【これからの見通し】ドル円相場に視線集まる、米CPI後のドル売りに日銀政策修正への思惑で
【これからの見通し】ドル円相場に視線集まる、米CPI後のドル売りに日銀政策修正への思惑で
市場の関心は前日の米消費者物価指数から来週の日銀金融政策決定会合へと移っている。米消費者物価指数は事前予想通りの伸び減速となった。初動ではドル相場は神経質に上下動も、結局はドル安方向に振れている。米国のインフレ鈍化傾向がより鮮明になったことを受けて、2月FOMCでの25bp利上げ観測はほぼ確定的になっている。
昨日のマーケットではドル円が132円台半ばから128円台後半まで大幅に下落した。米CPIに加えて日銀の金融政策修正への思惑が高まった点も強かったようだ。「日銀が来週の会合で大規模金融緩和に伴う副作用を点検する」との一部報道に反応した。
きょうの東京市場では10年債利回りが一時0.545%に上昇、日銀のYCC上限0.5%を上回った。前回の決定会合で日銀はYCC変動幅の拡大を発表しており、来週の会合でも拡大もしくは撤廃との思惑が広がることとなっている。ドル円相場は一時128.60台まで一段と安値を広げた。足元では129円台前半で値動きは一服しているが、この後の海外市場でも変動がみられそうだ。ドル円の1週間ボラティリティーは21%台へと上昇しており、市場が円高方向への変動期待を高めていることが示されている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英鉱工業生産指数(11月)、英製造業生産高(11月)、英貿易収支(11月)、英月次GDP(11月)、ユーロ圏鉱工業生産指数(11月)、ユーロ圏貿易収支(11月)、米輸入物価指数(12月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(1月)など。
発言イベント関連は、ウィリアムズNY連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。また、米主要企業決算発表が本格化している。きょうは、JPモルガン、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ、ブラックロック、シティ、デルタ航空など。一連の大手金融機関の決算発表が注目されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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