FX/為替「1ドル=149円に続伸 32年ぶり高値で介入警戒感も一段高」 外為トゥデイ 2022年10月18日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年10月18日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼17日(月)の為替相場
(1):本邦要人 円安けん制発言
(2):英政権 税制計画を撤回すると発表
(3):米NY連銀製造業景気指数 予想下回る
(4):リスク・オンでドルと円が売られる
(5):ドル/円 1990年8月以来の149円台
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:海外市場で150円を目指すか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(月)の為替相場
期間:17日(月)午前7時00分~18日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦要人 円安けん制発言
鈴木財務相は為替相場について「投機等によって過度な変動があった場合には、断固たる措置を取る考えにいささかも変わりない」と市場をけん制。神田財務官も「国際合意の下で過度な変動にしっかりと対応していく」と語った。
(2):英政権 税制計画を撤回すると発表
英国のハント新財務相は、9月23日にクワーテング前財務相が示した税制計画を撤回すると発表。トラス政権が打ち出していた450億ポンド規模の経済対策は大部分が撤回されることになった。これを受けて英国の財政不安が緩和するとポンド買いが優勢となった。
(3):米NY連銀製造業景気指数 予想下回る
米10月NY連銀製造業景気指数が-9.1と予想(-4.3)を下回ったことでドル売りに傾く場面もあったが、ドル/円の下値は堅かった。
(4):リスク・オンでドルと円が売られる
英国の財政不安が和らいだことや、バンク・オブ・アメリカの7-9月期決算が堅調だったことから米国株が上昇。リスク・オンの動きが強まりドルと円が売られる中、クロス円はポンド/円主導で上伸した。
(5):ドル/円 1990年8月以来の149円台
株高などを背景に米10年債利回りが4.0%台を回復して上昇する中、ドル/円は1990年8月以来となる149.08円前後まで上値を伸ばした。
17日(月)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:海外市場で150円を目指すか
昨日のドル/円は9連騰で149円台へ上伸。英政権が経済対策案を抜本的に修正したことで財政不安が緩和したほか、米大手銀行の好決算で市場心理が改善した。NY市場終盤には、円売り主導で1990年以来32年ぶりに149.08円前後まで上値を伸ばした。
節目の1ドル=150円を完全に視界に捉えた格好だが、同時に政府・日銀による円買い介入への警戒感も一段と高まっている。介入では為替相場のトレンドを変えられないとの見方は根強く、ましてや介入警戒感でドル/円が自律的に大きく下落する公算は小さい。
しかし、いざ実際に介入が入れば一時的にせよ2~3円程度の急落は避けられないだろう。このため、東京市場では上値追いに慎重にならざるを得ない。150円に向けた上昇があるとすれば、介入警戒感がやや薄れる海外市場でということになりそうだ。
注目の経済指標:米9月鉱工業生産
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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