ドル円は一時108.65円近辺まで上昇 米国債にらみの展開が続く=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場、米国債にらみの展開が続いている。朝方発表された米雇用統計は予想を上回る強い内容となり、非農業部門雇用者数(NFP)は37.9万人増加し、失業率も6.2%に低下した。NFPは娯楽や観光といったパンデミックで落ち込んでいたセクターの増加がけん引し、明るい兆しではある。

 指標発表直後は米国債利回りの上昇とともにドル買いが加速し、ドル円も一時108.65円付近まで上昇。米10年債利回りは2月25日以来の1.62%台に上昇した。しかし、その後は米国債利回りが上げ幅を縮小したことからドル円も108円台前半に伸び悩んだものの、下値も底堅く108円台はしっかりと維持している。

 米国債利回りもドルもかなり過熱感が出ており、インフレ期待は強いものの、現段階ではそれを織り込み過ぎとの声も聞かれる。強い米雇用統計を受けての上げをきかっけに、一旦利益確定の動きも出ていたようだ。

 米雇用統計については、失業率はピークの14.8%から大きく改善しているが、パンデミック前の低水準を依然として上回っている。就業を諦め労働力人口から外れた人も依然として多く、数字ほど労働市場は改善してはいないとの声も聞かれる。ボスティック・アトランタ連銀総裁は「米国の総失業率は10%に近い」と述べていた。

 一方、このところのドル高の動きに疑問も示されている。安全資産とされるドルについて、世界経済の回復やFRBが低金利政策の維持で信認を取り戻すことを背景に、いづれ下落するはずとの見方も出ている。FOMCメンバーは今週、長期金利上昇を強くけん制することができなかったが、早期利上げに前向きになる公算は小さいと指摘。政策金利が過去最低水準に据え置かれる限り、周期的な回復局面にある他の通貨に対してドルが堅調に推移する可能性はほとんどないという。

 ユーロドルは1.19ドル台前半で推移。この日発表の米雇用統計が強い内容となったことでユーロドルは戻り売りが強まり、一時1.18ドル台に下落する場面もみられた。ただ、その後は米国債利回りが上げ幅を縮小したことで、ドル買いも一服し、ユーロドルは1.19ドル台を維持した。

 市場は来週のECB理事会に注目している。FRBは国債利回りの急上昇を静観する姿勢を示しているが、ECBは神経質になっているようだ。市場からはラガルド総裁は、ECBの金融緩和策は長期間継続され、有利な資金調達条件を維持することを強調し、投資家を安心させるとの見方も出ている。具体的な対応策までは打ち出さないと思われるものの、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)による債券買い入れを加速させ、利回り抑制を図る姿勢を示唆して来るとみられているようだ。

 米国債利回りの上昇に歩調を合わせて、欧州債利回りも急速に上昇している。ただ、欧州の景気回復は米国に遅れをとることが予想される中、ECBは利回りの急速な上昇は容認しないと見られているようだ。

 ポンドドルも売りが優勢となり、一時1.37ドル台に下落する場面もみられた。21日線を下放れる動きが見られており、下値警戒感が高まっている。

 今週はスナク英財務相が予算案を議会に提出したが、それには2023年から法人税を現行の19%から25%への増税や個人所得に対する非課税控除凍結も盛り込まれていた。英予算責任局(OBR)は英経済は22年第2四半期までにパンデミック前の水準に回復するとの予測を出し、従来よりも回復時期を前倒している。しかし、市場では22年から翌年に控える増税の影響が英経済を圧迫するとの指摘も出ている状況。もっとも、増税計画については、時の政権の方針に左右されることも多く、与党保守党内からは実現を疑問視する声も出ていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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