ユーロドルは次のアクション待ちの中、上に出るとの見方が優勢=NY為替
きょうもユーロドルは底堅い値動きが続いており、1.06ドル台後半での推移となっている。とは言え、1.06ドル台での上下動に変化なく、次のアクション待ちの面も大きい。市場では上に出る可能性が高いと見ており、目先は1.10ドルを目指すとの見方が優勢のようだ。
来週は6日に12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が公表される。エコノミストはユーロ圏の史上最悪のインフレは恐らく一息ついて終わっただろうと予想している。12月のHICPは総合指数で9.5%への鈍化を見込んでいる。一方、コア指数については過去最高の5%を維持すると予想。
ECBは11月のHICPが予想以上に鈍化を示した後に、利上げペースを0.50%ポイントに緩めた。しかし、予想以上にタカ派姿勢を強調し、追加利上げを約束する決定を下した。ラガルド総裁は0.50%ポイントの利上げをもう2回実施する可能性にも言及していた。
11月分のHICPは物価ショックが和らいでいる可能性を示唆していたものの、ECBは警戒感を市場に植え付けようとしている。ECBの首席エコノミストのレーン委員は「すでにピークなのか、来年初めにピークを迎えるのかはなお不確実」と述べていた。 ECBは2月2日の理事会までに、12月分と1月分(速報値)の2カ月分を確認できる。
ユーロドルは9月安値からリバウンド相場が強まり、200日線を上放れている。テクニカル的には2021年の6月以降1年半続いた下げトレンドに終了のサインが点灯している状況。ドル高に限界が見られているほか、上記のようにECBのタカ派姿勢がユーロの買い戻しを支えているようだ。
EUR/USD 1.0688 EUR/JPY 140.88 EUR/GBP 0.8869
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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