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今週のまとめ6月1日から6月5日の週

為替 

 1日からの週は、円安・ドル安の流れが継続。各国経済再開の動きで今後の景気回復が期待されるなか、世界的に株式市場が堅調に推移。米国でのデモ・暴動や制限解除にともなう2次感染リスクなどが影を落としたものの、市場では期待感のほうが勝っている。各国で発表された5月PMIは4月から改善しており、景気悪化が底入れする兆候が示された。木曜日のECB理事会では、資産購入規模が6000億ユーロ増額され、事前予想以上の追加策が打ち出された。ユーロドルやユーロ円が一気に買い進まれた。また、ドル円は今週に入ってから108円台、109円台と大台替りとなっており、5月までの107円台を中心とした膠着相場を上方向に抜け出している。対円を除くドル相場はドル安の流れ。リスク選好の円売り圧力との相乗効果の面も加わった。資源国通貨にとっては原油相場の回復も買い材料だった。金曜日発表の5月米雇用統計は予想外の雇用増、失業率改善となり、米債利回り上昇とともにドル円も買われた。

(1日)
 東京市場では、ドル安の動きが優勢。ドル円は朝方に107.86レベルまで上昇、株高の動きからリスク選好の円売りを誘った。しかし、前週末NY市場の高値には届かず、その後は107円台後半で調整の動き。ミネアポリスで始まった暴動が全米規模で広がり、過激化。30以上の都市で夜間外出禁止令が出るなどの状況を受けてやや警戒感も。ユーロドルは1.11台割れから1.1140台へと上昇。豪ドル/ドルは0.6650割れから0.6740台まで上昇と堅調。豪ドル円は71.50近辺から72.60近辺へと上伸。アジア市場で株高が進行したことが買いを誘った。香港株式市場は、国家安全法関連で懸念されたが、週明け相場は活況を呈していた。

 ロンドン市場は、ドル高方向に調整が入った。週明けはアジア株が堅調に取引されたことを受けて、欧州株も買われている。為替市場ではドル売りが先行、ドル円は107円台半ばで揉み合うなかでユーロドルやポンドドルが高値を伸ばす動きがみられた。この日発表された一連の欧州製造業PMIや英製造業PMIが前回からは改善を示しており、新型コロナを受けた経済に底入れの兆候が示されていた。しかし、関係者の情報として、中国が米国からの一部農産物の輸入を停止と報じられており、市場に警戒感が再燃。ドル高方向に値動きが転じた。ユーロドルは1.11台半ばから1.11ちょうど付近へ、ポンドドルは1.24台前半から1.23台後半へと反落している。クロス円も上値が重い。ドル円は中国の報道で安値を107.39レベルまで広げたとは、上昇に転じており107.70近辺へと反発している。欧州株はプラス圏を維持しているが、米株先物は前日終値を挟んで方向性が錯綜、米国内の混乱もあって落ち着かない相場になっている。

 NY市場では、ドル売りが継続。段階的な経済再開が各国で始まる中で、景気回復への期待感が市場をサポートしている。一方で、米中対立や感染第2波のほか、ここに来て米国での白人警察官による黒人暴行死への抗議活動がエスカレートしており、市場も動向を注視している。ユーロドルは1.11台を維持しており、堅調な動きを続けている。きょうで5日続伸。欧州委員会の提示した7500億ユーロ規模の復興基金への期待に加えて、リスク選好のドル売りも。ポンドドルは1.25台まで上昇した。ショートカバーが強まり21日線を上放れている。英政府の景気支援策が期待されている。ただ、EUとの貿易交渉など様々な問題も抱えている、一段高には慎重な声もでている。

(2日)
東京市場で、ドル円は107円台後半での振幅。朝方は売りが優勢。ミネアポリスで始まった暴動が全米規模で拡大、過激化している状況が嫌気された。トランプ大統領が国民に向けた演説で軍の派兵も辞さない姿勢を示したことも、警戒感を誘った。しかし、107.50台でサポートされると、その後はじり高の動きに。日経平均の上げ幅が300円超に、香港ハンセン指数が続伸など世界的な株高の動きがリスク選好につながった。豪中銀政策金利は予想通りの据え置き。豪ドル/ドルは0.68を挟んだ値動き。豪ドル円は73円台前半へと上昇。ユーロドルは1.11台前半での推移。

 ロンドン市場は、円安とドル安の動き。欧州株や米株先物が堅調に推移、原油相場も上昇、リスク選好ムードが広がった。米中貿易関係の不透明感が後退したことが背景。昨日は中国が米国産大豆の輸入を停止するとの報道が市場の不透明感を広げたが、きょうは中国外務省が、「米国からの大豆輸入を停止するとの情報はない」と表明している。連休明けのドイツDAX指数は4%近い大幅高に。米株先物はアジア時間の下げを消してプラス圏に。また、NY原油先物が36ドル台へと上昇している。ロシアなど産油国がOPECプラスの減産の1カ月延長を支持と報じられている。為替市場ではポンド買いが先行したあと、ユーロや豪ドル、カナダドルなども買われた。ユーロドルは1.11台後半、ポンドドルは1.25台半ばへと上昇。ユーロ円は120円台半ば、ポンド円は135円台乗せへと上昇。ドル円も107.84レベルまで高値を伸ばした。

 NY市場は、円売りが強まった。ドル円はロンドンフィキシングにかけて買いが加速した。NY時間に入って突如ドル円に買いが強まり、ストップを巻き込んで108.75付近まで上昇。107円台でのレンジ相場を上抜けて、一気に200日線を回復した。ユーロドルは買い戻しが優勢で、1.12ドル台をうかがう動き。この日はメルケル独首相が与党の党員に対して、第2次の景気刺激策で譲歩を求めているとの報道が伝わったこともユーロをサポートしたようだ。報道では、ドイツ政府は最大1000億ユーロの第2次景気刺激策を模索するという。ポンドドルは続伸、一時1.2575近辺まで買われた。EUとの貿易交渉が再開しているが、英タイムズ紙が、「英国が漁業権などで譲歩する用意がある」と伝えたことでポンド買いが強まった。ただ、この報道に対して英政府は妥協しない姿勢を示している。

(3日)
 東京市場は、ドル円が上下動。前日のNY市場で急騰したドル円は、朝方に108.85レベルまで一段と上昇した。株高期待がドル買い・円売りを誘った。ただ、高値を付けたあとは調整の動きが広がった。109円手前の売りを意識して短期筋が売りに回った格好。NY夕方の安値を割り込んで108.42レベルまで下落、その後は108円台半ばに落ち着いた。全般的には株高などリスク選好の流れがドル円、クロス円を下支えした。米国での暴動の広がりが報じられているが、金融市場のセンチメントは維持されている。ユーロドルが1.12台に乗せるなど、ドル円以外ではドル売りが優勢。

 ロンドン市場は、リスク選好の流れが継続。欧州株や米株先物は堅調に推移。各国での経済活動再開の動きが好感される展開となっている。この日発表された一連の英欧の5月非製造業PMIはいずれも前回もしくは速報値からの改善の動きがみられた。為替市場ではリスク選好的なドル安と円安の流れを維持。ドル円は108円台後半に高止まり、ユーロ円は一時122円台乗せ、ポンド円は137円台乗せの場面があった。ユーロドルは1.12台乗せから1.12台割れ水準での揉み合い。ポンドドルは1.25台後半から1.26台乗せ水準での揉み合い。英中銀総裁が英銀行の幹部らと2日に電話会談を行い、通商合意なしのEU離脱移行期間終了に準備する必要があると述べた。ただ、ポンド売り反応は特段みられなかった。一方、原油相場が反落しており、豪ドルは上値重く推移している。OPECプラスでの生産割当に不正が指摘されたとの報道が背景。減産合意の動きに不透明感が広がっている。豪ドル/ドルは0.69台割れ、豪ドル円は75円台割れとなっている。

 NY市場は、リスク選好の円安が続いた。ドル円は109円台にはなお慎重さがみられたが、下押す気配もなく、引き続き109円をうかがっている。感染第2波や米中対立への警戒、そして、米抗議デモも加わり、市場にはネガティブな材料が揃っているものの、市場では経済再開への期待感が根強い。足元の実体経済の弱さも、FRBの大胆な資金供給、各国政府による経済対策第2弾への期待が相場を支えているようだ。ドル円は109.40近辺が目先のレジスタンスとして意識されている。ユーロドルは1.12台半ば、ユーロ円は122円台半ばまで上げ幅を拡大。あすのECB理事会での追加策への期待も。PEPPの資産購入規模を5000億ユーロ拡大との観測がでていた。ポンドドルは1.26台、ポンド円は137.40近辺まで一時上昇。ただ、英政府は離脱移行期間の延長は行わないと繰り返しており、合意なき離脱に英銀は準備すべきとの英中銀総裁発言も伝えられている。

(4日)
 東京市場で、ドル円は一時109円台をつけた。朝方に109円台を付けた後、108.80前後まで反落も、午後には再び109円台乗せ。日経平均は大幅続伸で取引を開始したが、一時マイナスに転じる場面も。大引けは81円高と4日続伸。ドル円は株式にらみの動きの面があった。ユーロドルは調整に押され、1.23台前半で上値重く揉み合った。ユーロ高の流れが続いているが、きょうはECB理事会を前に突っ込んだユーロ買いには慎重な姿勢がみられた。ECB理事会では政策金利の据え置き、量的緩和のうち、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大、期間延長などが見込まれており、積極的な緩和姿勢の維持がユーロ買いにつながることが期待されている。ユーロ円は112円台前半での上下動。

 ロンドン市場は、ドル買いが先行。この日は欧州株や米株先物が調整売りに押されており、為替市場でもこれまでのドル安の流れにポジション調整が入った。ドル円は109円台での取引のなかで一時109.16レベルまで高値を伸ばした。欧州通貨ではポンド売りが優勢。ポンドドルは1.25ちょうど付近まで下落、ユーロドルも一時1.12台割れとなった。株安もあってその後は円買い圧力がみられ、ドル円は109円台割れへ、ユーロ円は122円台割れ、ポンド円は136円台前半へと下押し。ポンドドルやユーロドルは下げ一服に。ただ、ECB理事会の結果内容を見極めたいとして値動きは限定的。アトマイヤー独経済相は、独経済が危機以前の状況に戻るのは2022年下半期となろうと述べた。ハウザー英中銀市場部門エグゼクティブ・ディレクターは、近い将来にマイナス金利は導入されないだろうとしていた。いずれにも目立った反応はみられなかった。

 NY市場では、ドル売りが続く中でもドル円はしっかり。米株式市場には利益確定売りがみられたが、ユーロ円を中心に円安の動きがみられ、ドル円も109円台に再び上昇している。 一部報道でトランプ政権は、次回の景気刺激策で1兆ドル規模を想定しているが、議論が遅れていると伝えている。白人警官による黒人男性殺害に対する抗議が全米各地で激しさを増している中で、ホワイトハウスはその対応に追われたようだ。ドル売りが続くなかでユーロドルは買いが加速、3月12日以来の1.13台に上昇した。ECB理事会では、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入規模を6000億ユーロ増加させ1.35兆ユーロまで拡大させた。予想以上の拡大。一方、プログラムの期限を少なくとも2021年6月まで延長している。こちらは予想よりも短い。PEPPの保有債券は少なくとも22年末まで再投資されるという。ポンドドルも連れ高となり、1.26台を回復。ただ、EUとの貿易交渉には進展が見られていないようだ。きょうはクラウス駐EU大使が「交渉に進展はない」と述べていた。

(5日)
 東京市場で、ドル円は109円台前半で推移。前日海外市場で109円台乗せから108.60台まで下落、その後再び109円台乗せと下値の堅さが印象付けられた。東京市場では一時109.20台まで高値を伸ばした。ただ、仲値にかけて輸出企業からの円買い需要が多かったとの観測もあり、上値は抑えられている。下押しは109.05近辺までと限定的。午後には日経平均が高値を伸ばしており、高値を広げる動きとなった。ユーロ円は123円台後半と、前日からの高値圏で揉み合ったが、取引終盤には124円台乗せへと上抜ける動きがみられた。

 ロンドン市場は、ドル安・円安の動きが一服。欧州株や米株先物、原油相場などは引き続き堅調に推移しており、今週のリスク選好の流れは維持されている。ただ、米雇用統計発表をこの後に控えて、やや調整の動きが入った。取引序盤はドル円が109.42レベル、ユーロ円が124.43レベルまで上昇。ユーロドルが1.1384レベルまで上昇。しかし、その後はドル円が109.10台、ユーロ円が123.70近辺、ユーロドルが1.1320近辺などへと反落し、上昇の勢いは落ち着いた。ポンドにとってはバルニエEU首席交渉官の会見が注目されたが、EUと英国の今週の協議、大きな進展なかった、としていた。英国側のフロスト氏も、同様の発言だった。ただ、ポンド相場の反応はほとんどみられず。ユーロと同様に上に往って来いとなっている。この日は目立った英欧経済統計発表はなく、米雇用統計までは材料難となっている。

 NY市場でドル円は買いが強まり、一時109.85近辺まで上昇。心理的節目である110円をうかがう展開を見せている。引き続きリスク選好の雰囲気が強まる中で、朝方発表になった米雇用統計が予想外に強かったことがドル円を押し上げた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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