FRBはテーパータントラムの教訓を学んでおり、慎重姿勢をしばらく緩めないとの見方も=NY為替
米株の上値が依然として重い中で、ドル円は再び110円台に下落している。米国債利回りの上昇が続く中で米株式市場はIT・ハイテク株中心に売りが続いており、全体相場が圧迫されている。FRBはインフレ上昇は一時的とのスタンスを崩していないが、サプライチェーンのボトルネックが依然解消されない中で、想定以上にインフレ上昇が長引くのではとの懸念が市場に広がっているようだ。そのような中で、FRBが早期の出口戦略に着手との見方も根強い。
しかし一部からは、FRBは2013年のテーパータントラムからの教訓を学んでおり、しばらく慎重姿勢を緩めないとの見方も出ている。2013年にFRBが資産購入減少を示唆した後、米国債利回りが急上昇し市場の混乱を招いていた。
不確実な状況が依然として米経済を制約している中で、刺激策の早期解除はない。インフレを巡る議論は沸騰しているものの、主要国も利上げ開始には距離を置いている状況で、2023年まで利上げはないという。実際に2023年に利上げを開始したとしても、2025年の政策金利は1%程度に留まり、金利上昇のペースは緩やかなものになるとしている。
USD/JPY 110.92 EUR/JPY 128.87
GBP/JPY 150.90 AUD/JPY 80.69
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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