ドル買い優勢、中国国家安全法の成立で警戒感=ロンドン為替概況
ドル買い優勢、中国国家安全法の成立で警戒感=ロンドン為替概況
30日のロンドン市場は、ドル買いが優勢。中国全人代が国家安全法を成立させており、欧州や英国からは遺憾の意、警戒感などが表明される事態となっている。今後の不透明感から株式市場は不安定な値動きを示している。ユーロドルは一時1.12割れ、ポンドドルは1.2260近辺まで下押しされた。豪ドル/ドルは0.6833レベルまで一時下落。ドル指数は6月2日以来の高水準となっている。クロス円も上値重く推移。ユーロ円は120円台後半、ポンド円は132円台前半、豪ドル円は73円台後半などで東京市場での上昇を消している。ドル円はドルに連れ高となり107.80近辺まで買われたが、クロス円の売り圧力もあって上昇は限定的。107円台後半でもみ合っている。
ドル円は107円台後半での取引。ロンドン朝方に107.65近辺まで下押しされたあとは、ドル買い方向に転じた。一時107.80レベルまで上昇。しかし、欧州株や米株先物の不安定な動きで上値も重く、レンジ内に押し戻されている。日銀は7月の長期国債買い入れ方針を発表した。残存期間1年超3年以下など、10年までの4ゾーンで1回あたりの買い入れ額のレンジを拡大した。ただ、ドル円は反応薄だった。
ユーロドルは1.12台前半での取引。欧州株や米株先物が不安定に振れる動きにリスク警戒のドル買いに押されている。中国全人代が国家安全法を成立させており、欧州や英国からは遺憾の意、警戒感などが表明される事態となっていることが背景。一時1.1199レベルまで下押しされている。ユーロ円は序盤に121円台割れから120.65レベルまで下落。その後は120円台後半でのもみ合いとなっている。5月の仏消費支出が大幅に回復したがユーロは反応薄。6月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+0.3%と前回から上昇も、コア前年比が+0.8%と伸び悩んでいた。
ポンドドルは1.22台後半での取引。東京午前の1.23台から水準を下げており、ロンドン序盤には1.2258レベルまで下押しされた。その後も1.22台後半で上値重く推移。ポンド円はロンドン朝方に売りが強まり132.02レベルに安値を広げた。その後は下げ一服となり132円台前半でもみ合っている。ロンドン朝方に発表された第1四半期の英GDP確報値は前期比-2.2%へと下方修正された。個人消費に加えて政府支出も前期比で減少している。ジョンソン英首相がインフラ整備について演説しているが目立った反応はみられていない。ホールデン英中銀チーフエコノミストは、経済先行きについて慎重な見方を示しており、今年下半期にマイナス金利について精査する、個人的には追加策が必要かどうかについて「オープン・マインド」などとしていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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