ドル買い戻しが加速 今週の重要イベントにタカ派的観測も=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場はドル買いが加速し、ドル円は一時139円台に戻したほか、欧州通貨は下げ幅を拡大した。特にポンドドルは1.20ドルを割り込んだ。

 ロンドン時間はドル売りが優勢となり、ドル円も137円台半ばまで値を落としていた。しかし、NY時間に入って一時139円台まで買い戻される展開。一方、中国で実施されているゼロコロナ政策に対して北京や上海などの大都市で大規模な抗議活動が続いており、それを嫌気した円高の動きも出ており、ユーロ円やポンド円といったクロス円は下落している。

 今週は重要イベント目白押しの週だが、それを巡ってタカ派的な観測も出ている模様。経済指標では米雇用統計が週末に発表になるほか、水曜日にパウエルFRB議長の講演が予定されている。パウエル議長は追加利上げの必要性を改めて強調する可能性があり、それがドルを下支えするとの見方も出ている。ただ、議長は利上げスピード減速とターミナルレート(最終着地点)が従来よりも高くなると警告した前回FOMCでのメッセージと同様の内容を伝える可能性もありそうだ。

 一部からは「パウエル議長の発言はドルをサポートする可能性がある。しかし、最近の値動きに見られるように、市場参加者は、米インフレがピークに達し、成長が減速するという確信を反映し、米金利がさらに上昇するリスクを見過ごそうとする傾向が出ている。議長の講演を受けて本格的なドル高の流れに戻るかどうかは未知数だ」との声も聞かれる。

 一方、米経済指標は木曜日にコアPCEデフレータ、金曜日に米雇用統計が発表され、それらはパウエル議長のタカ派レトリックを支持し、米国債利回りとドルを再び上昇させる可能性があるとの見方も出ている。

 ユーロドルは1.03ドル台前半まで下落。きょうの下げで200日線を割り込む動きが見られ、明日以降の動きが警戒される。市場では12月ECB理事会の利上げ幅を巡って見方が二分している。確率的には0.50%ポイントが60%、0.75%が40%といったところ。今週はユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値の発表が予定されており、それが大きなヒントを与えてくれるかもしれない。

 いずれにしろ、ECBは利上げを継続する可能性が高い。しかし、それはユーロに恩恵をもたらさないとの見方も多い。先週、シュナーベルECB専務理事が示したように、ECBは0.75%ポイントの利上げを継続する可能性もある。しかし、それが必ずしもユーロを支援することにはならないとも専務理事は述べていた。景気後退が待ち構える中、地政学的リスクも制御不能の状態。利上げは2023年の高インフレとリセッション(景気後退)とが重なるスタグフレーションを招く可能性があり、金融政策が効果を反映するには時間が必要な中、その間にもエネルギーコスト上昇が物価に転嫁され、インフレは持続するという。

 ポンドドルはロンドン時間に1.21ドル台まで上昇していたが、1.20ドルを割り込んでいる。1.19ドル台半ばまで下落。

 先週は1.2175ドル付近に来ている200日線を試しそうな気配が見られたものの、それは達成できていない。逆に目先は下値警戒感が高まる展開。ポンドドルには慎重な見方が根強く、現在の上昇は続かないとの見方は多い。世界的な景気後退と英国の経常赤字を考慮すると、ドルに対するポンドの上昇は長続きしないという。世界的に国債市場は逆イールドを示現しており、景気後退の前触れとも取れる。その中で、巨額の経常赤字を抱えるポンドは脆弱な状態が続くと考えるべきだという。

 200日線が控える1.2175ドル付近、または、2021-22年の下降波のフィボナッチ50%戻しの1.23ドルちょうど付近で、新規の売りオーダーが強まる可能性があるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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