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FX/為替「ドル/円150円も視野 円買い介入警戒感との綱引き」 外為トゥデイ 2022年10月17日号

マネ育チャンネル 

外為トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年10月17日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼14日(金)の為替相場
(1):日銀総裁 金利を引き上げる必要ないとの認識
(2):米9月小売売上高発表
(3):ウクライナ情勢を巡る警戒感後退
(4):英首相 クワーテング財務相を更迭
(5):米5-10年期待インフレ率 予想上回る

▼14日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150円も視野に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

14日(金)の為替相場

期間:14日(金)午前6時10分~15日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀総裁 金利を引き上げる必要ないとの認識

黒田日銀総裁はG20 財務相・中央銀行総裁会議で「日本の物価動向や政策対応について説明した」ことを明らかにした。また「来年度以降のコアCPIは2%を下回る」とし「経済物価に対して適切な金利を考えると引き上げる必要はない」との認識を示した。その後、鈴木財務相は「投機による過度な変動は容認できない」「為替市場の動向を高い緊張感をもって注視」と円安けん制発言を行ったものの市場の反応は限定的であった。

(2):米9月小売売上高発表

米9月小売売上高は前月比±0.0%と予想(+0.2%)を下回った。ただ、自動車を除いた売上高は前月比+0.1%と予想(-0.1%)に反して増加。自動車とガソリンを除けば+0.3%だった(予想+0.2%)。

(3):ウクライナ情勢を巡る警戒感後退

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナとの戦争については「大規模な攻撃は今のところ計画していない」「ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある」「2週間以内に軍事動員を終了する予定」と述べた。ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退したとの見方からユーロの買い戻しが優勢となった。

(4):英首相 クワーテング財務相を更迭

トラス英首相はクワーテング財務相を更迭し、後任にハント氏を指名。直後に「法人税引き上げ凍結を撤回する」と表明した。なお、財政計画については「ハント新財務相が月末に発表する」とした。

(5):米5-10年期待インフレ率 予想上回る

米10月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は59.8と予想(58.8)を上回った。5-10年期待インフレ率も予想(2.8%)を上回る2.9%となり、前月の2.7%から上昇した。これを受け米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げが続くとの見方が強まり、ドル買いが優勢となった。その後、ドル/円は148.86円前後まで上昇し1990年8月以来32年ぶりの高値をつけた。

14日(金)の株・債券・商品市場

外為注文情報

<外為注文情報はこちら>

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

本日の見通し

ドル/円の見通し:150円も視野に

14日のドル/円は、148円台へ上伸して32年ぶり高値を連日で更新。米10月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値の期待インフレ率が上昇したことを受けて1990年8月以来の148.86円前後まで上値を伸ばした。インフレ期待の上昇により米連邦準備制度理事会(FRB)は、当面引き締めのペースを落とせないとの見方が広がった。

なお、パウエルFRB議長は今年9月の講演で「インフレが目標を大きく上回る期間が長引けば、それだけ国民が経済的な意思決定にインフレ高進を自然と組み入れ始めるという懸念は大きくなる」としてインフレ期待を抑制することが重要だと指摘した。FRBの積極的な引き締め継続を巡る観測を背景にドル/円は本日も上値試しの展開が続く可能性がある。149円台に乗せれば、市場は否が応でも1ドル=150円の節目を意識することになるだろう。

ただし、本邦財務省・日銀による円買い介入第2弾発動の可能性が高まっている点には注意が必要だろう。足元で財務相や財務官から「断固たる措置をとる用意がある」との発言が続いており、当局は円買い介入の準備ができているものと思われる。もし、介入第2弾が発動されれば、約5円急落した第1弾ほどではないにせよ一時的にドル安・円高に振れる公算が大きい。

注目の経済指標

特になし

注目のイベント:豪RBA議事録

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kanda.jpg株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

マネ育チャンネル:外為どっとコム

執筆者 マネ育チャンネル

執筆者 : マネ育チャンネル|外為どっとコム

マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。

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