「リスク・オフでも動じないドル/円」 外為トゥデイ 2020年4月21日号
目次
▼20日（月）の為替相場
（１）：NZ政府 27日にロックダウン緩和
（２）：EU 1兆ユーロ調達計画に期待感
（３）：NY原油先物 史上初のマイナス価格
20日（月）の為替相場
期間：20日（月）午前7時00分～21日（火）午前5時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：NZ政府 27日にロックダウン緩和
NZ政府は、新型コロナウイルス感染拡大を防止するために実施しているロックダウン（都市封鎖）を1週間延長した上で、その後制限を緩和すると発表した。アーダーン首相は「4月27日午後11時59分に警戒レベル4のロックダウンを解除する」と表明。これを受けてNZドルが上昇すると豪ドルも連れ高した。
（２）：EU 1兆ユーロ調達計画に期待感
イタリア紙が「欧州連合（EU）の執行機関である欧州委員会は新型コロナウイルス感染拡大の影響が最も深刻な国々を支援するため『欧州債』を発行し、最低1兆ユーロを市場で調達する計画を準備している」と報じた事を受けてユーロが上昇。こうした措置について、ドイツのメルケル首相は「ドイツは連帯して行動したいと考えているだけでなく、実際に連帯して行動する」と述べた事もあって23日のEU首脳会議で大規模な支援策が打ち出されるとの期待が高まった。
（３）：NY原油先物 史上初のマイナス価格
NY原油先物（WTI）が史上初のマイナス価格で約定すると一気に-40ドル台まで暴落した。5月限（期近）の取引最終日を翌日に控えて買い手不在の中、投げ売りの動きが強まった。在庫の積み上がりで原油保管コストが嵩むとの懸念があるとはいえ異例の価格形成を受けてリスク回避ムードが広がるとクロス円で円高が進行。リスク回避でドルも強含んだため、ドル/円に動きは見られなかった。
20日（月）の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し：
107円台中心のもみ合い
昨日のドル/円は、終値ベースで0.1％未満の小幅高。NY原油先物（WTI）が史上初のマイナスで取引されるなど一部の市場で極度の混乱が見られたものの、為替相場は比較的落ち着いており、中でもドル/円相場は小幅な値動きに留まった。「少々のリスク・オフには動じないドル/円相場」といった様相だ。
米商品先物取引委員会（CFTC）が公表している通貨先物データで確認できるように、投機筋のポジションに大きな偏りが見られない事もドル/円相場の値動きを抑制する要因のひとつになっているようだ。本日も107円台を中心とするもみ合い商状が続きやすいと考えられる。
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