FX/為替「ドル/円は日銀の対応がカギに ひとまず買戻しも」 外為どっとコム トゥデイ 2023年1月16日号

主要通貨ペア（ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円）について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時　：2023年1月16日8時50分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所　調査部長　神田卓也

目次

▼13日（金）の為替相場
（１）：中国12月貿易収支 市場予想を上回る黒字
（２）：英11月GDP 予想に反しプラスの結果
（３）：日銀 10年債利回り上限超えへの対応
（４）：米1月ミシガン大消費者態度指数・速報値発表

▼13日（金）の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し：日銀の対応がカギ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

13日（金）の為替相場

期間：13日（金）午前7時10分～14日（土）午前6時55分　※チャートは30分足（日本時間表示）　出所：外為どっとコム

（１）：中国12月貿易収支 市場予想を上回る黒字

中国12月貿易収支は780.1億ドルの黒字。黒字額は市場予想（769.0億ドル）を上回った。輸出が前年比-9.9％、輸入が-7.5％と低調だったものの、いずれも市場予想（-11.1％、-10.0％）は上回った。

（２）：英11月GDP 予想に反しプラスの結果

英11月国内総生産（GDP）は前月比+0.1％と予想（-0.2％）を上回った。英11月鉱工業生産は前月比-0.2％で予想と一致。英11月貿易収支は156.23億ポンドの赤字となり、赤字額は予想（149.00億ポンド）より大きかった。

（３）：日銀 10年債利回り上限超えへの対応

日銀は10年債利回りが許容変動幅の上限である0.50％を超えたことへの対応として「今後も市場の動向等を踏まえつつ、機動的に長期国債買い入れを実施する」「16日に追加で長期国債買い入れを実施」と発表。ただ、市場の反応は限定的であった。

（４）：米1月ミシガン大消費者態度指数・速報値発表

米1月ミシガン大消費者態度指数・速報値は64.6と前月（59.7）から上昇し、予想（60.7）を上回った。消費者の期待インフレ率は（5-10年）は3.0％となり前月（2.9％）から上昇したものの、1年先の期待インフレ率が4.0％と前月（4.4％）から低下した。その後、ドル/円は2021年5月以来となる127.44円前後まで下落した。

13日（金）の株・債券・商品市場

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し：日銀の対応がカギ

13日のドル/円は終値ベースで約1.1％下落。日銀の緩和修正期待で円買いが強まる中、127.44円前後まで続落して昨年5月30日以来の安値を付けた。

本日は米国が休みとあって、投機的な円買いは勢いが鈍りそうだ。そうした中で、長期金利上昇に対する日銀の対応がカギとなろう。本邦10年債利回りは13日、イールドカーブ・コントロール（YCC）の許容上限金利である0.50％を突破した。日銀が臨時オペなどを駆使して、YCC再修正の催促と見られる市場の動きを抑え込みにかかるか注目したい。

日銀の対応で本邦10年債利回りが0.50％を下回る水準に押し戻されるようなら、明日からの日銀金融政策決定会合を前に、ドル/円はひとまず買戻しが強まる公算が大きい。

注目の経済指標：特になし

特になし

注目のイベント：ベイリーBOE総裁議会証言

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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長　上席研究員
神田 卓也（かんだ・たくや）
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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