ドルの戻り売り強まる 米国債利回りが急低下=NY為替概況

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 きょうのNY為替市場、きょうから第4四半期入りとなる中、ドル売りが強まった。米国債利回りが急低下し、ドルも連れ安となった模様。この日発表のISM製造業景気指数が景気後退を示唆する弱い内容となったこともドルの戻り売りを加速させていた。日本の財務省の為替介入への警戒感がある中、ロンドン時間にドル円は9月22日の介入時以来の145円台を回復していたが、NY時間に入って一時144円台前半まで伸び悩んだ。ただ、底堅さは堅持しており、144円台をしっかりと維持する展開。

 FRBが予想以上にタカ派色を強めており、場合によっては、ハ-ドランディングも止む無しとの姿勢を強調している。その雰囲気の中で米国債利回りの上昇と伴に、ドルも買いが強まっていた。FRBのタカ派姿勢や景気後退への警戒感に伴うファンド勢のポジション調整も9月に活発に出ていた。その動きもきょうは一段落しているのかしれない。

 ただ、先行きに慎重な見方は根強い。「第4四半期もインフレ上昇とそれが経済にとってどのような意味を持つかにかかわらず、物価上昇を止めようとするFRBの存在が市場の重荷になる。ある種の救済措置が取られる可能性はあるが、現時点での基本的なトレンドは依然として、金融政策の格差拡大とリスク回避のドル高であり、波乱含みの展開が続く」との指摘も出ている。しかし、「行き過ぎの状況は否めず、何らかのニュースが出れば、ドルは短期的に売られる局面はある」という。

 ユーロドルは買い戻しが加速し、0.98ドル台を回復。目先は0.9850ドルと21日線が控える0.9890ドル付近に上値レジスタンスがあり意識される。

 先週発表の9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値で、総合指数が前年比10.0%とインフレが予想以上に上昇したことで、10月末のECB理事会での大胆な動きへの圧力が強まっている。0.75%の利上げが確実視されている状況。エネルギーと食品価格の上昇が依然としてインフレの主因だが、エネルギー価格上昇の2次的影響も出ており、エネルギーと食品を除いたコアインフレもかなりの上昇を続けている。そのような中、ユーロ圏の中央銀行の間では、GDPが一時的にマイナス成長に陥っても、そのコストを受け入れる用意があるとの見方が強まっている。

 ポンドドルも買い戻しが加速し、1.13ドル台を回復。先週は波乱のポンドだったが、英中銀の英国債市場への介入でひとまず安心感が広がり、ポンドは買い戻しが続いている。本日は21日線が控える1.13ドルちょうどの水準まで一気に到達している。きょうはトラス首相が英最高税率の引き下げを撤回したこともポンド買戻しをサポートしているようだ

 しかし、市場からは、英政府が所得税の最高税率引き下げ計画を撤回したことでポンドは買い戻されているが、危機を脱したとは言い難いとの声も聞かれる。最高税率の引き下げに伴う財政措置の規模は約20億ポンドで、9月23日に発表された450億ポンドの財政措置の中では控えめなものだと指摘。さらに、英中銀の英国債安定化の介入は10月14日に終了し、市場は来年度の英国債発行の重さにさらされることになるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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