FX/為替「ドル/円、米ISM製造業景況指数の結果次第で荒い値動き続く見通し」 外為トゥデイ 2022年8月1日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月1日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(金)の為替相場
(1):豪4-6月期PPI 2008年以来の高い伸び
(2):ドル/円急落 133円台を割り込む
(3):独4-6月期GDP 予想下回る
(4):米個人消費支出 予想上回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ISM製造業景況発表後の動向に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(金)の為替相場
期間:29日(金)午前6時10分~30日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪4-6月期PPI 2008年以来の高い伸び
豪4-6月期生産者物価指数は前年比+5.6%と1-3月期の+4.9%から加速して2008年以来の高い伸びとなとなった。
(2):ドル/円急落 133円台を割り込む
米国の景気減速懸念や利上げペース鈍化観測を背景にドル売り・円買いが継続。ドル/円は134.00円の節目を下抜けて短期筋のストップロスを誘発すると、一気に133円台も割り込んだ。クロス円もドル/円の急落につれて下落した。
(3):独4-6月期GDP 予想下回る
独4-6月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比±0.0%と予想(+0.1%)を下回り、1-3月期(+0.8%)から減速した。一方、その後に発表されたユーロ圏4-6月期GDP・速報値は前期比+0.7%と予想(+0.2%)を上回り1-3月期(+0.5%)から加速した。ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+8.9%と予想(+8.7)を上回り過去最高の水準へと伸びが加速した。
(4):米個人消費支出 予想上回る
米6月個人消費支出(PCE)は前月比+1.1%と予想(+1.0%)を上回った。同PCE物価指数(デフレーター)も前月比+1.0%、前年比+6.8%と予想(+0.9%、+6.8%)以上の伸びとなった。前年比の上昇率は約40年以来の高水準を記録。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.8%と予想(+4.7%)を上回った。急激な利上げによる米国の景気後退が懸念されているものの、インフレは高い水準で続いていることが明らかとなった。これを受けドルの買戻しが強まる場面もあったが、一巡後は月末のロンドン・フィキシング(24時)に向けて再びドル売りに傾いた。
29日(金)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:ISM製造業景況発表後の動向に注目
29日のドル/円は終値ベースで約0.7%下落した。米国の景気減速懸念や利上げペース鈍化観測を背景にドル売りが継続。一時は前日比1.3%安の132.50円前後まで下値を拡大した。その後、米6月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が約40年ぶりの高い伸びとなったことで134円台半ばへと持ち直す場面もあったが、改めて133円台前半に押し戻されるなど、月末特有の特殊フローの影響もあって不安定な値動きが続いた。
本日から8月入りすることで相場展開はいくぶん落ち着きを取り戻すと見るが、NY市場で発表される米7月ISM製造業景況指数の結果によっては再び値動きが荒くなる可能性もありそうだ。市場予想によると米7月ISM製造業景況指数は約2年ぶりに52.0へと低下して好不況の分岐点である50.0に接近する見通しとなっている。ISM製造業景況指数は米国景気の先行指標として知られているだけに、市場の注目度は高い。
その他、前週末に発表された中国7月製造業PMIが予想外の50.0割れとなっており、本日の主要株式市場への影響も気になるところだろう。
注目の経済指標
注目のイベント
特になし
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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