FX「ドル/円、『先高感』と『過熱感』が交錯」 外為トゥデイ 2021年9月30日号
目次
▼29日（水）の為替相場
（１）：自民党総裁選は岸田氏が勝利
（２）：月末要因と見られるドル買い
（３）：要人発言が相次ぐ
29日（水）の為替相場
期間：29日（水）午前6時10分～30日（木）午前5時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：自民党総裁選は岸田氏が勝利
自由民主党総裁選は決選投票で岸田氏が河野氏を破って勝利。第百代の首相に選出される見通しとなった。ただ、円相場に目立った反応は見られなかった。
（２）：月末要因と見られるドル買い
ロンドン16時（日本時間24時）のフィキシングに向けてドルが全面的に上昇。四半期末でもある9月末に向けたドル需要と見られる。ドル/円は上昇した一方、クロス円はストレートドルの下落で上値が重かった。ドル/円はその後112.05円前後まで上値を伸ばし、2020年2月以来約1年7カ月ぶりの高値を付けた。
（３）：要人発言が相次ぐ
欧州中銀（ECB）の金融シンポジウム「ECBフォーラム」で、黒田日銀総裁は岸田次期内閣がいかなる政策を採用しても、「きわめて緩和的な金融政策を維持する事に変わりはない」と述べた。ラガルドECB総裁は「いま見られる物価上昇が概ね一過性のものにとどまらないと考える理由はない」などと発言。米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長は「インフレが高水準にあり、目標を大幅に上回る半面、労働市場にはスラック（緩み）が存在するもよう」「FRBの二大目標の間に生じている緊張の解消が喫緊の課題」「今後数年の間にこの問題に対処することが最も重要な優先事項で、非常に困難な課題となるだろう」とした。英中銀（BOE）のベイリー総裁は「英経済は来年初めにコロナ禍前の水準を回復すると予想している」「インフレ期待を緊密に注視し、ガソリン不足などの供給不足を巡る問題がインフレに二次的な影響を及ぼさないか見守る」と述べた。
29日（水）の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し：先高観と過熱感が交錯する月末最終日
昨日のドル/円は約1年7カ月ぶりに112円台を示現した。米長期金利は低下したものの、四半期末に絡むドル需要などからロンドンフィキシングの前後で上昇が加速。一時112.05円前後まで上値を伸ばした。ドルの「先高感」は根強く、9月末最終日の本日もドル/円は堅調を維持しそうだ。
ただ、2020年高値の112.22円前後や2019年高値の112.40円前後など、112円台前半はチャート上の重要ポイントでもある。この水準では一定の戻り売りニーズがありそうだ。ドル/円は、昨日まで6連騰しており、短期（9日）RSIが75％を超えるなど「過熱感」も出始めている。「先高感」と「過熱感」が交錯する中、月末最終日のドル/円は値動きがやや不安定化しそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
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