22台に値を落とす場面があった。ドル売りが優勢のなかではポンドは弱い動き。今週の英MPCでは50bp利上げが織り込まれているが、英住宅市場のリスクが増すなかで今後の追加利上げには市場から疑問が呈されていた。
 
(1日)
 東京市場で、ドル円は130円を挟んだ振幅に終始した。130.10台から129.80台まで軟化したあとは130円台を回復、午後には130.30台まで買われた。今晩の米FOMC会合では25bp利上げがほぼ確定的で、パウエル議長の会見や声明が注目されている。その他の通貨も方向性をみせず、落ち着いた動き。ユーロドルは1.0582-75の23ポイントレンジにとどまっている。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米債利回りの低下、米株先物の軟調な動きなどを受けてドル安とともに円高の動きに。ドル円はロンドン朝方には130.41近辺に高値を伸ばした。しかし、米10年債利回りが3.51%付近から3.46%台に低下する動きや米株先物が前日高の調整に軟調なことなどで130円台割れから129.70台まで下押しされた。ユーロドルはドル売り圧力でじり高となり、高値を1.09手前へと伸ばしている。ポンドドルは1.23台前半での揉み合いと方向性に欠ける動き。クロス円はドル円と同様に下落に転じており、ユーロ円は141円台後半から141円台前半へ、ポンド円は160円台後半から一時160円台割れへと軟化。ユーロ圏消費者物価速報は前年比+8.5%と前回の+9.2から%から伸びが大幅鈍化した。一方、コア前年比は+5.2%と前回から引き続い過去最高水準にとどまった。ユーロ圏失業率は6.6%の低水準を維持した。

 NY市場では、取引後半にドル売りが加速した。午後にFOMCの結果が発表され、FRBは大方の予想通りに利上げ幅を0.25%ポイントに縮小して来た。その後のパウエル議長の会見を受けてドル売りが加速している。議長の会見はタカ派姿勢の継続は強調していたものの、停止まであと2回の利上げを検討していることや、利上げ停止後に再開する選択肢は検討していないこと、そして、財のディスインフレ過程は始まっていることなどに言及していた。タカ派な会見ではあったものの、思ったほどではないといった印象だ。議長は年内の利下げ観測を否定していたが、本日の会見を受けても、市場は年内利下げ期待を変えていない。ドル円は129円台後半へ買われる場面があったが、その後は128円台半ばまで急落した。ユーロドルは一時1.09台割れも、その後は1.10台乗せまで急伸。1.10台は昨年4月以来の高値水準。ポンドドルは1.22台後半に下押しされたあと、一気に1.23台後半へと買われた。

(2日)
 東京市場は、ドル売り先行のあと値動き一服。ドル円は前日のドル安の流れを受けて米債利回り低下とともに下値を広げた。朝方には1月19日以来およそ2週間ぶりの安値水準となる128.18付近まで一時下落した。しかし、その後は米10年債利回りの低下が一服したことなどから下げ渋り、午後は128円台半ばでの取引に落ち着いた。ユーロ円も141円台後半から141.20台まで下落したあと141円台後半に戻した。ユーロドルは前日の上昇のあと高止まり。朝方にドル安の流れを受けて、昨年4月以来およそ10カ月ぶりの高値水準となる1.1033付近まで上昇した。午後に入ってもこの日の高値圏を維持しており、1.10台前半で揉み合いとなった。英欧中銀金融政策発表を控えて、取引後半は模様眺めとなった。

 ロンドン市場は、ドルが買い戻されている。前日の米FOMCでは予想通り25bp利上げが発表され、従来から利上げ幅が縮小した。パウエルFRB議長会見ではインフレ抑制のための利上げ継続が謳われたが、インフレ鈍化の兆候が見られ始めている点が歓迎されていた。市場では債券利回り低下、株高、ドル安の動きが広がった経緯がある。東京市場でも一段のドル安の動きがみられたあと、ロンドン時間に入ると買戻しの動きが入っている。ドル円は128円台後半から一時129円台乗せ、ユーロドルは1.10台割れから1.0980付近へと下押し。ポンドドルの下げがきつく、1.24台手前から1.2310付近へと比較的大幅の下げとなっている。ユーロ円が141円台後半を中心に底堅く推移する一方、ポンド円は159円台半ばから158円台後半へと下落して本日安値を更新している。ユーロ対ポンドでも明確にポンドが売られている。このあとに英中銀とECBが金融政策を発表する。いずれも50bp利上げ観測が広がっている。

 NY市場では、ドルの買い戻しが強まった。きょうのECB理事会、英中銀金融政策委員会(MPC)を終え、今週の主要中銀の政策会合は一通り出揃った。ECBや英中銀は利上げに向けたタカ派姿勢を堅持する一方、FRBはあと2回の利上げで今回の利上げサイクル終了の可能性も示唆し、方向感に違いも出ている。明日の米雇用統計の発表を前にポジション調整や材料出尽くし感からのドルのショートカバーが出たのかもしれない。英中銀が金融政策委員会(MPC)は大方の予想通りに50bpの大幅利上げを打ち出し、追加利上げの必要性にも言及した。ただ、ポンドは売りの反応を示した。市場からは、英中銀が声明で弱気な景気見通しに言及したことがポンド売りを誘ったとの指摘も出ている。英経済はパンデミックやEU離脱前よりも縮小したままで、英中銀も景気後退を予想。英中銀はこの状態は2026年まで続くと見ているとも述べていた。ECB理事会では大方の予想通りに50bpの大幅利上げを実施した。声明では3月も50bpの利上げの意向を明確にした。ラガルドECB総裁は「短期的には弱い状態が続く見通し。インフレ見通しに対するリスクはより均衡した」としており、ユーロ売りに反応した。ユーロドルは一時1.08台に下落。ポンドドルは1.22台へと下げ幅を拡大。ドル円は128円で振幅したあと128円台後半に落ち着いた。

(3日)
 東京市場は、静かな取引。一昨日の米FOMC、昨日の英中銀とECBの金融政策発表を通過したあと、今晩の米雇用統計を控えており、動意に欠ける展開が続いた。ドル円は128円台での取引に終始しており、レンジは128.45から128.83までにとどまっている。ユーロ円は昨日のECB理事会後に売られたあと、140.50付近で上値を抑えられており、午後には139.94近辺まで一時軟化。その後は140円台をかろうじて回復して揉み合っている。ユーロドルは前日からの安値圏で底這い。レンジは1.0888から1.0912と限定的な値動き。

 ロンドン市場は、欧州通貨が買い戻されている。前日の海外市場ではドル買いに押されてユーロドルやポンドドルが下落したが、きょうは米雇用統計発表を控えて調整が入っている。ユーロドルは1.0882近辺、ポンドドルは1.2183近辺まで安値を広げたあとは、買い戻されている。ユーロドルは1.0937近辺、ポンドドルは1.2266近辺まで反発した。ドル円が128.40台から128.70台で揉み合いとなるなか、ユーロ円は140円付近から140.50台まで、ポンド円は156.70付近から157.60付近まで反発している。米IT大手決算が冴えなかったことで米株先物、特にナスダック先物が下落している。欧州株も連れ安となっている。ただ、為替市場では特段のリスク回避の動きはみられていない。前日のECB理事会では次回3月も50bp利上げを実施することが示唆されたが、今日の一連のECB高官の発言からも追認する内容が相次いだ。ECB経済報告では2023・24年のインフレ予測が引き上げられた。一方、英中銀チーフエコノミストは、年内にインフレが低下、利上げの行き過ぎを戒めていた。

 NY市場はドルが急伸。ドル円も買い戻しが強まり131円台に急伸した。この日発表の米雇用統計の衝撃的な数字が前日までの市場の雰囲気を一変させている。1月分の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が51.7万人増と予想(19万人増)を大きく上回ったほか、失業率も3.4%に低下した。NFPは前回分も上方修正されている。注目の平均時給もなお高い水準。ドル安を見込んでいたショート勢からの買い戻しが強まり、ドル円は本日安値から280ポイント超急伸する場面も見られた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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