回復鈍化を示すものでないが、早期出口戦略への期待は後退=NY為替
きょうのNY為替市場はドル売りが強まっており、ドル円も一時108.35円付近まで下落する場面がみられた。朝方発表の4月の米雇用統計がショッキングな内容となったことで、市場は動揺している模様。非農業部門雇用者数(NFP)は26.6万人増となった。市場の予想コンセンサスは100万人増で、なかには100万人を大きく超えるとの強気な見方まで出ていた。
市場の見解を総合すると、他のデータも鑑みて、パンデミックからの景気回復トレンドの鈍化を示す内容ではないとの意見が多い。ただ一方で、少なくとも利上げはおろか、資産購入ペース縮小など、市場が描いていたFRBの早期出口戦略着手への期待は大きく後退させる内容との見解も多く見受けられる。
ドル円は現在までの下げで21日線を再び下回って来ている。4月の下旬以降、調整の動きも一服し買い戻しが見られていたが、再び107円台に向かって下落して行くのか、それとも110円に向かうのか、来週以降の動きが注目される展開となってきた。
USD/JPY 108.57
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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