為替相場まとめ5月23日から5月27日の週

為替 

 23日からの週は、ドル売りが優勢。FOMC議事録公表を通過して米国の利上げペースが市場に織り込まれるなかで、欧州では7月利上げ開始がコンセンサス。ただ、ECBの利上げ幅をめぐって25bpが有力も、一部に50bpの見方があるなどタカ派度合いは不透明だ。ユーロ買い・ドル売りに傾きやすい状況。また、市場で利上げが十分に織り込まれている米国や英国では、利上げ一巡後の景気後退の回避が焦点となりつつある。長期債利回りの低下がドル売りやポンド売り圧力となる面もあったようだ。もっとも、50bpの利上げは期待先行という見方もあり、週末にはユーロ売りが入る場面が見られた。一方、日本では日銀総裁が他の諸国と比較してインフレ上昇は抑制されていると指摘、強力な緩和スタンスを維持する姿勢は変わらない。ドル円はドル売りに押され気味だが、クロス円は下がると買いが入る動きとなっている。NZ中銀が予想通りの利上げを発表し、声明で今後の利上げ継続を示唆したことでNZドル買いが強まった。


(23日)
 東京市場で、ドル円は振幅。朝方に127.60台へと小安く推移したあと、東京勢の本格参加とともに買いが優勢となり128.08近辺の高値をつけた。その後は一転して売りが強まり、12710台まで押し下げられている。先週末海外市場での安値を割り込んでストップ注文が発動されたほか、米機関投資家筋からの売りのうわさもでていた。しかし、売りも続かず127.80台へと買い戻しが入っている。米株先物や米債利回り動向に神経質に反応していた。日米首脳会談が行われたが、為替市場に直接つながるものはなく影響は限定的だった。豪ドルが堅調。週末の豪総選挙で労働党が9年ぶりの政権奪還をほぼ確実としたことが、不透明感の払しょくにつながった。対ドルで0.71台乗せ、対円で91円台を試す動きに。

 ロンドン市場は、ユーロ買いが優勢。5月独Ifo景況感指数が予想外に上昇したことに加えて、ラガルドECB総裁のタカ派発言に反応した。ユーロドルは1.06近辺での揉み合いを上抜けると、1.0690付近まで上昇。ユーロ円は135円台前半から136円台に乗せている。対ポンドでもユーロ買いが強まった。ただ、欧州株は上げ幅をやや縮めており、ECBの利上げペースの加速が警戒されたようだ。ポンドも連れ高となり対ドルで1.26近辺へ、対円で160円台後半へと買われている。ドル円は米債利回り動向に敏感に反応して上下動。ロンドン朝方に米債利回りが上昇すると127.90台まで上昇、東京午前の下げを消した。しかし、米債利回りが上昇一服し、ユーロドルの上昇が加わってドル売りに押され127円台半ば割れへと押し戻された。日米首脳会談が行われ、バイデン米大統領が、対中関税の引き下げを検討、としたことが株式市場に好感される面もあったようだ。ただ、ドル円は上値が重く、クロス円の上昇もユーロ買いによる面が強かった。

 NY市場でも、ユーロ買いが優勢。ユーロドルはロンドン市場で急伸したあと、1.0690台へと高値を伸ばしている。ラガルドECB総裁が、「資産購入プログラム(APP)での純購入は7-9月(第3四半期)の非常に早い段階で終わると考えている。これにより、フォワードガイダンスに沿って7月の理事会で金利を引き上げることが可能になる。現在の見通しに基づくと、7ー9月期末までにマイナス金利を脱却できる可能性が高い」とブログで述べていた。ポンドドルも連れ高となって1.26ちょうど付近まで一時上昇。ただ、対ユーロでのポンド売り圧力もあって、1.25台後半での揉み合いに落ち着いた。ドル円は127円台前半から後半へと底堅く推移。米株式市場でダウ平均が一時700ドル超上昇し、ドル円の下値をサポートした。ただ、128円手前では上値を抑えられている。

(24日)
 東京市場は、リスク警戒の円買いがやや優勢。ドル円は朝方に米株先物・時間外取引の下落を受けて、127.65近辺まで軟化。しかし、大口買い観測などで128円台に一時乗せた。しかし、その後は株安に押されて127.50台へと押し戻された。NY引け後に発表された米スナップの決算が弱かったことを受けて、同社株が30超安となり、ハイテク関連株全般に売りに押された。ユーロドルは前日のラガルドECB総裁発言を受けた買いが一服。1.07手前が重くなると1.0660台へと小反落。あすに中銀会合結果発表を控えるNZドルは調整的な売りが優勢だったが、0.64台前半での取引に落ち着いた。

 ロンドン市場は、ドル売りが先行。ナスダック先物が大幅安、米債利回りが低下したことに反応。ドル円は127円台後半から一時127.09レベルまで下落。その後はやや株安が一服し、127円台半ばへと下げ渋っている。ユーロ相場は買いが優勢。ユーロドルはドル安圧力とともに、ラガルドECB総裁が再び第3四半期にはマイナス金利を脱却との見通しに言及し、買われて1.06台後半から一時1.0736レベルまで上伸。ユーロ円は136円近辺でサポートされると136.80付近まで一時上昇。ポンドは売られている。序盤はポンドドルが1.26手前まで買われる場面があったが、5月英PMI速報値が予想外に弱い数字となり急落。1.2475レベルまで安値を広げた。戻りは1.25台前半までと限定的。ポンド円も160円台半ばから一時159円台割れとなった。ユーロポンドは0.84台後半から0.85台後半へと大きく買われた。足元では、株安の動きは一服しているが、欧州株、米株先物ともに引き続きマイナス圏で推移している。

 NY市場で、ドル円は126円台に下落。リスク回避ムードが広がるなかで、見切り売りが強まり一時126.35付近まで下落した。サポートされてきた127円ちょうどを下抜けて、ストップを巻き込んだもよう。前日の大幅高で底打ちが期待されていた米株式市場が取引序盤には下落したことが失望感を広げたようだ。ただ、為替市場ではリスク回避のドル買いではなく、逆にドル売りが強まった。市場では、景気後退が広く意識されるようであれば、FRBの利上げ期待が後退する可能性を見ているのかもしれない。前日は一部のFOMCメンバーから9月で利上げを一旦停止し、様子を見るのも選択肢の1つとの発言が出ていた。ユーロドルは一時1.07台半ばまで急速に買われた。カザークス・ラトビア中銀総裁は、「0.50%ポイントの大幅利上げ排除すべきでない」と述べた。一方で、ポンドドルには売りが強まり1.25台を割り込む場面があった。ロンドン時間に発表になっていた5月の英PMIを受けてポンドは戻り売りが強まっている。特にサービス業の弱さが目立ち、生活費危機の中で家計の実質所得が減少し、消費需要が弱まっていることを示唆した格好だった。
 
(25日)
 東京市場では、NZドルが買われた。NZ中銀は市場予想通り0.5%の利上げを発表。声明の中で政策金利OCRがターゲットに安定的に戻るまでの引き締め姿勢継続に言及。追加利上げを強く示唆するものとしてNZドルの急騰につながった。発表前の下落を消して対ドルは0.65台乗せ。対円は81円台半ばから82円台前半に。ドル円は126.60付近まで軟化したあと、127円台に乗せた。米株先物が底堅く推移し、リスク警戒の動きが後退している。ユーロドルは1.0730近辺から1.0700台まで小安く推移。ドル円の上昇など、ドル買いの動きが重石に。

 ロンドン市場は、ユーロ売りが優勢。ユーロドルの反落とともにドル指数の下げも一服。ユーロ売りの背景としては、ECB金融安定化報告で、インフレと成長鈍化の中で、企業の弱体化や資産市場が急激に調整されるリスクを警告していた。また、パネッタECB理事が正常化が中立を意味するものではないとの見方示しており、緩和スタンスを残したいとのニュアンスが感じられた。ユーロドルは1.07台を割り込むと、安値を1.0656レベルまで広げた。ユーロ円は136円付近から一時135.50割れ。ポンドドルは序盤に1.2560近辺まで買われたが、ロンドン勢の本格参加とともに売りに押されて一時1.2485近辺まで下落。ポンド円も159.50超えとなったあとは売りに転じて128.70付近まで反落。ドル円は東京市場からのじり高の動きを受けて序盤に127.30近辺に高値を伸ばしたが、その後は売買が交錯して127円台割れとなる場面も。米株先物はやや売りに押されている。

 NY市場は、ドル売りが優勢。午後になって5月開催分のFOMC議事録が発表された。議事録では大半のメンバーが次回6月と7月の2回の0.50%ポイントの大幅利上げを支持していることが明らかとなった。その一方で、「迅速に利上げを実施すれば、年内において政策引き締めの効果、および経済の展開が政策調整をどの程度正当化したかを見極める上で良い位置につけることができると、多くの参加者が判断した」としている。市場からは、FRBが中立金利の水準まで迅速に政策金利を引き上げたあとは、利上げを一旦停止し、年末に向けて再評価するのではとの見方も。ユーロドルはロンドン時間の下げを戻す動き。1.06台半ばから1.06台後半へと反発。ポンドドルもロンドン時間に1.24台まで下落したが、NY時間には1.25台後半まで高値を伸ばした。この日は英中銀のチーフエコノミストのピル委員の発言が伝わっていたが、英中銀は高インフレと戦うために追加の引き締めを実施する必要があるが、あまりにも早く行動して英国を景気後退に追い込む危険性もあると警戒していた。 

(26日)
東京市場では、主要通貨が方向性に欠ける振幅だった。ドル円は朝方に前日の米FOMC後の売りが継続し127.12近辺まで下落。すぐに買いに転じると午前中に127.58近辺の高値をつけた。その後は米株先物や米債利回りの上下動をにらみつつ、レンジ内での振幅が続いた。ユーロドルは前日からの上昇の流れを受けて午前中に1.0723近辺まで高値を伸ばした。その後は上値を抑えられて揉み合いに。午後には下押しに流れが転じて1.06台後半に軟化した。ユーロ円は買いが先行して136.55近辺まで買われたあとは、ユーロドルの下げとともに135円台後半へと下押しされた。

 ロンドン市場は、ドル売りが継続している。ドル売りを先導したのがドル円の下落。黒田日銀総裁が「米利上げでどんどん円安になるという事ではない、金利差と為替の関係は必ずしも確定的な結論ない」と述べたことに反応。ドル円は127円台を割り込み、126.55近辺まで下落した。この動きにやや遅れてユーロドルやポンドドルが買われている。ユーロドルは1.06台後半へと上値重く推移していたが、1.07台乗せから高値を1.0723近辺に伸ばした。ポンドドルは1.2550付近へと下げていたが、1.25台後半での振幅を経て1.2621近辺に高値を更新。株式市場は売買が交錯する神経質な動きとなっているが、次第に買いが優勢になってきている。米10年債利回りは2.70%付近に低下したあとは2.74%台に上昇と方向性に欠けた。前日の米FOMC議事録を無難に通過して、リスク警戒の動きは一服している。ドル円はクロス円とともに買い戻され、127円付近へと反発も、日銀総裁発言前の水準には届いていない。

 NY市場ではロンドン市場で値を落としたドル円が買い戻される動きに。米株が続伸となり、リスク警戒感の後退からの円売りが強まった。ユーロドルではユーロ買いドル売りの動き。株高の動きが円安、ドル円を除くドル安につながっている。ロンドン市場で1.0720台まで上昇した後、1.0690割れまで調整が入る場面が見られたが、その後再びのユーロ買いドル売りとなり、1.0730前後まで。ロンドン市場で振幅が目立ったポンドドルは、ロンドン市場での1.2620前後までの上昇からいったん1.2550までと東京午後の安値圏に値を落とす動き。ただ、その後は下げ渋りを見せた。ユーロ円はドル円の買いとユーロドルの上昇の両面から支えられる形で136円60銭台まで。ロンドン市場での135円20銭台までの下げから1円半近い反発となった。

(27日)
東京市場では、午前中にドル円が値を落とす動きに。NY市場で127円台半ばがやや重くなり、下げやすい地合いとなる中、米債利回りが冴えない動きを見せたことをきっかけに売りが強まった。127円60銭台まで一時値を落としたが、前日ロンドン市場の安値に届かず、その後はいったんもみ合いに。ドル円でのドル売りもあってユーロドルはしっかり。昼前に1.0740前後を超え、1.0750超えのストップロス注文を巻き込む形で1.0760台まで。その他豪ドルの買いが目立つ展開に。アジア株式市場で香港株が大きく反発を見せ、リスク選好の動きが強まったことが、資源国通貨買いにつながった。東京午前の0.7100を挟んでの推移から0.7140台を付ける動きを見せている。

 ロンドン市場は、ユーロドルの下げが目立った。東京昼頃の高値からじりじりと値を落とす動きを見せると、上昇局面でポイントとなった1.0740を割り込んで売りが加速。1.07を割り込むところまで売り込まれた。ECBによる7月及び9月の利上げを織り込む動きが進んでいるが、市場の一部で期待がある7月の0.25%利上げについては期待先行との意識が出てきており、調整が入った形。ドル円は東京市場の下げ分を解消する動きとなり127円20銭台まで。アジア市場での香港株の買い戻しに続き、欧州市場でも株高の動きが優勢となり、リスク選好での円売りが入る形に。ユーロ円も136円40銭前後の動きらから一時136円70銭台まで上昇も、その後はユーロ売りの動きに押され135円80銭台まで。

 NY市場は月末絡みの動きでドルの買い戻しが優勢となり、ドル円は127円台に戻している。東京時間には一時126.70近辺まで下落する場面が見られた。今週のFOMC議事録を受けて、市場はFRBの積極利上げへの期待を一服させている。一部からは、インフレにピークアウト感が出れば、9月の利上げでFRBは一旦利上げサイクルを停止するとの声も出ている。

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執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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